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コヨタ

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第11話 ただいま、おかえり

第11話・2 旅行だ!ドキドキの温泉

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 翌日の昼休み。
 医療棟・検査室前の待機スペース。

 午前中に検査を終えたレイラとリルが、飲み物を片手に並んで座っていた。

「ふう……」

「思ったより簡単に済んだね」

「薊野さんいなかったからだな。あの人いると絶対検査の後に『ついでに』って言ってくる」

「ふふっ、それ言えてる」

 ふたりが休んでいると、廊下の奥から何やら騒がしい声が聞こえてきた。

「うそ!? まじ!?」

「掲示板見て! マジで! ! ! って書いてあるから!!」

「え!? 連休!? って、えっ!? この機関に連休とかあったの!?」

「そもそも休日ってあったっけ!?」

「それはあるよ!」

 慌てて走り出す職員たち。
 皆が向かっているのは、共有エリアの連絡掲示板。

「……なに?」

 レイラが小首を傾げ、リルは通信端末をちらっと覗く。

「……は?」

 リルの目に映った、緊急通達のトップにある“連休”という大きな2文字。

「──え、連休?」

 レイラが隣から覗き込む。

【連休のお知らせ】

 今後1週間、全機関業務を原則停止します。
 対象:各研究班/医療班/戦闘班/データ解析班 等
 ※理由:施設内修繕・設備点検および龍活動の鎮静化確認に基づく

 P.S.
 シエリちゃん先生もお休みしま~す

「えっ……」

「えっ……!」

「えっ……!!」

 職員たちが一斉に騒ぎ出した。

「えー! プチ旅行行っちゃおうかなー!!」

「温泉!? 温泉行くしかない!?」

「ちょっと待ってレイラちゃんとリルくんにしばらく会えないの!? えっやだ無理!!」

「えっじゃあ、薊野さんにも!? 薊野さんにも……会えない……?」

「推しロス始まるんですけどぉぉぉぉお!!!」

 館内が一種の悲鳴で満たされる中、当のふたりはというと。

「あ……オレ、そういえば今だったわ」

「え?」

「しばらく休めっつって西城家戻って次の日にぶっ倒れてまたここに戻ってしばらく寝かされてそれで病み上がりですってときに龍と戦わされることになってクラヴィスぶっ倒してなんかパーティー始まって……」

 リルは両腕を大きく伸ばして──。

「……今ようやく休んでいいってことだよな……」

 天井を見上げながら──。

「……よーーーやく休めんのかあ~……!!!」

 魂の叫び。

 レイラは職員たちが笑いながら集まっているのを見て微笑む。

「みんな……よかったね。こんなに嬉しそうな顔、久しぶりに見た気がする」

「な。……またオレたちに感謝すべきだぜ」

 そのとき。

「──ようやく時間空いたか、クソガキども」

 その馴染みある声に、ふたりが顔を向けた。

「……薊野さん?」

「よぉ。あんたら、ヒマ? お兄さんがさぁ~、頑張ったお前らにちょっとイイとこ連れてってやりたいんだけど~?」

 いつものようにふざけた軽口で登場したセセラ。
 その後ろからは、ふわりとワンピースを揺らしながら、シエリがゆっくり現れる。

「西城の兄妹も呼びなさい。あのふたりも、キミたちのそばにいるべきだ」

「え、えっと……」

「場所は会議室前。時間はこのあとの夕方。いいか? サボったらブチギレるからな、俺」

「あんたがサボる側の人間だろ……」

「ちっげえわ、今回はマジだから」

 ふたりの目が、自然と細められる。

 なんだかんだで、またいつも通りが戻ってきたんだなって──。

 そんな空気が、そこにはあった。

 明日からは休みの始まり。
 だけど、仲間たちと過ごす時間はいつだって特別だ。


 ◇


 そして、後日。

「「「温泉だー!!」」」「温泉だ……」

 レイラ、アシュラ、ラショウが声を揃えてはしゃぐ中、リルだけがひと呼吸遅れてぽつりと呟いた。

 1泊2日の小旅行。
 機関の連休をきっかけに、セセラが提案した英気を養うための時間。

 アシュラが恐縮した様子でセセラに向き直る。

「あっ、薊野さん……! あの、俺まで本当に申し訳ないです。旅費、もちろん出しますので……!」

 そう言いながら懐から財布を取り出すその仕草も、私服ながらもどこか格式ある、スマートな身のこなし。
 ネイビーシャツに落ち着いたデニムでいつもより柔らかい雰囲気のアシュラ。

 対するセセラは、黒のTシャツにアイボリーパンツというラフな私服。
 白衣を脱いだその姿はまさに大人の余裕──に見えたが。

「いーよ、いーよ。大人の顔させてくれ」

 と言いつつ、その分厚い財布をちらっと見て──。

(ぜってえ俺より持ってる…………)

 そこに、ふわりと柔らかい風のように現れたのはシエリ。

 淡いピンクのワンピースに、麦わら帽子。
 見た目はどう見てもリゾートに現れた子どもにしか見えないが、その表情はどこまでも満足げだった。

「さてさて~今日は女子組も楽しむぞ。レイラ、ラショウ、温泉でガールズトークしような♪」

「ふふ……照れますね……!」

「ガールズ……トーク……」

 ラショウが嬉しそうに頷き、レイラは一瞬言葉に詰まりながらも微笑んだ。

 その様子を見たセセラが、思わずツッコむ。

「ババアのくせにガールズトークとか言ってんじゃねえよ」

「セセラは減給な♪」


 ◇


 旅館に到着しフロントにてチェックインを済ませ、キーを受け取る一行。

「こちらが本日のお部屋となっております。大部屋のご予約を頂いておりますので、皆さまでご一緒におくつろぎください」

 案内された部屋は──洋風の広い大部屋だった。

「わぁ……!」

 目を輝かせるラショウ。

「綺麗……! ありがとうございます、薊野さん、シエリ先生……!」

「西城のお屋敷は和室が多いだろう? だからあえて、洋風にしておいたのだ」

 シエリがにこりと微笑む。

「お気遣いいただいてしまい……! しかし、大変新鮮です。本当にありがとうございます……!」

 アシュラもぺこりと礼をする。

 ベッドはふかふか。
 窓からは山が見え、外には立派な庭園が覗いていた。

「おいお前ら、この時間になったら風呂行くぞ」

 セセラは時計をちらっと見ながら真剣な表情で──。

「風呂が命だ。戦ってきた体に染み込ませろ。いいな? ダラダラしてたら俺が引っ張ってくからな。マジで!!」

「はぁ~い」

「うっせぇな……」

「楽しみ……です……!」

「準備してきますねっ♪」

 わらわらと準備に取りかかる一行。

 戦いの無い夜が、少しずつ、始まっていた。


 ◇


 ──大浴場(女湯)。

 湯気がふわりと舞う、大きな岩風呂。
 天井にはやわらかな照明が灯り、湯面に映る光は波紋のように揺れていた。

 レイラはというと──。
 脱衣所で、固まっていた。

(だ、大丈夫……落ち着け私……)

 ふうっと深呼吸をして、目を閉じる。
 大浴場そのものは、機関にも存在する。何度も利用したこともある。

 けれど──。

(状況が違う……!)

 頭の中で、色々な警報が鳴り響いていた。

 まず、ひとり目。

(シエリ先生……機関の所長……! あのふわふわの髪に、お人形みたいな女の、子……! いや女の人……!)

(そんな先生の……い、一糸まとわぬ姿……!)

 そして、ふたり目。

(ラショウ……。……ラショウ……、あの透明感抜群の美少女お嬢様の……い、一糸まとわぬ姿……!)

(ち、違う……! へ、変な意味じゃなくて……!)

(私は、ただ、慣れてないだけで……っ!)

 自分に必死で言い聞かせるように頬を押さえる。
 風呂に入るときは眼帯を置いてくるのが習慣だったが、今はその片目すら隠したくてたまらなかった。

 そのとき──。

「レイラちゃん?」

「ひゃっ!?」

 レイラの口から、普段では考えられないような可愛らしい悲鳴が漏れた。

 声をかけたのは、なかなか浴場へ入ってこないレイラを気にして戻ってきたラショウ。

「ふふ……レイラちゃん、緊張してる?」

 ラショウはバスタオルを体に巻いたまま、レイラの目の前でちょこんと少しだけ屈んで、覗き込んでくる。

(あ、えっ、だめ……! そんなポーズしちゃ……!!)

「だ、だいじょぶ……だと……思うんだけど……」

「大丈夫、大丈夫♪ 女の子同士なんだから、恥ずかしくないよ。せっかくの温泉なんだしリラックスしよ?」

 その笑顔と声が、レイラの心拍数をさらに跳ね上げる。

(や、優しい……やっぱりラショウって天使……。しかも自然に言ってくれる……)

(こ、これが……あたたかい世界……)

 レイラが軽く放心していると、横から更なる声が響いた。

「なんだ、レイラ。緊張しているのか?」

 登場したのは、湯気を背負ったシエリ。

 背丈は小さいのに、堂々としたその姿。
 つややかな肌と髪、ふわふわと浮かぶような足取りで、浴場から戻ってくる。

「い、いえ……その……」

 レイラは正直に、目を伏せながら呟いた。

「目の、やり場が……」

 それを聞いた瞬間。

「アハハハハハ!!!」

 シエリは響くような高笑いを響かせた。

「なんだなんだキミは~可愛い奴だなぁ~~! もう、そういう所が好きだぞ~レイラ! その純情さ! ずっと大事にしなさい!!」

「……そん、なこと言われても……」

 レイラの顔が少し赤くなる。
 そこへ、ラショウがふわりと声をかけてきた。

「レイラちゃん、こっちおいで? 私、レイラちゃんの髪……洗ってあげたいな」

「……えっ!?」

 心臓がバクンと跳ねる。

 気が付けばラショウに手を引かれていて、レイラはほとんど抵抗できないまま浴場へ入り、洗い場へと導かれる。

(え、え、えっ!?)

(わ、私なんかが……ラショウに髪、洗ってもらうなんて……)

(ご、ご褒美すぎる……! いや、変な意味じゃなくて……!)

(ラショウファンの皆さん……ごめんなさい……!!)

 そんな懺悔のような思考を抱えながら、されるがままに椅子に座らされた。

 そして──。

 シャアァ……と髪にお湯がかかる音。

 泡立てられたシャンプーが、ゆっくりと、レイラの髪を包み込んでいく。

「レイラちゃん、髪、さらさらだね」

「そ、そうかな……」

 ラショウの手はとても優しく、丁寧だった。
 爪を立てることもなく、指先で地肌を優しく撫でるように洗ってくれる。

 その感覚があまりに心地よくて、レイラは知らず知らず、目を閉じていた。

(……これ……夢じゃないよね……?)

 シエリはその様子を見ながら、にこにこ。

「ラショウ~、次は私の髪も洗ってくれ~」

「は~い♪ お任せくださいシエリ先生♪」

 少女たちの笑い声と、湯気と、泡と。
 ゆっくりとした時間が、まるで夢のようにそこに流れていた──。


 ◇


 ──露天風呂。星灯りの下。

「はああああ…………」

 レイラは言葉にならない吐息を漏らしていた。
 肩までじっくりと湯に浸かり、ようやく全身の力が抜けている。

(あったかい……柔らかい……しあわせ……)

 先程までの緊張が嘘のように、とろけきった表情。
 目を半分閉じ、少し上を向いて湯気を浴びながら、どこか遠くの星を見ていた。

「すごく……いい湯だね、レイラちゃん……」

 隣から優しく声をかけてきたのは、もちろんラショウ。
 髪を上げたその姿は相変わらず透明感の塊で、レイラの心拍数は緩やかに上昇していたが、今はそれも心地よかった。

「世の中に……こんな天国があるなんてな……」

 シエリは浸かるというより、ぷかりと浮いているようだった。
 いつも通りの表情なのに、その肩越しにちらりと見える湯気と、リラックスしきったその空気が温泉の魔力を語っている。

「……機関にも大きいお風呂あるけど、やっぱり温泉ってなると別格だ……」

 と、レイラがぽつりと呟くと──。

「フフ……すまない。機関で温泉を引く程の予算は無いのだ……」

「うふふふふ……」

 ラショウの笑いが、辺りの湯気に溶けた。

 まるで、3人だけの秘密の楽園のよう。

 レイラは湯船に顎まで浸かりながら、シエリに向かってふにゃりと呟く。

「……シエリせんせえ……ありがとお……」

 目をとろんとさせながら、まるで子どものような素直な声。

 シエリは笑って首を横に振る。

「何度もお礼言ってやってくれ、セセラにな」

「薊野さん?」

 レイラとラショウが同時に首を傾げた。

「今回の宿を探して予約したのも、旅費を出してるのも……そもそも皆の疲れを癒してやりたいって言ったのも、全部セセラだよ。私はただ『いいね』って言っただけだ」

「そっかあ…………」

 レイラの声が、じんわりと湯に染みていった。

「……優しいですね薊野さん……! 私も改めてお礼言わなきゃ……!」

 ラショウが目を輝かせる。

「……でも、意外……」

 レイラの小さな一言に、ふたりが振り向いた。

「薊野さん、あんまりそういうの、顔に出さないから……」

「フフ、そうだろうな。でもあの子、根はとんでもなく情が深いからな」

 そう言って、シエリはスッと表情を引き締める。

「──さて。男の名前が出たところで……そろそろガールズトークといこうか」

「「……えっ?」」

 レイラとラショウがきょとんとしたまま声を重ねると──シエリは不敵な笑みを浮かべながら、やけに堂々と身を乗り出してきた。

「あ、待て。まずは私から聞かせてもらおう」

 その視線が、ラショウに向けられる。

「──ラショウ。キミは、リルのことが好きだな?」

「……え、えっ!?!?」

 露天の温度が一気に3度くらい上がった気がした。

 ラショウの白い肌が、ほんのり桜色どころか、真っ赤に染まっていく。

「ち、ちが……そっ……え、いきなり、そんな……!」

「この歳になるとね、だいたいのことは見ただけでわかるのだよ。キミの目の動き、声の色、仕草のすべてが物語っていたぞ」

「ううぅ……そ、そんな……」

 シエリの言葉にラショウは焦りながら、湯の中にそっと身を沈めていく。

「ふふん、図星かな? キミの献身的な性格は、もともとの気質もあるだろう。でも、リルのことはさらに特別……そうだろ?」

「…………」

 ぽそっと湯に浮かぶラショウの声。

「……リルくんは……家族のような存在ですけど……か、カッコイイので……その、ちょっとだけ……」

 レイラはその様子を、只々、胸を熱くして見ていた。

(ラショウ……そうなんだ……!)

(……応援したい。心から、応援したい……!!)

 レイラの心に小さな、だが強い光のような想いが灯る。

 シエリが次に目を向けたのは──レイラ。

「レイラは、どうかな?」

「……えっ」

 突然の質問に、一瞬の

「わ、私は……」

 視線を落としながら、レイラはゆっくりと答えた。

「……そんな、機関にいるばかりの生活だし……そういうの、全然わからなくて……」

 その言葉に、シエリは静かに頷く。

「まぁ、そうだろうな」

「でもっ!」

 突然、ラショウが身を起こした。
 まだその顔も真っ赤なまま。

「レイラちゃん、可愛いから! この先きっと、モテるよ!!」

「……えっ」

 レイラの思考が止まる。

(……あ、ぇ、私が……)

(可愛い……?)

(私が、かわいい…………??)

 そしてその顔が、湯の温度よりも熱くなっていく。

(か……可愛い……って……)

(私が……!?)

(……私が……!?!?)

 完全にフリーズ。
 口元がぴくぴくしている。

 その様子に、ラショウが「あ、ご、ごめんなさい……!?」と焦る。
 シエリはそのやり取りに笑っていた。

 こうして、身も心もすっかり温まり、頬の赤みが温泉のせいか照れのせいかもわからなくなった頃──。

「そろそろ、あがるか」

 シエリが一足先に湯から上がる。
 レイラとラショウも、そのあとに続いた。

 夜風を受けながら、ぽかぽかの体で脱衣所へと戻っていくのであった。



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