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7 寮の食堂に秘密はない
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「あらぁー? 一体どこのおうちの方なのかしら? はしたない事!」
早速寮に入る事ができて、食堂でお食事をしていたら、見知らぬ令嬢……? にそんな言いがかり? をつけられた。一体何かしら?
何故見知らぬ令嬢? なのかというと、寝込んでいる時間が長すぎて各家のご令嬢の顔と名前を全て把握していないからなのだ。貴族の子女としては最低なのだけれど、なんとか高位貴族は覚えたから大丈夫かな、と思ったのに寮は盲点だった。
大抵の高位貴族は家から通い寮暮らしはしない。辺境伯の子女も、王宮からほど近い貴族街にあるタウンハウスから通うのが通例だ。
だから寮には何らかの理由で王都にタウンハウスを持たない貴族……つまり、王都に家を構える事が出来ない下位貴族や家が遠い者、特別入学した平民などが多く利用することになっているのだ。
だから今、座ってサラダをいただいていた私を上から見下ろしてイライラと眉毛を吊り上げている方の名前を私はわからなかった。多分、伯爵家……しかも我が家と縁が薄くて社交界であまり話題にならない家のお嬢さんだと思うのだけれど。
あちらも私の事は知らないようで……というか、社交界にほとんど出席しない我が家はお兄様のお顔はきちんと認識されているけれど、お父様やお母様まであやふやな存在だと思われているようなのよね。私の顔など知らなくて当然なのかも知れない。
「失礼な! この方を……」
「カタリナ、こちらの方のお話を聞いてみましょう」
「……はい、お嬢様」
カタリナは私が家からついてきて貰った侍女。カタリナ自身はメイニー伯爵家の三女なのだけれども、私の侍女になりたいとずっと働いてくれている優しい子なのだ。
「三女の私は学園に通っても、どこかの後妻か条件の悪いところに嫁ぐしかありません。ならばアリシア様の元で侍女として働きたいのです」
そうカタリナ自身がきっぱりといい、フェンルース家と懇意にしているメイニー家でもあるし、ご両親も是非に、とのことで一緒に来て貰ったのだ。
多分、ふんぞり返って鼻穴が見えそうな名も知らぬお嬢さんより、カタリナの家の方が格が上だとは思うわ……。
「何故あなたみたいな顔も知らない女がわたくしより先に食堂で食事をしているの?! ここは身分が高い者から利用するのが常識よ!」
「そうよ、そうよ!マミーレ様のいう通りだわ!」
「引っ込みなさいよ、ちょっと可愛いからって何様なのかしら?!」
「マミーレ様はね、トンヌ伯爵家の長女なのよ!」
はて、トンヌ伯爵家……? 分からないわ。
「アリシア様。トンヌ伯爵家はかなり北の家です。下から数えた方が早いのでアリシア様がお知りにならなくても当たり前かと」
「まあ」
こっそりカタリナが耳打ちしてくれました。成程、私の勉強不足でしたね。もう少し頑張りましょう、だわ。
に、してもよ? 食堂は高位貴族から使うという決まりは無かったはず。辺りをそっと伺うと皆さん微妙な顔つき……このマミーレ・トンヌ伯爵令嬢は厄介者なのかしら? そうなのね。
食堂のおばちゃんも苦々しい顔つきでマミーレさんを見て舌打ちしている。成程、理解したわ。
「カタリナ、寮の規則が書いてある冊子は目を通したわね?」
「勿論です、お嬢様。どこにも食堂は身分別になると書いてはありませんでした」
当たり前だわ、こんな所で身分をひけらかしてどうするのかしら?
「マミーレ様は一年生ではないようですが、ご存じなかったのかしら? もしかして今までもこのような感じでお過ごしになられたの? もしかして冊子を読むのが困難で……?」
「なっ……っ! ほ、本くらい読めるわよっバカにしてっ」
頭に血が昇ったのか、マミーレ様は手を振り上げる。暴力はいけないわ、あんなの食らったら倒れてしまう!
「お嬢様っ」
「カタリナ!」
カタリナは私とマミーレ様の間に立ち塞がった。ごめんなさい!私の代わりにカタリナが叩かれてしまう。
パァン! と乾いた音がして、思いっきり頬を叩かれたカタリナ。私の中でも流石に弾けましたわよ。
早速寮に入る事ができて、食堂でお食事をしていたら、見知らぬ令嬢……? にそんな言いがかり? をつけられた。一体何かしら?
何故見知らぬ令嬢? なのかというと、寝込んでいる時間が長すぎて各家のご令嬢の顔と名前を全て把握していないからなのだ。貴族の子女としては最低なのだけれど、なんとか高位貴族は覚えたから大丈夫かな、と思ったのに寮は盲点だった。
大抵の高位貴族は家から通い寮暮らしはしない。辺境伯の子女も、王宮からほど近い貴族街にあるタウンハウスから通うのが通例だ。
だから寮には何らかの理由で王都にタウンハウスを持たない貴族……つまり、王都に家を構える事が出来ない下位貴族や家が遠い者、特別入学した平民などが多く利用することになっているのだ。
だから今、座ってサラダをいただいていた私を上から見下ろしてイライラと眉毛を吊り上げている方の名前を私はわからなかった。多分、伯爵家……しかも我が家と縁が薄くて社交界であまり話題にならない家のお嬢さんだと思うのだけれど。
あちらも私の事は知らないようで……というか、社交界にほとんど出席しない我が家はお兄様のお顔はきちんと認識されているけれど、お父様やお母様まであやふやな存在だと思われているようなのよね。私の顔など知らなくて当然なのかも知れない。
「失礼な! この方を……」
「カタリナ、こちらの方のお話を聞いてみましょう」
「……はい、お嬢様」
カタリナは私が家からついてきて貰った侍女。カタリナ自身はメイニー伯爵家の三女なのだけれども、私の侍女になりたいとずっと働いてくれている優しい子なのだ。
「三女の私は学園に通っても、どこかの後妻か条件の悪いところに嫁ぐしかありません。ならばアリシア様の元で侍女として働きたいのです」
そうカタリナ自身がきっぱりといい、フェンルース家と懇意にしているメイニー家でもあるし、ご両親も是非に、とのことで一緒に来て貰ったのだ。
多分、ふんぞり返って鼻穴が見えそうな名も知らぬお嬢さんより、カタリナの家の方が格が上だとは思うわ……。
「何故あなたみたいな顔も知らない女がわたくしより先に食堂で食事をしているの?! ここは身分が高い者から利用するのが常識よ!」
「そうよ、そうよ!マミーレ様のいう通りだわ!」
「引っ込みなさいよ、ちょっと可愛いからって何様なのかしら?!」
「マミーレ様はね、トンヌ伯爵家の長女なのよ!」
はて、トンヌ伯爵家……? 分からないわ。
「アリシア様。トンヌ伯爵家はかなり北の家です。下から数えた方が早いのでアリシア様がお知りにならなくても当たり前かと」
「まあ」
こっそりカタリナが耳打ちしてくれました。成程、私の勉強不足でしたね。もう少し頑張りましょう、だわ。
に、してもよ? 食堂は高位貴族から使うという決まりは無かったはず。辺りをそっと伺うと皆さん微妙な顔つき……このマミーレ・トンヌ伯爵令嬢は厄介者なのかしら? そうなのね。
食堂のおばちゃんも苦々しい顔つきでマミーレさんを見て舌打ちしている。成程、理解したわ。
「カタリナ、寮の規則が書いてある冊子は目を通したわね?」
「勿論です、お嬢様。どこにも食堂は身分別になると書いてはありませんでした」
当たり前だわ、こんな所で身分をひけらかしてどうするのかしら?
「マミーレ様は一年生ではないようですが、ご存じなかったのかしら? もしかして今までもこのような感じでお過ごしになられたの? もしかして冊子を読むのが困難で……?」
「なっ……っ! ほ、本くらい読めるわよっバカにしてっ」
頭に血が昇ったのか、マミーレ様は手を振り上げる。暴力はいけないわ、あんなの食らったら倒れてしまう!
「お嬢様っ」
「カタリナ!」
カタリナは私とマミーレ様の間に立ち塞がった。ごめんなさい!私の代わりにカタリナが叩かれてしまう。
パァン! と乾いた音がして、思いっきり頬を叩かれたカタリナ。私の中でも流石に弾けましたわよ。
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