雪を溶かすように

春野ひつじ

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第三章

32

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 悠が本題に入る。急に空気が固まる。みんなが喋らなくなって、どうしたんだろう? と首を傾げる。

 すると、一番に氷が溶けるように、ハッとなった那がものすごいスピードで捲し立てる。

「兄上っ! 嘘ですよね?! まさか本気で言ってますか?」

 何のことだろう? 他の三人もやれやれと呆れた様子。凱が口を開く。

「一応確認するが、お前たち、付き合うことになったんじゃないんだよな?」

「もちろんだ。俺が結婚を申し込んだ」

 はぁ、とみんながため息をつく。

「普通はな、まぁ人それぞれだが、付き合ってそれから結婚を申し込むんだぞ?」

「そうなのか。でも俺は薫以外と結婚するつもりはないから」

 言い切る悠に再び恥ずかしくなって俯く。

「まぁ、悠様らしいって言えば、らしいよな」

 暖の仕方ないか、といった様子の言葉に、三人が頷く。

「とりあえず、おめでとう。予想外だったけど。それで、さっきの質問なんだけど多分できると思う」

「本当か?」

 よかったぁ。安堵する僕に悠の嬉しそうな顔が見えて、幸せだなぁと感じる。ニコニコと微笑みあっている僕たちに、那の声が聞こえる。

「兄上。イチャイチャするのは、別のところでお願いします。まだまだ報告すべき方もいらっしゃるでしょうし」

 その言葉に、僕たちは悠があの人と言っていた人に会いに行くことにした。
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