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17 改めて自己紹介
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「はっ、弱ぇくせにケンカ売ってくんじゃねえよ」
ロイクに護衛されてルグラン領から旅立ったのだけど、道中で冒険者が襲い掛かってきた。
例の冒険者ギルドで酒浸りになっていた二人組が中心だったから、彼らが集めたゴロツキなのだろうけど、ロイクに叩きのめされて這う這うの体で逃げていった。
「で、どうしてルグラン領からの道中で森の中を通ったのか教えてもらって良いですか?」
冒険者が襲ってきたことからわかるかもしれないけど、私たちは街道から離れた森の中を歩いていた。
「なぜかって、他の人に見られたら困るだろうが。冒険者同士の私闘は禁止されていないが、それでも推奨されてるわけじゃないからな」
「そうなの?」
悪いけど冒険者の印象なんて、少し上品で目的のある荒くれものって感じだから、所かまわずケンカしてるイメージがあった。
「ダンジョン内で争ったり、護衛任務中に他の冒険者から対象を守ったりはあるが、それ以外で私闘するのはギルドが良い顔しねえからな」
「A級冒険者でも?」
「高位だからこそだ。新人のガキどもが真似するから自重しろと、常々言われているくらいだぞ?」
ふーん、そんなものかしら? 私はペルヴィス家とルグラン領くらいでしか生活したことがないから、一般常識には疎いのよね。
でもロイクの戦いぶりを見て、彼に私闘を自重しろという人の気持ちはわかるわ。
敵対してきたから私も何も言わなかったけれど、彼は襲ってきた冒険者の腕を折るわ指を切り飛ばすわで、確実に戦闘力を奪っていったもの。
ポーションがあるから骨折だろうと部位欠損だろうと治るけれど、はたして彼らに中級ポーションや上級ポーションが買えるほどの財力があるかしら?
「さて、お嬢さん。改めて自己紹介しておくか。俺はロイク。ラット帝国のシカール領を拠点とするA級冒険者だ」
「はい、私はマリーです。出身はコピク王国ですが、バルシュ王国のルグラン領で薬草学校に通っていた薬師です」
既にラット帝国に向けての旅路の途中で順番がチグハグだけれど、私たちは改めて自己紹介をした。
彼を雇ったのはモーリスさんだったから、私は彼の経歴も名前もモーリスさんから初めて聞いたものね。
「呼び名はどうする? 依頼人の中には様付けしろとか、呼び捨てにしろとか、人によって違うんだが」
「マリーでいいですよ。ところで、私としては呼び方よりも、これからの予定を聞きたいですね」
「ああ、じゃあマリーで。で、予定だな。マリーも知っているだろうが、コピク王国からバルシュ王国には大陸横断鉄道が通っているが、バルシュ王国からラット帝国には通っていない」
大陸横断鉄道はその名の通り、この大陸を横断する形で通っている鉄道なので、国内に支線はあれど、メイン路線は横方向にしかない。
バルシュ王国はコピク王国の真東に位置しているので、大陸横断鉄道が通っているけど、ラット帝国はコピク王国から南東、バルシュ王国からは南の方角になる。
だからラット帝国に移動する際には冒険者や傭兵を護衛にしないと、危険なのよね。
「でもバルシュ王国内なら鉄道があるでしょう? 国境までは鉄道で移動するんじゃないの?」
「そうだな。マリーの足じゃ歩きで国境までとはいかないし、鉄道で近くまでは行くべきだな」
「失礼ね。これでも薬草を作ったりで体力には自信があるのよ?」
「ほう。国境までは歩き通しで一週間以上かかるが、歩いていくか?」
「……ごめんなさい」
「はっはっは。それが普通の反応だ。ま、この森を抜ければ国境まで続く鉄道のある街のそばに出るから、そこから鉄道に乗ろう」
「……考えなしに森に入ったわけではないのね」
この辺りも大陸横断鉄道が通ってない他国に行く際に冒険者を雇う理由ね。私一人だったら、ルグラン領から王都まで戻って、それから国境付近までの鉄道に乗り継ぐところだったわ。
でも、ルグラン領は王都よりも国境に近いから、それだと完全に無駄足。
「ま、冒険者だからな。地図を覚えるのも仕事のうちだ」
そう。一般人には閲覧制限がかかる地図も冒険者や傭兵のトップなら閲覧可能。ということで、鉄道を介さない移動をする際には冒険者や傭兵の助けが必要なのよね。
「じゃあ、早速出発しましょう。もう、森の中でいつまでも留まっているのも危険でしょう?」
「そうだな。ま、この森に出る魔物くらいならマリーを守りながらでも対処可能だから、そこまで心配しなくても大丈夫だがな」
ルグラン領では最後にケチがついたけど、それ以外は楽しい時間が過ごせた。
ラット帝国ではどうなるかわからないけど、気分を切り替えて楽しんでいかないとね!
ロイクに護衛されてルグラン領から旅立ったのだけど、道中で冒険者が襲い掛かってきた。
例の冒険者ギルドで酒浸りになっていた二人組が中心だったから、彼らが集めたゴロツキなのだろうけど、ロイクに叩きのめされて這う這うの体で逃げていった。
「で、どうしてルグラン領からの道中で森の中を通ったのか教えてもらって良いですか?」
冒険者が襲ってきたことからわかるかもしれないけど、私たちは街道から離れた森の中を歩いていた。
「なぜかって、他の人に見られたら困るだろうが。冒険者同士の私闘は禁止されていないが、それでも推奨されてるわけじゃないからな」
「そうなの?」
悪いけど冒険者の印象なんて、少し上品で目的のある荒くれものって感じだから、所かまわずケンカしてるイメージがあった。
「ダンジョン内で争ったり、護衛任務中に他の冒険者から対象を守ったりはあるが、それ以外で私闘するのはギルドが良い顔しねえからな」
「A級冒険者でも?」
「高位だからこそだ。新人のガキどもが真似するから自重しろと、常々言われているくらいだぞ?」
ふーん、そんなものかしら? 私はペルヴィス家とルグラン領くらいでしか生活したことがないから、一般常識には疎いのよね。
でもロイクの戦いぶりを見て、彼に私闘を自重しろという人の気持ちはわかるわ。
敵対してきたから私も何も言わなかったけれど、彼は襲ってきた冒険者の腕を折るわ指を切り飛ばすわで、確実に戦闘力を奪っていったもの。
ポーションがあるから骨折だろうと部位欠損だろうと治るけれど、はたして彼らに中級ポーションや上級ポーションが買えるほどの財力があるかしら?
「さて、お嬢さん。改めて自己紹介しておくか。俺はロイク。ラット帝国のシカール領を拠点とするA級冒険者だ」
「はい、私はマリーです。出身はコピク王国ですが、バルシュ王国のルグラン領で薬草学校に通っていた薬師です」
既にラット帝国に向けての旅路の途中で順番がチグハグだけれど、私たちは改めて自己紹介をした。
彼を雇ったのはモーリスさんだったから、私は彼の経歴も名前もモーリスさんから初めて聞いたものね。
「呼び名はどうする? 依頼人の中には様付けしろとか、呼び捨てにしろとか、人によって違うんだが」
「マリーでいいですよ。ところで、私としては呼び方よりも、これからの予定を聞きたいですね」
「ああ、じゃあマリーで。で、予定だな。マリーも知っているだろうが、コピク王国からバルシュ王国には大陸横断鉄道が通っているが、バルシュ王国からラット帝国には通っていない」
大陸横断鉄道はその名の通り、この大陸を横断する形で通っている鉄道なので、国内に支線はあれど、メイン路線は横方向にしかない。
バルシュ王国はコピク王国の真東に位置しているので、大陸横断鉄道が通っているけど、ラット帝国はコピク王国から南東、バルシュ王国からは南の方角になる。
だからラット帝国に移動する際には冒険者や傭兵を護衛にしないと、危険なのよね。
「でもバルシュ王国内なら鉄道があるでしょう? 国境までは鉄道で移動するんじゃないの?」
「そうだな。マリーの足じゃ歩きで国境までとはいかないし、鉄道で近くまでは行くべきだな」
「失礼ね。これでも薬草を作ったりで体力には自信があるのよ?」
「ほう。国境までは歩き通しで一週間以上かかるが、歩いていくか?」
「……ごめんなさい」
「はっはっは。それが普通の反応だ。ま、この森を抜ければ国境まで続く鉄道のある街のそばに出るから、そこから鉄道に乗ろう」
「……考えなしに森に入ったわけではないのね」
この辺りも大陸横断鉄道が通ってない他国に行く際に冒険者を雇う理由ね。私一人だったら、ルグラン領から王都まで戻って、それから国境付近までの鉄道に乗り継ぐところだったわ。
でも、ルグラン領は王都よりも国境に近いから、それだと完全に無駄足。
「ま、冒険者だからな。地図を覚えるのも仕事のうちだ」
そう。一般人には閲覧制限がかかる地図も冒険者や傭兵のトップなら閲覧可能。ということで、鉄道を介さない移動をする際には冒険者や傭兵の助けが必要なのよね。
「じゃあ、早速出発しましょう。もう、森の中でいつまでも留まっているのも危険でしょう?」
「そうだな。ま、この森に出る魔物くらいならマリーを守りながらでも対処可能だから、そこまで心配しなくても大丈夫だがな」
ルグラン領では最後にケチがついたけど、それ以外は楽しい時間が過ごせた。
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