気づいたら美少女ゲーの悪役令息に転生していたのでサブヒロインを救うのに人生を賭けることにした

高坂ナツキ

文字の大きさ
112 / 140
閑話

112 辺境伯会議・前編

しおりを挟む
 というわけで、辺境伯会議だ。
 俺の前には北東・北西・西・南の4人の辺境伯がテーブルについている。
 ちなみに辺境伯会議は王都で開催ということで、連れてきたレナはローズマリー嬢のところに置いてきた。
 というか、ローズマリー嬢が離さなかったので、泣く泣く置いてきたという方が正しいか?

「ほうほう、新しく南東辺境伯に叙されたのは随分と可愛らしいお子様じゃの」

 真っ先に声をかけてきたのは北西辺境伯のヴァルター・フォン・ハーヴェイ。
 御年50の男性で、四辺境伯……いや、俺も加わったから五辺境伯か……の中では最高齢だ。

「いやいや、ハーヴェイ老。舐めてはなりませんよ。彼はこれでもダンジョン攻略者ですから」

 次は北東辺境伯のノルベルト・フォン・レナー。メーリング領を挟んでいたとはいえ、ウチとはお隣さんの辺境伯領だな。
 レナー辺境伯には息子がいて、エルメライヒ公爵に聞いた話によるとローズマリー嬢の婚約者候補筆頭なのだとか。

「辺境伯の中では最年少だったのに、お株を奪われたわね」

「いや~、そもそも僕は何の実績もないですからね~。最底辺は変わらず僕でしょう」

 先に話したのが南辺境伯のクラウディア・フォン・リーゲル。五辺境伯の中で唯一の女性辺境伯で、ゲルハルディ家の元々の主家だった辺境伯だ。
 南辺境伯は元々ゲルハルディ領にいたが、南大陸と接している土地のほうが有効だとして、ゲルハルディ領をご先祖様に託して、現在の南辺境伯領に移ったとされている。

 で、そのリーゲル辺境伯に話しかけられたのが、西辺境伯のエーリッヒ・フォン・シュミット。
 陛下から聞いた限りでは最近、西辺境伯を継いだばかりということで、まだまだ実績というものがないらしい。

「皆様はじめまして。この度、南東辺境伯に就任しましたマックス・フォン・ゲルハルディです」

「あまり固くなるな。それよりも大きくなったな」

「お久しぶりです、ノルベルト様」

「様付けもいらん。これまでは下位だったが、これからは同格だ。ハーヴェイ老はともかく、若手3人は名で呼び捨てだ」

「いや~、僕はハーヴェイ老はもちろん、ノルベルトさんもクラウディアさんも呼び捨てにできませんけどね」

「ノルベルトはともかく、私なんて6歳しか違わないし、呼び捨てでもいいじゃない。……あと、マックス。丁寧な話し方もしなくていいから」

 は~、最初からあっけに取られてしまうな。
 まあ、親交のあるノルベルトが父上とざっくばらんに話していたことがあるから、衝撃とまではいかないが、辺境伯同士はこんな感じみたいだな。

「は~、わかりまし……わかった。若輩というか、何も知らないから面倒をかけると思うが、よろしく」

「ああ、そんな感じでいいぞ」

「儂はそろそろ引退じゃから、そう長くはないがよろしくの」

「よろしくね」

「こちらこそよろしく~」

「で、ペーペーの新人からお土産というか、お近づきのしるしを持ってきたので、受け取ってもらえるか?」

「ほう。陛下からゲルハルディ領は特産品が出来てるという話は聞いてるんだよな」

「じゃあ、持ってきてもらおうか」

 俺が合図をすると、それぞれの侍従や侍女が入ってきて、それぞれの前にウイスキーボンボンとカレーを提供していく。
 ざっくばらんな態度な辺境伯だが、流石に提供されたものにいきなり手を出すということはなく、俺の説明を待っている。

「平たい皿に乗っているのがウイスキーボンボン、平たく言えばウイスキーが中に入ったチョコレートだ。深皿の方が香辛料を使ったスープで、付け合わせのパンと一緒に食べてほしい」

 説明だけだと不十分というか、毒味がいるので俺が真っ先に手を付けることになる。
 家族や……なぜか陛下や宰相閣下も毒味なしで食べていたが、あれは例外だ。

「カレーの方は普通に食べるが、ウイスキーボンボンの方の毒味は1つで勘弁してほしい」

「? なぜだ?」

「未成年なので。そこまでの量は入っていないが、成長期に入る前に酒はあんまり体に入れたくない」

「「「「あっ!」」」」

 ? なんか皆して「そうだった!」みたいな顔になってるんだが?

「そういや、未成年だったな」

「儂らの無茶ぶりにも直ぐに対応してきたからの」

「体は確かに未成年よね」

「いや~、なんか年上のような気がするんすよね~」

「はあ、まあ何でもいいが、そういうことだから」

 まったく、みんなは俺をなんだと思ってるんだか。

 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【完結】魅了の魔法にかけられて全てを失った俺は、最強の魔法剣士になり時を巻き戻す

金峯蓮華
ファンタジー
戦に負け、国が滅び、俺ひとりだけ生き残った。愛する女を失い、俺は死に場所を求め、傭兵となり各地を漂っていた。そんな時、ある男に声をかけられた。 「よぉ、にいちゃん。お前、魅了魔法がかかってるぜ。それも強烈に強いヤツだ。解いてやろうか?」 魅了魔法? なんだそれは? その男との出会いが俺の人生を変えた。俺は時間をもどし、未来を変える。 R15は死のシーンがあるための保険です。 独自の異世界の物語です。

兄がやらかしてくれました 何をやってくれてんの!?

志位斗 茂家波
ファンタジー
モッチ王国の第2王子であった僕は、将来の国王は兄になると思って、王弟となるための勉学に励んでいた。 そんなある日、兄の卒業式があり、祝うために家族の枠で出席したのだが‥‥‥婚約破棄? え、なにをやってんの兄よ!? …‥‥月に1度ぐらいでやりたくなる婚約破棄物。 今回は悪役令嬢でも、ヒロインでもない視点です。 ※ご指摘により、少々追加ですが、名前の呼び方などの決まりはゆるめです。そのあたりは稚拙な部分もあるので、どうかご理解いただけるようにお願いしマス。

悪役令息の継母に転生したからには、息子を悪役になんてさせません!

水都(みなと)
ファンタジー
伯爵夫人であるロゼッタ・シルヴァリーは夫の死後、ここが前世で読んでいたラノベの世界だと気づく。 ロゼッタはラノベで悪役令息だったリゼルの継母だ。金と地位が目当てで結婚したロゼッタは、夫の連れ子であるリゼルに無関心だった。 しかし、前世ではリゼルは推しキャラ。リゼルが断罪されると思い出したロゼッタは、リゼルが悪役令息にならないよう母として奮闘していく。 ★ファンタジー小説大賞エントリー中です。 ※完結しました!

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!

えながゆうき
ファンタジー
 妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!  剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

悪徳領主の息子に転生しました

アルト
ファンタジー
 悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。  領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。  そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。 「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」  こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。  一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。  これなんて無理ゲー??

処理中です...