雪を溶かすように

春野ひつじ

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第二章

34 side悠

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「薫っ!薫っ!おい冗談だろ?」

 その声に急いで駆け寄ると、大きな木にもたれかかって目を閉じている薫の姿が見える。凱が薫を抱きしめる。なにが起こっているのだろうか?

「悠様……、薫様は息をしていらっしゃいません……」

「息をしていない?それって……、えっ?」

「はい……残念ながら」

 その言葉を言い終わるとともに、葉の目から、つうっと涙が流れる。そんなことって……。信じられずに駆け寄って脈をとる。俺の期待は粉々に打ち砕かれた。

「悠様、これを」

 暖がさっとハンカチを俺の前に差し出してくる。困惑しつつ、目元を触ると自分の目からも涙が溢れていることに初めて気づく。

「ありがとう」

 ハンカチを受け取り、涙を拭う。暖をみると、必死に涙を堪えようとしているのが、目尻に光るものを見つけてわかった。凱に至っては、涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになっている。そんな様子をみると余計に悲しくなってきて、俺も声をあげて泣いた。



 しばらく経って、皆少しは気持ちが落ち着いてきたようだ。とりあえず、薫を室内に運ぼうとした時。

「待ってくれ!えっ!?よかったぁ」

 再び泣き出す凱に困惑する。

「どういうことだ?」

 よかった、の意味が早く知りたくて、凱に詰め寄る。

「薫は……、まだ生きてるんだ」
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