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8 私の秘密をお教えしましょう
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「マミーレ様、私は権威を笠に着るのは時と場合に寄ると常々思っておりましたが」
頬を押さえて蹲るカタリナをそっと支える。私の大事なカタリナになんてことを!
「やられっぱなしは我が家としても許す所ではございませんの。そちらから手を挙げて来たのですから、責任はきっちりとっていただきますわよ」
「な、何を……ど、どうせあんたなんかどっかの子爵の子供でしょう! 伯爵家の私に何を言ったって無駄なのよ!」
マミーレ様の後ろで3人の令嬢が騒ぎ立てる。
「ごめんなさい、カタリナ。あの3人の名前も分かるかしら?」
「ええ、分かります。ライラ・ミスト子爵令嬢、リンダ・ハマス子爵令嬢、ルイズ・マックイール子爵令嬢。全てトンヌ伯爵家の縁の家の北方領の方です」
「北方領ね。ブランシェ様にもお伝えすべきね。手紙を書きましょう」
「は……ブ、ブランシェ様って。…ブランシェ・ルストバーン公爵令嬢?! 北方の総領主、ルストバーン家のお、お嬢様じゃないっ?! なんであんたみたいな子が」
マミーレ様の顔色はどんどん悪くなって行く。相手が誰か確かめずに喧嘩を売るなんて、怖いわね。
カタリナはすっと立ち上がると、冷たい目で無礼者達を見下ろす。
「マミーレ・トンヌ伯爵令嬢。あなたは一体誰に暴言を吐いているかまだ分からないのですか? あなた流にお教えして差し上げましょう。こちらのアリシア様は、アリシア・フェンルース侯爵令嬢。フェンルース家のご長女にして、社交界の幻の花、アリシア様ですよ」
幻の花は言いすぎよ。ただ単に風邪ばかり引いて社交界に出掛けられないだけなのに。
「私、ブランシェ様とは何かと懇意にして頂いております。ルストバーン家に連なる者がこの様子とは……」
私とブランシェ様が知り合ったのは薬草市だった。家の誰かしらが寝込んでいる我が家の為に私は合間を見て必死に薬学を学んだ。ついでに言えば薬はちょっと効きすぎて逆効果だったので薬草学に方向転換したのだ。そして寒いので家族が風邪をひきやすいというブランシェ様と仲良くして頂いている。
新しい風邪薬の調合レシピや、珍しい薬草の効能など手紙で議論する仲なのだ。
「こ、侯爵っ、れ、令嬢……、ア、アリシア、フェンルース、だ、だって社交界て、み、見た事ない、もの」
「当然です。フェンルース家が出席なさる催し物は新年の陛下への挨拶と陛下のお誕生会くらいですから、伯爵家のあなたは呼ばれたこともないはずです」
「な、なんで、何で侯爵令嬢が寮になんかいるのよ!」
私とカタリナは顔を見合わせてからため息をつきました。何というか物覚えの悪い方なのでしょう。少し疲れた私はもう部屋に帰りたくて仕方がない。
「寮の規則に侯爵令嬢が入寮してはならないなどの規制はありません」
冊子は見たわよ。それに過去に例がなかったことでもないと寮監さんが最上階の部屋を開けてくれた。
高位貴族の令嬢が寝泊まりするのに相応しい一室があって、侍女やメイドの部屋もある。有難いわ。
「う、嘘……嘘よ、だって、え? 」
嘘を吐く理由もありませんわね。マミーレ様は2、3歩よろよろと後退なさっていますが、その口から飛び出た言葉はもう一度飲み込むことは出来なくてよ?
いわゆる取り巻き令嬢たちも青い顔で立ち尽くしているけれど、他のご令嬢たちの目は冷たい。彼女、相当やらかしていたのね。
「流石に食べる気が失せてしまったわ。カタリナ、帰りましょう」
「ええ。食堂の方には私から謝っておきます。お嬢様、いけませんわ。スープとお野菜をひとすくいしか召し上がっていないじゃないですか。全く、これも含めてしっかりブランシェ様にお伝えしなくては」
あらあら! 私よりカタリナが怒ってるね、まあ当然ね。
「もちろんフェンルース家と我が家からも抗議させていただきますけれどね」
「メイニー家を怒らせると怖いのよね~やだわ、寒気が」
メイニー家はこの国の流通に深く関わっている家で通行税とかこの辺りを取り仕切っているのよね。
「アリシア様?! もしかして熱が出て来たのでは?!」
「え?そんなことない、わ? あ、あれ?」
「は、早くお部屋に!」
あ、あら? 少し張り切っただけなのに~。それから三日間、寮で寝込んでしまったのでした、情けないわ……。
頬を押さえて蹲るカタリナをそっと支える。私の大事なカタリナになんてことを!
「やられっぱなしは我が家としても許す所ではございませんの。そちらから手を挙げて来たのですから、責任はきっちりとっていただきますわよ」
「な、何を……ど、どうせあんたなんかどっかの子爵の子供でしょう! 伯爵家の私に何を言ったって無駄なのよ!」
マミーレ様の後ろで3人の令嬢が騒ぎ立てる。
「ごめんなさい、カタリナ。あの3人の名前も分かるかしら?」
「ええ、分かります。ライラ・ミスト子爵令嬢、リンダ・ハマス子爵令嬢、ルイズ・マックイール子爵令嬢。全てトンヌ伯爵家の縁の家の北方領の方です」
「北方領ね。ブランシェ様にもお伝えすべきね。手紙を書きましょう」
「は……ブ、ブランシェ様って。…ブランシェ・ルストバーン公爵令嬢?! 北方の総領主、ルストバーン家のお、お嬢様じゃないっ?! なんであんたみたいな子が」
マミーレ様の顔色はどんどん悪くなって行く。相手が誰か確かめずに喧嘩を売るなんて、怖いわね。
カタリナはすっと立ち上がると、冷たい目で無礼者達を見下ろす。
「マミーレ・トンヌ伯爵令嬢。あなたは一体誰に暴言を吐いているかまだ分からないのですか? あなた流にお教えして差し上げましょう。こちらのアリシア様は、アリシア・フェンルース侯爵令嬢。フェンルース家のご長女にして、社交界の幻の花、アリシア様ですよ」
幻の花は言いすぎよ。ただ単に風邪ばかり引いて社交界に出掛けられないだけなのに。
「私、ブランシェ様とは何かと懇意にして頂いております。ルストバーン家に連なる者がこの様子とは……」
私とブランシェ様が知り合ったのは薬草市だった。家の誰かしらが寝込んでいる我が家の為に私は合間を見て必死に薬学を学んだ。ついでに言えば薬はちょっと効きすぎて逆効果だったので薬草学に方向転換したのだ。そして寒いので家族が風邪をひきやすいというブランシェ様と仲良くして頂いている。
新しい風邪薬の調合レシピや、珍しい薬草の効能など手紙で議論する仲なのだ。
「こ、侯爵っ、れ、令嬢……、ア、アリシア、フェンルース、だ、だって社交界て、み、見た事ない、もの」
「当然です。フェンルース家が出席なさる催し物は新年の陛下への挨拶と陛下のお誕生会くらいですから、伯爵家のあなたは呼ばれたこともないはずです」
「な、なんで、何で侯爵令嬢が寮になんかいるのよ!」
私とカタリナは顔を見合わせてからため息をつきました。何というか物覚えの悪い方なのでしょう。少し疲れた私はもう部屋に帰りたくて仕方がない。
「寮の規則に侯爵令嬢が入寮してはならないなどの規制はありません」
冊子は見たわよ。それに過去に例がなかったことでもないと寮監さんが最上階の部屋を開けてくれた。
高位貴族の令嬢が寝泊まりするのに相応しい一室があって、侍女やメイドの部屋もある。有難いわ。
「う、嘘……嘘よ、だって、え? 」
嘘を吐く理由もありませんわね。マミーレ様は2、3歩よろよろと後退なさっていますが、その口から飛び出た言葉はもう一度飲み込むことは出来なくてよ?
いわゆる取り巻き令嬢たちも青い顔で立ち尽くしているけれど、他のご令嬢たちの目は冷たい。彼女、相当やらかしていたのね。
「流石に食べる気が失せてしまったわ。カタリナ、帰りましょう」
「ええ。食堂の方には私から謝っておきます。お嬢様、いけませんわ。スープとお野菜をひとすくいしか召し上がっていないじゃないですか。全く、これも含めてしっかりブランシェ様にお伝えしなくては」
あらあら! 私よりカタリナが怒ってるね、まあ当然ね。
「もちろんフェンルース家と我が家からも抗議させていただきますけれどね」
「メイニー家を怒らせると怖いのよね~やだわ、寒気が」
メイニー家はこの国の流通に深く関わっている家で通行税とかこの辺りを取り仕切っているのよね。
「アリシア様?! もしかして熱が出て来たのでは?!」
「え?そんなことない、わ? あ、あれ?」
「は、早くお部屋に!」
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