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第八話……防御とお掃除ロボット
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「うーん。どうしたら強い船ができるかなぁ? それに素人の僕が乗っても、楽に勝てるようにしなきゃいけないしね……」
晴信は設計に悩んだ。
確かに晴信は戦闘に不慣れであった分、それを帳消しにするだけの船のスペックが必要だった。
「丈夫なバリアですかね?」
「それは必要だなぁ」
ディーは強力なバリアがあればいいのではないかと、晴信に意見を出してみた。
相手を攻撃するのは腕がいるかもしれないが、防御は初心者でもやりやすいのではないかという発想だった。
ちなみに、バリアの出力は、一般的に船の機関出力に比例した。
つまり高出力なエンジンを生み出すことが、防御力の向上に必要だった。
その点、この工場は高出力の核融合エンジンの生産を可能としていた。
「バリアも要るんだけど、そもそも壊れない船ってできないかな」
「それは難しいですね」
何人たりとも壊せない防御力。
矛盾という言葉があらわすように、難しい命題だ。
如何様に固い船を造ろうとも、大口径レーザーや核融合ミサイルの直撃をうけて、完全に無事なものはありえなかったのだ。
「休憩にしましょう。お茶を入れてきますね」
「ありがとう!」
ディーは船の設計を頑張る晴信に、ミルクコーヒーを入れてきた。
アツアツの珈琲に砂糖を溶かす。
「あ、それだ!」
「え!? なんです?」
驚くディーに言葉を続ける晴信。
「見てみて、コーヒーみたいな液体ってこわれないよね? 船の外殻を液体にすればいいんじゃないかって思ったんだ!」
ある意味名案だったが、水などは宇宙空間で固体になってしまう。
様々な温度変化や外界の環境で、常に液体でありえる物体は珍しいものだった。
「……だめかぁ」
晴信は落胆したが、ディーはとある昔の記憶を掘り起こすことに成功した。
「ええと、工場の地下に希少な液体金属が貯蔵されています。わずかな量なので、船全体を覆うのは難しいかも知れませんが……」
「ええ!? そんなのあるの?」
「多分、今も残っていると思います!」
ディーの話によると、特殊な皮膜の影響力と船の重力制御装置によって、船を随時液状で包んでくれるような便利な液体金属があるという。
晴信はディーを連れて、急いで地下の貯蔵庫に出向いた。
「あ、これだね!」
「ありましたね!」
地下へのエレベーターを乗り継ぎ、寒々とした地下倉庫の一角に、その液体金属はあった。
蜘蛛の巣が張ったみすぼらしい大きな白いタンクに、なみなみと銀色の液体が入っていたのだ。
「これってどうやって作ったの?」
「過去の人間が作ったようです。もうつくり方は分かりません。だから、大切に使ってくださいね!」
「はーい!」
晴信は工場の作業ロボットを使って、液体金属を工場へと持ち込んだ。
使用部分はやはり艦首。
普通に考えて、もっとも被弾する可能性が高い部分だった。
☆★☆★☆
十日も経つと、晴信の作る新しい船は骨格を現してきた。
それは、全長654m全幅96mの大きさのものが予定されていた。
「あとはさぁ……」
「あとはなんです?」
晴信が言いにくそうにしているので、ディーは少しせっついてみた。
「……ああ、わかったよ、言うよ。実は戦闘用の兵隊が欲しいんだ! 宇宙海賊船にのりうつって戦ってくれる人たち」
「えーっと、どこかで雇ってみては?」
「いやあ、強い人は僕たちの言うことなんて聞いてくれないでしょ? そうそう都合が良いことってないと思うんだ。船をまた乗っ取られるのも怖いしね……」
それを聞いてディーも考え込む。
確かに、ならず者の宇宙海賊と戦ってくれて、ついでに此方の言うことを聞いてくれる生命体は少ないと思ったのだ。
「じゃあ、あの者たちでどうですかね?」
ディーが指差したのは、工場の清掃用のロボットたちだった。
清掃用とは言え、ル〇バなどとは違い、ディーと同じくらいの背格好の人型ロボットであった。
「……でも、いくらなんでも、お掃除ロボットじゃだめじゃないかな?」
「ぇ? でもこの工場の警備もやっているんですよ」
ディーはお掃除ロボットたちの性能表を見せた。
それは、内臓装備にスタンガンや小口径レールガン。
追加装備でビームライフルや重機関銃も扱えるというものだった。
「これ強いね!」
「……でしょ?」
ディーは少しエッヘンといった仕草を見せる。
それはロボット仲間だろうからか?
さらに言えば、清掃用ロボットも、古の人間たちの遺産であり、再生産は困難であるとのことだった。
「この工場は、案外作れないものが多いんだね」
「宇宙船を造るためだけの工場ですので………」
ディーがそういった瞬間。
晴信はあることを閃いた。
「じゃあ、ロボットを作る工場もどこかに残されているんじゃない?」
「そう言われてみれば、確かに……」
ここは、叡智を誇った人間たちが残した最新鋭の造船工場。
ということは、広い宇宙のどこかに最新鋭のロボット工場もあるのではないか……。
……そんなところなら、ディーの修理は簡単なはず。
晴信の気持ちは大いに上向いたのだった。
晴信は設計に悩んだ。
確かに晴信は戦闘に不慣れであった分、それを帳消しにするだけの船のスペックが必要だった。
「丈夫なバリアですかね?」
「それは必要だなぁ」
ディーは強力なバリアがあればいいのではないかと、晴信に意見を出してみた。
相手を攻撃するのは腕がいるかもしれないが、防御は初心者でもやりやすいのではないかという発想だった。
ちなみに、バリアの出力は、一般的に船の機関出力に比例した。
つまり高出力なエンジンを生み出すことが、防御力の向上に必要だった。
その点、この工場は高出力の核融合エンジンの生産を可能としていた。
「バリアも要るんだけど、そもそも壊れない船ってできないかな」
「それは難しいですね」
何人たりとも壊せない防御力。
矛盾という言葉があらわすように、難しい命題だ。
如何様に固い船を造ろうとも、大口径レーザーや核融合ミサイルの直撃をうけて、完全に無事なものはありえなかったのだ。
「休憩にしましょう。お茶を入れてきますね」
「ありがとう!」
ディーは船の設計を頑張る晴信に、ミルクコーヒーを入れてきた。
アツアツの珈琲に砂糖を溶かす。
「あ、それだ!」
「え!? なんです?」
驚くディーに言葉を続ける晴信。
「見てみて、コーヒーみたいな液体ってこわれないよね? 船の外殻を液体にすればいいんじゃないかって思ったんだ!」
ある意味名案だったが、水などは宇宙空間で固体になってしまう。
様々な温度変化や外界の環境で、常に液体でありえる物体は珍しいものだった。
「……だめかぁ」
晴信は落胆したが、ディーはとある昔の記憶を掘り起こすことに成功した。
「ええと、工場の地下に希少な液体金属が貯蔵されています。わずかな量なので、船全体を覆うのは難しいかも知れませんが……」
「ええ!? そんなのあるの?」
「多分、今も残っていると思います!」
ディーの話によると、特殊な皮膜の影響力と船の重力制御装置によって、船を随時液状で包んでくれるような便利な液体金属があるという。
晴信はディーを連れて、急いで地下の貯蔵庫に出向いた。
「あ、これだね!」
「ありましたね!」
地下へのエレベーターを乗り継ぎ、寒々とした地下倉庫の一角に、その液体金属はあった。
蜘蛛の巣が張ったみすぼらしい大きな白いタンクに、なみなみと銀色の液体が入っていたのだ。
「これってどうやって作ったの?」
「過去の人間が作ったようです。もうつくり方は分かりません。だから、大切に使ってくださいね!」
「はーい!」
晴信は工場の作業ロボットを使って、液体金属を工場へと持ち込んだ。
使用部分はやはり艦首。
普通に考えて、もっとも被弾する可能性が高い部分だった。
☆★☆★☆
十日も経つと、晴信の作る新しい船は骨格を現してきた。
それは、全長654m全幅96mの大きさのものが予定されていた。
「あとはさぁ……」
「あとはなんです?」
晴信が言いにくそうにしているので、ディーは少しせっついてみた。
「……ああ、わかったよ、言うよ。実は戦闘用の兵隊が欲しいんだ! 宇宙海賊船にのりうつって戦ってくれる人たち」
「えーっと、どこかで雇ってみては?」
「いやあ、強い人は僕たちの言うことなんて聞いてくれないでしょ? そうそう都合が良いことってないと思うんだ。船をまた乗っ取られるのも怖いしね……」
それを聞いてディーも考え込む。
確かに、ならず者の宇宙海賊と戦ってくれて、ついでに此方の言うことを聞いてくれる生命体は少ないと思ったのだ。
「じゃあ、あの者たちでどうですかね?」
ディーが指差したのは、工場の清掃用のロボットたちだった。
清掃用とは言え、ル〇バなどとは違い、ディーと同じくらいの背格好の人型ロボットであった。
「……でも、いくらなんでも、お掃除ロボットじゃだめじゃないかな?」
「ぇ? でもこの工場の警備もやっているんですよ」
ディーはお掃除ロボットたちの性能表を見せた。
それは、内臓装備にスタンガンや小口径レールガン。
追加装備でビームライフルや重機関銃も扱えるというものだった。
「これ強いね!」
「……でしょ?」
ディーは少しエッヘンといった仕草を見せる。
それはロボット仲間だろうからか?
さらに言えば、清掃用ロボットも、古の人間たちの遺産であり、再生産は困難であるとのことだった。
「この工場は、案外作れないものが多いんだね」
「宇宙船を造るためだけの工場ですので………」
ディーがそういった瞬間。
晴信はあることを閃いた。
「じゃあ、ロボットを作る工場もどこかに残されているんじゃない?」
「そう言われてみれば、確かに……」
ここは、叡智を誇った人間たちが残した最新鋭の造船工場。
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……そんなところなら、ディーの修理は簡単なはず。
晴信の気持ちは大いに上向いたのだった。
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