異世界母さん〜母は最強(つよし)!肝っ玉母さんの異世界で世直し無双する〜

トンコツマンビックボディ

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第22話 別の種族たち 後編

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➖商店街➖

一見、普通の商店街に見えるがそうではない
ここは異世界の商店街である

精肉店、鮮魚店、青果店、屋台、宿屋、武器屋、魔法屋、雑貨店、酒場、薬種商、畜産商、魔導具店とある
そして、商店街から少し離れた場所に、学校と病院があり、各店には、人間のみならずエルフ族、亜人族、獣人族、ドワーフ族、オーク族、ゴブリン族などの種族たちが店を営んでいる
 
「さあ、レッドブルの肉が入ったよ!買うなら今だよ!」
「生きのいい魚あるよ!」
「リンゴとブドウ、トマトとレモンが安いよ!」

「以前も来たけどこの時間の商店街は賑わってますね。最初に来た時は人間以外の種族を見てびっくりしたけど」
「私も同じよ。特にオークとゴブリンには漫画やゲームのイメージしてたから、この世界だと全く違ってたものね。オークは体は人間より2~3倍大きくて顔はゴツめで牙があっただけで豚みたいな顔してなかったしゴブリンなんて肌が緑色なだけで他は人間と変わらないもんね」
「アンタ達は架空のものの常識を鵜呑みにしてただけだろ?実際の人物とは異なってだんだよ。それよりも今夜の夕飯の材料は・・・」

カスミ達が夕飯の買い出しをしていると、1人には女性が近づいてきた

「もしかしてカスミさんですか?」
「ん?おや、アンタは確か!」
「あっ!サヤカさん!」

カスミに声を掛けてたのはロメロが入院していた病院の看護師をしているゴブリン族の『サヤカ』であった

「久しぶりだね。アンタも買い物かい?」
「ええ。私も連れと一緒に買い物でして、カスミさんも毎日大変ですね」
「私は好きでやってる事だしね。あの子たちは私が守ってやらないといけないから」
「ふふふ。まさに『母は強し』ですね。私もカスミさんの様な母親になれるかしら」
「それはアンタ次第・・・って言う事はサヤカには良い人がいるんだね」
 
サヤカの返答を聞く前にサヤカに声を掛ける男が現れた

「サヤカ待ったかい?やっと解放されたよ。あの人は退院した後も話が長くて参ったよ」
「お疲れ様ライナー。ほんとよね。あの人の話の長さは看護師の中でも有名だったもの」
「ライナー?アンタ、ライナーって言うのかい?ロックハート家の?」
「はい。僕の名前は『ライナー・デルタ・ロックハート』ですが・・・もしかして、あなたがカスミさんですか?話はスレイ兄さんから聞きました。クリフ兄さんの件はご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」

ライナーは深々と頭を下げようとするが、カスミはそれを辞めさせる

「待ちな!あの件の事は既に解決してるんだ。アンタまで謝る必要はないよ。クリフも今までのことを悔い改めて罪を償おうとしているんだ。だからそれでいいじゃないか」
「あのクリフ兄さんが・・・わかりました」
「ライナーそろそろ」
「そうだね。すいません、僕達はこれで失礼します」

ライナーとサヤカは一礼してその場を去った

「サヤカさんって相変わらず綺麗よね。あのウェーブの掛かった長い髪に綺麗な瞳、そして何より落ち着いた佇まいが素敵よね。しかも、あれがゴブリンなんだもん、まさに美女ゴブリンね」

アスナが感心していると商店街周辺では美少女のオークやゴブリンに加えてイケメンのオークやゴブリンがちらほらと見受けられ他にも獣人やエルフやドワーフも居る

「そう言えばライナーさんとサヤカさん一緒に居たけど、もしかしてあの2人って付き合ってるのかな?人間とゴブリンのカップルねぇ、異世界でしか見れない風景かもね」
「別に珍しいことでもないよ。この世界では同じ種族同士だけじゃなく、別の種族同士が一緒になるのはよくあることだよ。かくいうアタシもそうなんだけど」

突然、ワタル達に声をかけてきたのは、恰幅の良いオークの女性であった

「こんにちはダンプ、景気はどうだい?」
「ぼちぼちさね。亭主も頑張っているからアタシも頑張らないと子供も3人いるしね」
「カスミさん、その人は?」
「彼女は『ダンプ』。『ホーク』の奥さんだよ」
「『ホーク』ってあのパイナップル頭のことね?」
「あっはっはっは!パイナップル頭と来たかい!お嬢ちゃん面白いこと言うね!」

ダンプは自分の旦那の頭をパイナップルと言われてツボに入ったのか、大口を開けて笑い出しアスナの背中をバンバンと叩く

「ちょ!ちょっと!痛い!痛いってば!」
「カスミ、あんたの連れは怖いもの知らずだね。本人がいないとは言え、亭主は自分の頭をパイナップルって言われるとすぐにキレるからね。みんな恐れて言わないんだよ」

アスナはやれやれと言った顔でダンプにつぶやく

「ダンプさん、私にだって怖いものくらいあるわよ。私が恐れているものは・・・カスミよ。曲がったことが嫌いなせいか、いつも口より先に手が出るの!しかも、それが他人であろうと容赦なくやるのよ!この間だって貴族相手にビンタしたんだから!アレは最早、オニババよ!」
「ほう。誰がクサレオニババだって?」

アスナの背後にはカスミが指を鳴らしながら笑顔で立っている

「しまった!聞かれた!逃げ・・・って何?このプレッシャーは!?ぎぃにゃぁぁ!」

アスナは逃げようと試みたがのカスミのドス黒いオーラに恐怖で足がすくみお仕置きのコブラツイストをかけられ商店街中にアスナの断末魔のごとく激しい悲鳴が鳴り響いたのである

「あれって新しいファミリアの院長だろ?愉快な人だ」
「カスミさんだろ?この前のも凶悪犯を懲らしめたんでしょ?」
「おれが聞いた話だと、あのロックハートの腐れ長男のクリフを改心させたとか」
「あのアホ貴族のクリフを?!すごいわね!」

カスミ達の騒ぎを聞きつけて通行人や各店の従業員たちが寄って来た

「うわっ!急にカスミさんに人だかりが!」
「亭主達、冒険者連中が、噂を広めたんだよ。めちゃくちゃ強くて美人の女がいるってね」
「確かにあんなに強くて超絶美人ならみんな興味を持ちますもんね」
「ただ強くて美人だから、みんな惹かれてるわけじゃないと思うけどね。カスミにはカリスマがあると思うよ」

➖魔界 魔王城 応接間➖

ここはクロノス大陸とは、別次元にある世界『魔界』
魔界では魔王を始めとする魔族達が住んで居る
魔族は人間とは違いが目の色が基本的に緑色で肌が紫色で耳が尖っている種族である

ゴロゴロォォ(雷雲)

魔王城の応接間では、4人の魔族がテーブルの前に座っていた
1人は赤と白のマッシュヘアーの少年風の男の子、2人目はピンクと黒のグラデュエーションカラーのツインテールの女の子、3人目はスキンヘッドの筋肉質の大男、4人目は白と黒のツートンカラーの長髪のイケメン風の青年

「それで、クリフとか言う下級貴族は失敗したんだね」
「はい。あの人間は思っている以上に愚かな奴でした。我々と繋がりを持ったことでつけ上がっていたようです」
「きゃはははは!ナニそれぇ!超ウケる!ワタシらと知り合ったからって勘違いしてたんだね。馬鹿な人間!」
「全くだ!だから人間なんぞに力を貸すからだ!」
「違いますよ。人間と言うより、ただの人選のミスです。いくら利用するとは言え、あんな田舎街の性欲中毒の下級貴族を選んだのが間違いだったんですよ。ねぇ?ファンクさん」

バンッ!

ファンクと呼ばれた魔族がテーブルを思いっきり叩いた

「ちょっと!何すんのよ!紅茶がこぼれるでしょ!ファンク!」
「その含みのある言い方は、僕に喧嘩を売ってるのか?なぁ、ランディ?」
「そんなつもりはありませんよ。ただ『魔王様』から課せられた命令は確実に遂行しないといけませんからね」
「だから、あのクリフに下級悪魔と思わせて上級悪魔の『召喚紙』を与えたんじゃないか」

ツインテールの少女が家の前に置いてあるマカロンを食べながら紅茶を飲み、ファンクに嫌味を言う

「それであの結果だったのぉ。あれだけ『僕のアビスデーモンは強いから問題ない』って言っておいてねぇ」
「サキ!お前もカンに触るやつだな!僕のアビスデーモンが弱いとでも言うのか!」
「あれれぇ?そう聞こえなかったかしらぁ?アンタ馬鹿ぁ♪」
「このクソアマ!上等だ!ぶっ殺してやる!」

ファンクは杖を召喚してサキに向けて魔法を放とうと構えるとサキは朝笑いながら自分も片手に魔力を込めて魔法を放つ体制に入ろうとした時、サキの隣に座っていた大男が2人を大声で諭す

「やめないか!・・・しかし、これは由々しき事態だ。利用したとは言え下級貴族にアビスデーモンを使わせたのにそのアビスデーモンがこうもあっさりと倒されるとは予想もしていなかったぞ」
「また転生者のようです。あの勇者『カズチカ』と同じく日本と言う世界から転生された『カスミ・ババ』と言う名前の女で現在は、あの田舎街のミスティで孤児院で院長をやっているそうです」

ランディが1枚の写真をテーブルに置くと他の3人が写真を見る

「ほう。美人だな。そしてスタイルも良さそうだ」
「本当だ!おっぱいでけー!一体何センチあるんだ?」
「ファンクもビガロも何処見てんのよ。まあ、美人なのは認めるけど」

ランディはリモコンらしきものを取り出してスイッチを押すと大きいモニターが現れて映像が映し出された

「これが彼女の今までの活躍した戦いの映像です。どの戦いも相手を一撃で倒しています。この中には凶悪犯も含まれ、先日のアビスデーモンもご覧の通り一撃でした」
「これはプロレスじゃないか。という事は今まで相手を素手で倒したってことか?」
「へぇ♪面白いじゃない♪私と同じスタイルだわ!これは戦う日が楽しみにね!」
「彼女の事は、まだ不明の部分が残っています。そこは今、私の部下が調べています」
「クククククっ!あっはっはっは!いい!すごくいいね!」

映像を見たファンクが急に笑い出し席を立ち、部屋から出ようとする

「悪いけど、1番乗りは僕がもらうよ!あの女とはいち早く会ってみたい!いいだろ?お前たち?」

しかし、ファンクは、3人の返事を待たずに部屋を出て行った

「サキ、いいのか?こういう場合、お前ならいの一番に行きたがるだろ?」
「いいわよ。別に早く行けばいいってものでもないしね。1番手はあのお子ちゃまに譲るわ♪」

するとサキは席から立ち上がり部屋の入り口まで歩くと振り向いて2人にドヤ顔を決めて言い放った

「この『サキ・スターライト』は冷静に相手を分析して、相手を倒す為に己を鍛え直して戦いに挑むのが尋常よ!・・・っと言うワケで遊びに行ってこようっと♪」

そう言いながらサキは鼻歌まじりで走りながら去っていった

「何が『尋常よ!』だ。言ってることとやってることが違うだろ」
「それはそうとビガロさん、この事は魔王様には知られていないんですよね?」
「ああ。あの方は今、別荘の方でのんびりとくつろいでるそうだ」
「そうですか。それはよかった。こんな失態、あの方に知られては、我々の四天王の面目が丸つぶれですからね」

今、カスミ達の知らない場所で、何かが起ころうとしていた

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