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貴族学園
136 断罪失敗
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それからの貴族学園はこれまでの騒動が嘘のように静寂を保っていた。
陛下が第三王女に灸をすえたことと、騎士の動員数を増やして問題を事前に対処していたおかげだろう。
ゲーム内では学園でもいろいろとイベントがあったはずだが、それが起きてる気配もないし、ようやくミネッティ伯爵令嬢もまっとうな令嬢としての人生を歩もうと思っているのかもしれない。
……うん、まあそんなわけがないよな。
主人公も冒険者ギルドの剣術学校に通っていないようだし、メインヒロインの4人が婚約者を作ったという話も聞かない。
俺の考えすぎかもしれないが、エンディングさえ何とかすればゲームのシナリオ通りになると考えていてもおかしくはない。
そう、ゲームでは第三王女の卒業式……つまり、俺たちが1年を終える時にローズマリー嬢が断罪され、勇者編が始まる。
勇者編の最後はゲルハルディ領に逃げたローズマリー嬢が瘴気に憑りつかれ、勇者となった主人公たちと相対、瘴気を払った主人公たち一行はゲルハルディ領を手に入れ国を興す。
ま、こんな感じだが、主人公を拾わなかったことでローズマリー嬢が断罪される理由はなくなったし、瘴気の原因となった他国からの侵略も俺自身が解決している。
というか、勇者の称号も陛下の命で取り下げられているし、どう考えてもゲームのシナリオ通りになんて進むはずがない。
マジでミネッティ伯爵令嬢はどうするつもりなんだ?
「どうしましたか、マックス様?」
「あ……ああ、第三王女周辺が静かだな、と」
「静かなのはいいことですよね?」
「ま、そりゃそうなんだがな」
確かにレナの言う通り、騒動が起きていることが異常で、静かに学生生活を送れるのはいいことだ。
そもそも、貴族学園ってのは貴族としての実務を学び、交流を深めて人脈を形成する場……ミネッティ伯爵令嬢にとらわれすぎるのもいけないのかもな。
……………………と、思ってたんだけどな。
「ローズマリー・フォン・エルメライヒ! 出てきなさい!」
卒業式、晴れの日にミネッティ伯爵令嬢が……たかが伯爵令嬢が、公爵令嬢であるローズマリー嬢を名指しで呼ぶ。
貴族としてもあり得ないことだが、そもそも卒業式を選ぶってのが人としてあり得ないんだよなぁ。
ゲームのシナリオとしてみていた時もあり得ないと思っていたが、実際にこの目で見るとよりあり得ないよなぁ。
「こんな日に呼び出すなんて、おかしな人ね。何か用かしら?」
ミネッティ伯爵令嬢だけなら、教師が強制的に退出させるのだろうが、ミネッティ伯爵令嬢のそばには第三王女がいたから、ローズマリー嬢も素直に前へと出る。
俺? 別に俺は呼ばれていないし、辺境伯とはいえ……いや、だからこそ中央の政治のあれこれに巻き込まれるのは得策じゃない。
ってことで、成り行きを見守りつつ、クリスタに外部からの侵入者を警戒している騎士を呼んでくるようにと伝えている。
「ローズマリー! 貴女の悪事はお見通しよ!」
「……悪事?」
「公爵令嬢だからって何をしてもいいっていうわけ!? 貴女が私を噴水に突き飛ばしたり、階段から突き落としたのは分かっているのよ!」
……確かにゲームのシナリオでは主人公と交流を深めるミネッティ伯爵令嬢に嫉妬して、噴水に突き飛ばす
・階段の上部から突き落とすなどのイベントが起こる。
だが現実ではローズマリー嬢は主人公との絡みはないし、そもそも次期北東辺境伯の婚約者になっていることで順風満帆、嫉妬する理由が皆無なんだよな。
しかも貴族学園内ではタウンハウスに戻っているときを除いて、ほぼほぼレナと一緒にいるから単独行動も不可能。
「ふーん……で? 証拠は?」
「……え?」
「公爵令嬢である私を貶める発言をしているのだから、何かしら証拠があるのでしょう?」
「ひ、被害者が言ってるのよ!」
「何の証拠にもなりはしないわね。今回のことはミネッティ伯爵に抗議させてもらうわ。……で、第三王女殿下、貴女も何か言いたいのかしら?」
「はぁ!!? なに言ってるのよ! いいから泣きながら謝罪しなさいよ!」
「わ……私は」
ローズマリー嬢の発言に切れ散らかしてるのがミネッティ伯爵令嬢、水を向けられて困惑しているのが第三王女……って解説しなくてもわかるか。
他にもマテス侯爵令嬢とニューエン子爵令嬢もそばにいるが、話を聞かされていなかったのか第三王女と同じく困惑している。
どの令嬢も降嫁先が決まっても辺境伯夫人以上の立場にはなりえないし、ローズマリー嬢に睨まれるのは避けたいだろうしなぁ。
「何の騒ぎだっ!」
騒然としている卒業式会場の中に、怒声を放ちながら入ってきたのは騎士団長。
クリスタが帰ってくるのが遅いと思ったが、第三王女を確実になんとかできる権力者を連れてきてくれていたみたいだな。
陛下が第三王女に灸をすえたことと、騎士の動員数を増やして問題を事前に対処していたおかげだろう。
ゲーム内では学園でもいろいろとイベントがあったはずだが、それが起きてる気配もないし、ようやくミネッティ伯爵令嬢もまっとうな令嬢としての人生を歩もうと思っているのかもしれない。
……うん、まあそんなわけがないよな。
主人公も冒険者ギルドの剣術学校に通っていないようだし、メインヒロインの4人が婚約者を作ったという話も聞かない。
俺の考えすぎかもしれないが、エンディングさえ何とかすればゲームのシナリオ通りになると考えていてもおかしくはない。
そう、ゲームでは第三王女の卒業式……つまり、俺たちが1年を終える時にローズマリー嬢が断罪され、勇者編が始まる。
勇者編の最後はゲルハルディ領に逃げたローズマリー嬢が瘴気に憑りつかれ、勇者となった主人公たちと相対、瘴気を払った主人公たち一行はゲルハルディ領を手に入れ国を興す。
ま、こんな感じだが、主人公を拾わなかったことでローズマリー嬢が断罪される理由はなくなったし、瘴気の原因となった他国からの侵略も俺自身が解決している。
というか、勇者の称号も陛下の命で取り下げられているし、どう考えてもゲームのシナリオ通りになんて進むはずがない。
マジでミネッティ伯爵令嬢はどうするつもりなんだ?
「どうしましたか、マックス様?」
「あ……ああ、第三王女周辺が静かだな、と」
「静かなのはいいことですよね?」
「ま、そりゃそうなんだがな」
確かにレナの言う通り、騒動が起きていることが異常で、静かに学生生活を送れるのはいいことだ。
そもそも、貴族学園ってのは貴族としての実務を学び、交流を深めて人脈を形成する場……ミネッティ伯爵令嬢にとらわれすぎるのもいけないのかもな。
……………………と、思ってたんだけどな。
「ローズマリー・フォン・エルメライヒ! 出てきなさい!」
卒業式、晴れの日にミネッティ伯爵令嬢が……たかが伯爵令嬢が、公爵令嬢であるローズマリー嬢を名指しで呼ぶ。
貴族としてもあり得ないことだが、そもそも卒業式を選ぶってのが人としてあり得ないんだよなぁ。
ゲームのシナリオとしてみていた時もあり得ないと思っていたが、実際にこの目で見るとよりあり得ないよなぁ。
「こんな日に呼び出すなんて、おかしな人ね。何か用かしら?」
ミネッティ伯爵令嬢だけなら、教師が強制的に退出させるのだろうが、ミネッティ伯爵令嬢のそばには第三王女がいたから、ローズマリー嬢も素直に前へと出る。
俺? 別に俺は呼ばれていないし、辺境伯とはいえ……いや、だからこそ中央の政治のあれこれに巻き込まれるのは得策じゃない。
ってことで、成り行きを見守りつつ、クリスタに外部からの侵入者を警戒している騎士を呼んでくるようにと伝えている。
「ローズマリー! 貴女の悪事はお見通しよ!」
「……悪事?」
「公爵令嬢だからって何をしてもいいっていうわけ!? 貴女が私を噴水に突き飛ばしたり、階段から突き落としたのは分かっているのよ!」
……確かにゲームのシナリオでは主人公と交流を深めるミネッティ伯爵令嬢に嫉妬して、噴水に突き飛ばす
・階段の上部から突き落とすなどのイベントが起こる。
だが現実ではローズマリー嬢は主人公との絡みはないし、そもそも次期北東辺境伯の婚約者になっていることで順風満帆、嫉妬する理由が皆無なんだよな。
しかも貴族学園内ではタウンハウスに戻っているときを除いて、ほぼほぼレナと一緒にいるから単独行動も不可能。
「ふーん……で? 証拠は?」
「……え?」
「公爵令嬢である私を貶める発言をしているのだから、何かしら証拠があるのでしょう?」
「ひ、被害者が言ってるのよ!」
「何の証拠にもなりはしないわね。今回のことはミネッティ伯爵に抗議させてもらうわ。……で、第三王女殿下、貴女も何か言いたいのかしら?」
「はぁ!!? なに言ってるのよ! いいから泣きながら謝罪しなさいよ!」
「わ……私は」
ローズマリー嬢の発言に切れ散らかしてるのがミネッティ伯爵令嬢、水を向けられて困惑しているのが第三王女……って解説しなくてもわかるか。
他にもマテス侯爵令嬢とニューエン子爵令嬢もそばにいるが、話を聞かされていなかったのか第三王女と同じく困惑している。
どの令嬢も降嫁先が決まっても辺境伯夫人以上の立場にはなりえないし、ローズマリー嬢に睨まれるのは避けたいだろうしなぁ。
「何の騒ぎだっ!」
騒然としている卒業式会場の中に、怒声を放ちながら入ってきたのは騎士団長。
クリスタが帰ってくるのが遅いと思ったが、第三王女を確実になんとかできる権力者を連れてきてくれていたみたいだな。
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