異世界宇宙SFの建艦記 ――最強の宇宙戦艦を建造せよ――

黒鯛の刺身♪

文字の大きさ
2 / 55

第二話……楽しい買い物

しおりを挟む
「……よし出来たぞ!」

「見栄えはわるいですね」

「……」

 見栄えをディーに酷評されるも、晴信は採掘用のロボットを作り上げた。
 損耗が多いであろう肩関節は大きくし、足回りは履帯化した。


「GO!」

 ロボットのAIに掘削の指示を出し、待つこと二時間。
 工場の脇の資源置き場には、沢山の鉄鉱石が積まれることとなった。


「どんどん溶かすぞ!」

「了解!」

 晴信とディーは楽しそうに鉄の精錬を始める。

 資源置き場に積まれた鉄鉱石を、どんどんと炉に放り込んだ。
 炉までの輸送は、もともと工場に備わったクレーンが搬送を行う。

 酸化鉄の酸素を炭素に吸収させ、鈍い銀色の鋼板が出来上がった。
 晴信はそうして作られた鋼材をもとに、全長50Mほどの宇宙船の製造を開始。
 二日後には完成にこぎつけた。

 ちなみに、記念すべき船名は「アルファ号」と名付けられた。



☆★☆★☆

「ねぇ、ディー。この世界には、文明をもった生き物とかいるの?」

「いますよ、ハルノブみたいな人間ではないですけどね」

「じゃあ、会いに行こう!」

「了解です!」

 晴信とディーは、出来上がった宇宙船に鉄鉱石を詰め込む。
 そして工場に置いてあった燃料を注ぎ込み、宇宙へと飛び出したのだった。

「発進!」

「了解!」

 とりあえずは、晴信が船長、ディーが航海士といった感じで役回りを決めた。
 しかし、晴信はほとんどわからないから、ディーに教わりながら船を飛ばす。


「ハルノブ! あの構造物に文明をもった生物がいるよ!」

「よし近づいてみるぞ!」

 宇宙ステーションのような巨大な構造物に、アルファ号は接近。


「こちらステーション『タイタン』。未確認船、止まりなさい!」

「こちらは一般貨物船です。積載物は鉄鉱石です!」

 アルファ号のモニターに、タイタン側の管制官が映る。
 晴信は思いっきり笑顔を作って、顔を引き攣らせた。


「良かろう、あとで船長は管制室まできなさい!」

 アルファ号は、無事に宇宙ステーション・タイタンに入港。
 その後、晴信は管制室に出向いた。



☆★☆★☆

「おお? 君は絶滅危惧種の人族じゃないか!」

「……ええ」

 人間が絶滅した世界なので、晴信は好奇な目で見られる。
 管制官の殆どは獣人。
 ゲームやファンタジー世界でお馴染みの姿をしていた。

 管制官はひとしきり調書を取った後。
 晴信の「アルファ号」を正式に登録してくれた。


「あとな、ハルノブさん。惑星間ギルドにも登録しておいた方が良いよ!」

「それはどこにあるんです?」

「このコロニーの中央部の繁華街になる。行けばわかるってもんよ!」

「わざわざありがとうです!」

 晴信は御礼を言って、管制室を出た。
 次に目指すは惑星間ギルド。
 話を聞くには、貿易をするのに便利な組織なのだそうな。

 ギルドへと向かう途中。
 様々な歓楽街が、晴信とディーの心を癒す。
 最近は工場に引き籠りで、人との交流が無かったからだ。



☆★☆★☆

「あのー、登録に来たんですけど……」

「おお、新人か!? まずは名前と生体認証の登録を頼むぞ!」

「はい」

 晴信は必要事項を記入すると、小さなカードを貰った。
 左上にちいさく【Fランク】と描かれていた。

「このカードさえあれば、ギルドから仕事を請け負ったり出来て、時には身元証明書にもなるんだ。なくさないようにしとけよ!」

「はい!」

 馬面のギルド員に、元気な返事をする晴信。
 ちなみ、にギルドの仕事を請け負ったりして貢献したりしていくと、ランクが上がるらしい。


「積み荷があるなら、交易広場に行ってみるんだな! 商売相手が見つかるかもだぞ!」

「はい!」

 晴信はディーとともに、ギルドの建物を出て、交易広場というところへ来た。

 そこは凄まじい喧騒で、熱気にあふれた市場と言った風であった。
 また、意外と近代的な市場ではなく、敷物の上に売りものを広げている商人たちも多数いた。


「美味しいものが欲しいねぇ……」

「私は必要ありませんが……」

 ディーは無生物なので、食料はいらない。
 が、晴信はれっきとした人間。
 工場にある食料も無限にあるとは言えないので、ここいらで買っておく必要があったのだ。

 かといって晴信はお金を持っていない。
 まずは持ってきた鉄鉱石を売りさばくのが先決だった。


「意外と良い品だね! 全部貰うよ!」

 意外なことに買い手はすぐに見つかった。
 サンプルを見せると、いろよい返事を貰え、船倉まで案内。
 ありったけ、全部を買って貰えることになった。


「はい、お代だよ!」

 猫顔の獣人の商人さんから、お代として紙幣の束を3つ貰った。

「ありがとう!」

 晴信は手を振り、その商人と別れた。


「何を買おうかな?」

「何がいいですかね?」

 鉄鉱石のお代は沢山貰ったので、ディーと折半。
 お互いこの交易広場で、嗜好品など好きなものを買うことにした。

 アルファ号への搬入を済まし、宇宙ステーション・タイタンを旅立つ準備を始めた。



☆★☆★☆

「出発!」

 アルファ号の船倉には、新鮮な魚介類や肉、野菜。
 飲料品やお菓子なども多数詰め込まれた。

 ディーの買ったものは電子チップなどの機械類。
 彼はそういったモノが好きらしかった。

 こうして二人は、工場のある岩石天体へと帰還。
 楽しい買い物を終えたのだった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

銀河太平記

武者走走九郎or大橋むつお
SF
 いまから二百年の未来。  前世紀から移住の始まった火星は地球のしがらみから離れようとしていた。火星の中緯度カルディア平原の大半を領域とする扶桑公国は国民の大半が日本からの移民で構成されていて、臣籍降下した扶桑宮が征夷大将軍として幕府を開いていた。  その扶桑幕府も代を重ねて五代目になろうとしている。  折しも地球では二千年紀に入って三度目のグローバリズムが破綻して、東アジア発の動乱期に入ろうとしている。  火星と地球を舞台として、銀河規模の争乱の時代が始まろうとしている。

航空自衛隊奮闘記

北条戦壱
SF
百年後の世界でロシアや中国が自衛隊に対して戦争を挑み,,, 第三次世界大戦勃発100年後の世界はどうなっているのだろうか ※本小説は仮想の話となっています

蒼穹の裏方

Flight_kj
SF
日本海軍のエンジンを中心とする航空技術開発のやり直し 未来の知識を有する主人公が、海軍機の開発のメッカ、空技廠でエンジンを中心として、武装や防弾にも口出しして航空機の開発をやり直す。性能の良いエンジンができれば、必然的に航空機も優れた機体となる。加えて、日本が遅れていた電子機器も知識を生かして開発を加速してゆく。それらを利用して如何に海軍は戦ってゆくのか?未来の知識を基にして、どのような戦いが可能になるのか?航空機に関連する開発を中心とした物語。カクヨムにも投稿しています。

メトロポリス社へようこそ! ~「役立たずだ」とクビにされたおっさんの就職先は大企業の宇宙船を守る護衛官でした~

アンジェロ岩井
SF
「えっ、クビですか?」 中企業アナハイニム社の事務課に勤める大津修也(おおつしゅうや)は会社の都合によってクビを切られてしまう。 ろくなスキルも身に付けていない修也にとって再転職は絶望的だと思われたが、大企業『メトロポリス』からの使者が現れた。 『メトロポリス』からの使者によれば自身の商品を宇宙の植民星に運ぶ際に宇宙生物に襲われるという事態が幾度も発生しており、そのための護衛役として会社の顧問役である人工頭脳『マリア』が護衛役を務める適任者として選び出したのだという。 宇宙生物との戦いに用いるロトワングというパワードスーツには適性があり、その適性が見出されたのが大津修也だ。 大津にとっては他に就職の選択肢がなかったので『メトロポリス』からの選択肢を受けざるを得なかった。 『メトロポリス』の宇宙船に乗り込み、宇宙生物との戦いに明け暮れる中で、彼は護衛アンドロイドであるシュウジとサヤカと共に過ごし、絆を育んでいくうちに地球上にてアンドロイドが使用人としての扱いしか受けていないことを思い出す。 修也は戦いの中でアンドロイドと人間が対等な関係を築き、共存を行うことができればいいと考えたが、『メトロポリス』では修也とは対照的に人類との共存ではなく支配という名目で動き出そうとしていた。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜

駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。 しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった─── そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。 前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける! 完結まで毎日投稿!

処理中です...