雪を溶かすように

春野ひつじ

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第三章

45 side那

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 薫と兄上が結婚すると昨日、言っていた。予想通りだと思う反面、正直かなり落ち込んだ。だが、落ち込んでばかりいられない。

 そう考えた私は、まず兄上のもとに行って、父上に王位継承権の話をなしにしてもらうことを提案しに行くことにする。

「兄上、失礼します」

 部屋のドアを開けると、ドヨーンとした雰囲気の兄上がポツンと椅子に腰掛けている。部屋の中を見回すと、薫の姿はない。そのことに違和感を覚える。薫と兄上は一緒にいそうだと思い、イチャイチャしている様子を見る覚悟をしてきたのに。

「兄上、あの、お話があるのですが……」

 遠慮がちに話しかけると、そこでようやく私の存在の気がついた様子。しかも、私の顔を見ると、がっかりした顔をする。なんか今日の兄上は失礼だ。これは何かあったに違いない。

「兄上、何かあったのですか?」

 いつものハキハキとした様子ではない兄上は、那、聞いてくれ、と言って何があったのかをぽつりぽつりと話し始めた。
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