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03 鑑定
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案内された部屋には誰もいなかった。若い神官見習いはオオヤナギを残して去って行った。
部屋を見回していると、自分が神官と王子様に囲まれて入って来た。
『僕だ』とオオヤナギは思った。
「おや、ちゃんと早く来てたんですね」と声をかけられて戸惑っていたら
「オオヤナギ、神官長にご挨拶を」とブラウンさんが声をかけた。
「おはようございます。オオヤナギと言います」と頭を下げると
「ほー余分はオオヤナギと言うのか」と神官長が鼻で笑いながら言った。豪華な服の爺様神官が神官長だった。
「神子様が言った通りのようだ」と王子様が続けた。
「ハロルド様、僕は・・・」と僕が・・・いやミツルギが王子様に縋って言うのをオオヤナギは見た。
『なにをやってる。男になんかすがるな・・・・お前なら殴れ!・・・・手が痛いから・・・その棒かなんかで』とオオヤナギは自分に向かって思った。
「神子よ、様はいらないと言ったであろう。ハロルドだ」
自分の顔があんな媚び媚びの顔をするのを見るのは不愉快だった。
『媚を売るな!おまえは売られる方だろ・・・・・僕の顔で・・・・やめてくれ・・・」
「なにを睨みつけている」きつい声でブラウンさんがそう言った。
そうか、不自然にじっと見てたかとオオヤナギは思い、
「なにも・・・・」と答えた。
その時、神官が箱を持って部屋に入って来た。蓋を開け横に置くと頭を下げた。
神官長が箱のそばに立つと
「神子様、こちらへ」
その声に従って王子様とミツルギが箱のそばへ行った。
「箱の上に手をかざして下さい」
ミツルギが手をかざすと、白い光と虹のように何色もの光が渦巻いた。
「おぉ、浄化の他にもいろいろな属性が・・・・さすがでございます。神子様。魔力量も1000を超えております」
と神官長が声を震わせて言った。
「やはりダイトは素晴らしい」と王子様が自分の手を取るのをオオヤナギが見ていると、自分がこちらを見て笑った。
笑い方はミツルギだとオオヤナギは思った。
「・・・行け」
「さっさと行け」とブラウンさんが肩を押しているのに、オオヤナギは気づいた。
オオヤナギも箱に手をかざした。
白とも青ともつかぬ煙のようなものが現れて消えた。
「魔力はあるようですが・・・・少なすぎて測定できぬようだ」と神官長が言うと
王子様が
「やはり、余分だな・・・・神殿で面倒をみてやれ・・・」と言うとブラウンさんは黙って頭を下げた。
オオヤナギはブラウン神官の元で神官見習いとして働き始めたが、しばらくすると神子様のそばで働くように呼ばれた。
「ダイトがお前の事を心配してな、向こうではさんざんいじめられたと言うのにさすがダイトは優しい。いいか神子になにかしてみろ、俺が許さないからな」と初日に王子様がオオヤナギに言った。
うんざりした。いじめたのはミツルギの方だ。わざわざ自分をそばに呼んだのは同じ事をするつもりだ。
オオヤナギはここを出ると決めた。
神子は午前中、座学を受ける。なぜかこの国や周辺の国の歴史、貴族の情報、などだ。
オオヤナギは神子の席の後ろに立ったままで、控えるよう言われた。
じっと動かずに立たせているのは、ミツルギのいやがらせだ。オオヤナギは講義が終わる頃にはへとへとになった。
午後は実際に魔法を使う練習だ。浄化は神子にしか出来ないが、他の魔法を使ううちにこつがわかるらしい。
図書室で借りた本にはそう書いてあった。
オオヤナギは、疲れて余計ドタドタ音を立てながら、部屋に戻った。
部屋を見回していると、自分が神官と王子様に囲まれて入って来た。
『僕だ』とオオヤナギは思った。
「おや、ちゃんと早く来てたんですね」と声をかけられて戸惑っていたら
「オオヤナギ、神官長にご挨拶を」とブラウンさんが声をかけた。
「おはようございます。オオヤナギと言います」と頭を下げると
「ほー余分はオオヤナギと言うのか」と神官長が鼻で笑いながら言った。豪華な服の爺様神官が神官長だった。
「神子様が言った通りのようだ」と王子様が続けた。
「ハロルド様、僕は・・・」と僕が・・・いやミツルギが王子様に縋って言うのをオオヤナギは見た。
『なにをやってる。男になんかすがるな・・・・お前なら殴れ!・・・・手が痛いから・・・その棒かなんかで』とオオヤナギは自分に向かって思った。
「神子よ、様はいらないと言ったであろう。ハロルドだ」
自分の顔があんな媚び媚びの顔をするのを見るのは不愉快だった。
『媚を売るな!おまえは売られる方だろ・・・・・僕の顔で・・・・やめてくれ・・・」
「なにを睨みつけている」きつい声でブラウンさんがそう言った。
そうか、不自然にじっと見てたかとオオヤナギは思い、
「なにも・・・・」と答えた。
その時、神官が箱を持って部屋に入って来た。蓋を開け横に置くと頭を下げた。
神官長が箱のそばに立つと
「神子様、こちらへ」
その声に従って王子様とミツルギが箱のそばへ行った。
「箱の上に手をかざして下さい」
ミツルギが手をかざすと、白い光と虹のように何色もの光が渦巻いた。
「おぉ、浄化の他にもいろいろな属性が・・・・さすがでございます。神子様。魔力量も1000を超えております」
と神官長が声を震わせて言った。
「やはりダイトは素晴らしい」と王子様が自分の手を取るのをオオヤナギが見ていると、自分がこちらを見て笑った。
笑い方はミツルギだとオオヤナギは思った。
「・・・行け」
「さっさと行け」とブラウンさんが肩を押しているのに、オオヤナギは気づいた。
オオヤナギも箱に手をかざした。
白とも青ともつかぬ煙のようなものが現れて消えた。
「魔力はあるようですが・・・・少なすぎて測定できぬようだ」と神官長が言うと
王子様が
「やはり、余分だな・・・・神殿で面倒をみてやれ・・・」と言うとブラウンさんは黙って頭を下げた。
オオヤナギはブラウン神官の元で神官見習いとして働き始めたが、しばらくすると神子様のそばで働くように呼ばれた。
「ダイトがお前の事を心配してな、向こうではさんざんいじめられたと言うのにさすがダイトは優しい。いいか神子になにかしてみろ、俺が許さないからな」と初日に王子様がオオヤナギに言った。
うんざりした。いじめたのはミツルギの方だ。わざわざ自分をそばに呼んだのは同じ事をするつもりだ。
オオヤナギはここを出ると決めた。
神子は午前中、座学を受ける。なぜかこの国や周辺の国の歴史、貴族の情報、などだ。
オオヤナギは神子の席の後ろに立ったままで、控えるよう言われた。
じっと動かずに立たせているのは、ミツルギのいやがらせだ。オオヤナギは講義が終わる頃にはへとへとになった。
午後は実際に魔法を使う練習だ。浄化は神子にしか出来ないが、他の魔法を使ううちにこつがわかるらしい。
図書室で借りた本にはそう書いてあった。
オオヤナギは、疲れて余計ドタドタ音を立てながら、部屋に戻った。
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