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141話 四番目
しおりを挟むニカナの療養小屋。
「見舞い、またくるからな――」
ホンイツと感動の別れをする前にレイニーから連絡がきた。
【スキルカード:フレンド】で城が燃えたという衝撃の事実が告げられた。
誰も怪我をしていないと聞いてほっとした。
「ちょっと寝室も燃えました」
「分かった何とかする」
俺は通信を切った。
「宿屋に風俗嬢を連れ込んでいいか、否か」
「……カドマツ」
「意識もどってんじゃねぇか!?」
大声でウルトラソウッ!と耳元で歌ったりしてみたけど反応はなかった。
氷で冷やしても、体中をつついたりしてもである。
帰る時になって急に喋ったのだ。
「最後の四天王が動き出した」
「え?」
【スキル:フレンド グループ】
「各地で穴より四天王の召喚を確認!! 各自戦闘準備!!」
この討伐にあわせて、俺は、俺たちは動き出さないといけない――
ハクアに勝てども負けども帰りに道でレイニーはすべて忘れてしまう。
急に身体中から汗がでて、恐ろしいと感じているのが自分で分かる。
「ってか、何で急に話すように!?」
「?」
「お~い?」
「いや、スキルを解除したからだけど」
「へ?」
「【スキル:ドール パーフェクトリンク】を解除した」
「どういう能力?」
「人形を自分の身体として完全に操れる、本体が動かせなくなるけど」
「喰われ続けてイカれたのかと」
「っていうか連絡したよね君に」
「え?」
「手紙渡しただろう?」
「あ、燃えた封筒の中身ソレか!!」
「……まさか、中身まったく知らない?」
「火事が起きて」
あとで聞けばいいかと思っていたらホンイツは喋れなくなってしまったのだ。
「僕は緊急の任務を命令されたから当分の間こっちの本体には戻れないって――」
「ま、まぁ結果オーライということで」
「……レイニーも傍にいないし、今ならきみのスキルを強くできるね」
まさかケツを襲われそうになるとは、しかし秘策があった。
「【スキルカード:変身】」
「うわ!?」
「お前を女体化させてしまえばケツは狙えな―――」
そこにいたのは超のつくアタリ美女。
確かにホンイツは男の時から色気と呼べるものがあった。
もはや逆に、俺の股間が今ならいいじゃんと語りかけてくる。
「はぁ、今は貴重な最後の時間だろう?」
「どうぇあぁッ!!やってる場合じゃねぇ!!レイニーのところに行かねーと!!」
俺は1枚のスキルカードをホンイツに渡した。
「なにこれ?」
「【スキルカード:闇】だよ」
「僕に渡して何になるのさ」
「初代の前で使ってやれよ、お前を大切に思ってる親友の望みが叶えられるぞ」
ドラゴン状態のメレンゲさんに乗ってカミノヘ向かった。
たどり着くと城は一部が崩れていたし、俺の寝室は屋根が吹っ飛んでいた。
けれど全体的に見れば被害はさほど大きくない。
「カドマツ様、ここにいらしたのですね」
「……レイニー」
「四天王が動き出した今、私は行かねばなりません」
「――うん」
「でも、少しだけ待ってからです」
「え?」
「最後の四天王があまりにも大群で対処しきれなかったら結局、ハクアどころではないですからね」
「そっ……れは確かにそう」
「報告によれば、現場の確認をしたウルフさんは危険物の爆発に巻き込まれて治療中です」
「一番大事なところ報告ありがとう!!」
でももっと早く言え。ウルフに何も言わずに出ていったらウルフが可哀想だ。
数百年も引きこもりに付き合ってくれたんだぞ。
爆発に巻き込まれて治療中なら、火傷だろうか。
「ウルフの治療が終わるの待ってからいくか」
「そうですね」
「……さて、その間に」
城へ続々と集まる異世界転生者やその子孫。
討伐の隊長たちが歩いていくさまはカメラで撮りたくなる。
今回の討伐で指揮をとるティラノも当然そこにいた。
「アンタら、これからどうするの?」
「ウルフの回復を待って、レイニーの別れが済んだらハクア討伐に向かう」
「……準備の最終チェックもしないといけませんね」
俺たちは燃え残った会議室に集まり、偵察部隊の報告を聞いた。
ニカナ上空、ドリの地下、ハクアがいたアトランティアという海底神殿。
次々と湧きでているので先発部隊が今は戦っているらしい。
「レイニーが行くなら俺も」
「見学だけにしておいて下さいね、動かれると邪魔ですから」
「俺が一番よく知ってるよ」
何も知らない異世界転生者が邪魔なんて酷い言いかたするなんて呟いたのが聞こえた。
俺を弱くしてくれた最高の親友が全部解決してくれると笑って見せよとした――。
まだ、寂しい気持ちは抑える時だろ。
「……あ、れ」
「誰に泣かされたのですか?」
「ちがっこれ、は」
「私がとっちめますから」
呟いた男に殺意の眼光を向けるレイニー。
「四天王に泣かされました」
「別の人を殺す前で良かったです」
「やっぱり俺が最後までついててやんなきゃなぁ!!」
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