雪を溶かすように

春野ひつじ

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第二章

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 そこにいたのは、那だった。僕は那に閉じ込められた狭くて寒いあの部屋を思い出して、恐怖を感じる。

「出ていってください」

 また何かされるかもしれない。今日はちょうど葉も悠もいない。

「おや、冷たいですね。一時はあなたの世話係でもあった人に対して」

 世話係?この人が僕を世話したことは一度もない。僕は無視を決め込む。

「お久しぶりです。あなたがこの国に来てからもう一ヶ月半が経ちますね」

「どうしてきたんですか?」

 ぶっきらぼうに言い放つ。

「兄が目をかけていると聞いて興味が湧きましてね」

 話しながら次第にこちらへ近寄ってくる那から逃げようとさりげなくドアの方へ向かう。すると、すれ違うときにグンッと腕を引かれた。

「痛っ」

 思わず声に出してしまう僕を見て、那はニヤリと笑う。僕の顎に手をかけて、無理矢理目を合わせるようにされる。

「初めて会った時には気づきませんでしたが、なるほど。これは兄も好みそうな顔ですね」

 掴まれたままの腕が痛む。そのまま強い力でベッドへと連れて行かれ、ドンっと押されて僕はベッドに倒れ込む。ギシッと音を立てて僕の上に那が馬乗りになる。逃げようと手と足を懸命に振り回して暴れたが、那の強い力で両手を押さえられ、どこから取り出したのか、鎖でベッドに繋がれた。冷たい金属が僕の心を不安にさせる。
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