19 / 78
19 嫌いなものは秘密じゃ無い
しおりを挟む
私、なんか凄い。
「駄目よ、いくらアリーでももっと食べるべきだ」
「そうよ、食は力。食べることで健康を維持することもできるのよ」
「少食すぎると心配だからね」
「全部薄味じゃねーか。食った気する?」
私、どうして王族専用のテラスで皆さんに囲まれて昼食を食べてるのかしら?
「ほら、クレスさん。たくさん食べて。たくさん食べる人がいると釣られて食べちゃいますから」
「わかりました!ブランシェ嬢。たくさん食べるのは得意です!」
何だか見ただけで胸焼けしそうなほど山盛りシチューを勢いよく食べているクレス様。
「私達もいただこうかな?ふむ、中々だね、エヴァン」
「舌を慣れさせることも考慮に入れて、異国風のメニューもありますよ、ファルク様」
優雅に楽しんでいるのはファルク様とエヴァンお兄様。
「ほら、見ているだけではいけませんわ」
「え、あ、はい」
私の隣にはブランシェ様がいて、後ろにはマミーレさんがピシッと背筋を伸ばして立っている。
ブランシェ様が私に食事を勧め、マミーレさんはガチガチの棒立ち。せめてカタリナくらい自然かつ美しく、そして気配を消していてくれれば良いのに、すごく目立つし圧が強い。
「サラダのソースは少し北部の薬草入りを使いました。油分は自然な植物の物だけにして、塩分は控えめ。薄味でも満足感が出るのではなくて?」
「まあ、素晴らしい工夫ですわ、ブランシェ様……美味しいです」
「口に入る物全てが我らの体を作る物。ならば毒を除けばおのずと病は消え失せる。アリーの名言ですわ」
「おほほ……」
え、そんなこと言ったっけ??覚えて無いんだけど。
あまり目立ちたくないのに、この一角は物凄く煌びやかな雰囲気が漂っている。本来なら、王太子殿下とその取り巻き達が一番目立つはすなのに、殿下は覇気がない、あ!でも聖女を連れているわ!
銀色の長い髪が美しい聖女ミオ。だけど、彼女の表情もあまり良くない。きっとエスコートしている殿下が肩を落としているのが悪いんだと思う。何であんなに暗いんでしょう?
「王太子殿下はどうかなさったのですか?何かやけに影を感じますけど、お兄様何かご存知ですか?」
お兄様の方を向くと、少しだけ驚いた顔をしたけれど、にこりと笑った。
「さあ?きっと今朝のメニューに嫌いな物でも出たんじゃないかな?ねぇ、ファルク様?」
あら?何故ファルク様に話を振るのでしょう?
「そうだねぇ、彼は小さな頃からそんな感じだから嫌いなものを好きになるわけがないからねぇ」
「仕方がありませんことよ、大嫌いなんですもの。今更どうしろと」
あらあら?ブランシェ様まで。まあよくわかりませんが好き嫌いは早いうちに治しませんと、後々大変でしょうに。ってもう遅いからあんなふうになっているのね。大変ね。
「アリシアお嬢様に大嫌い宣言されてからああですけどね」
「カタリナ?何か言ったかしら?」
「いいえ。それよりもう少し召し上がってくださいませ、元気になれませんよ」
カタリナの小さすぎる呟きは私には聞こえなかったけれど、きっと私が知らなくて良い話なんだわ。そういうところはきちっとしてるものね、カタリナは。
「駄目よ、いくらアリーでももっと食べるべきだ」
「そうよ、食は力。食べることで健康を維持することもできるのよ」
「少食すぎると心配だからね」
「全部薄味じゃねーか。食った気する?」
私、どうして王族専用のテラスで皆さんに囲まれて昼食を食べてるのかしら?
「ほら、クレスさん。たくさん食べて。たくさん食べる人がいると釣られて食べちゃいますから」
「わかりました!ブランシェ嬢。たくさん食べるのは得意です!」
何だか見ただけで胸焼けしそうなほど山盛りシチューを勢いよく食べているクレス様。
「私達もいただこうかな?ふむ、中々だね、エヴァン」
「舌を慣れさせることも考慮に入れて、異国風のメニューもありますよ、ファルク様」
優雅に楽しんでいるのはファルク様とエヴァンお兄様。
「ほら、見ているだけではいけませんわ」
「え、あ、はい」
私の隣にはブランシェ様がいて、後ろにはマミーレさんがピシッと背筋を伸ばして立っている。
ブランシェ様が私に食事を勧め、マミーレさんはガチガチの棒立ち。せめてカタリナくらい自然かつ美しく、そして気配を消していてくれれば良いのに、すごく目立つし圧が強い。
「サラダのソースは少し北部の薬草入りを使いました。油分は自然な植物の物だけにして、塩分は控えめ。薄味でも満足感が出るのではなくて?」
「まあ、素晴らしい工夫ですわ、ブランシェ様……美味しいです」
「口に入る物全てが我らの体を作る物。ならば毒を除けばおのずと病は消え失せる。アリーの名言ですわ」
「おほほ……」
え、そんなこと言ったっけ??覚えて無いんだけど。
あまり目立ちたくないのに、この一角は物凄く煌びやかな雰囲気が漂っている。本来なら、王太子殿下とその取り巻き達が一番目立つはすなのに、殿下は覇気がない、あ!でも聖女を連れているわ!
銀色の長い髪が美しい聖女ミオ。だけど、彼女の表情もあまり良くない。きっとエスコートしている殿下が肩を落としているのが悪いんだと思う。何であんなに暗いんでしょう?
「王太子殿下はどうかなさったのですか?何かやけに影を感じますけど、お兄様何かご存知ですか?」
お兄様の方を向くと、少しだけ驚いた顔をしたけれど、にこりと笑った。
「さあ?きっと今朝のメニューに嫌いな物でも出たんじゃないかな?ねぇ、ファルク様?」
あら?何故ファルク様に話を振るのでしょう?
「そうだねぇ、彼は小さな頃からそんな感じだから嫌いなものを好きになるわけがないからねぇ」
「仕方がありませんことよ、大嫌いなんですもの。今更どうしろと」
あらあら?ブランシェ様まで。まあよくわかりませんが好き嫌いは早いうちに治しませんと、後々大変でしょうに。ってもう遅いからあんなふうになっているのね。大変ね。
「アリシアお嬢様に大嫌い宣言されてからああですけどね」
「カタリナ?何か言ったかしら?」
「いいえ。それよりもう少し召し上がってくださいませ、元気になれませんよ」
カタリナの小さすぎる呟きは私には聞こえなかったけれど、きっと私が知らなくて良い話なんだわ。そういうところはきちっとしてるものね、カタリナは。
541
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜
白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。
舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。
王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。
「ヒナコのノートを汚したな!」
「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」
小説家になろう様でも投稿しています。
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
【完結済】隣国でひっそりと子育てしている私のことを、執着心むき出しの初恋が追いかけてきます
鳴宮野々花@書籍4作品発売中
恋愛
一夜の過ちだなんて思いたくない。私にとって彼とのあの夜は、人生で唯一の、最良の思い出なのだから。彼のおかげで、この子に会えた────
私、この子と生きていきますっ!!
シアーズ男爵家の末娘ティナレインは、男爵が隣国出身のメイドに手をつけてできた娘だった。ティナレインは隣国の一部の者が持つ魔力(治癒術)を微力ながら持っており、そのため男爵夫人に一層疎まれ、男爵家後継ぎの兄と、世渡り上手で気の強い姉の下で、影薄く過ごしていた。
幼いティナレインは、優しい侯爵家の子息セシルと親しくなっていくが、息子がティナレインに入れ込みすぎていることを嫌う侯爵夫人は、シアーズ男爵夫人に苦言を呈す。侯爵夫人の機嫌を損ねることが怖い義母から強く叱られ、ティナレインはセシルとの接触を禁止されてしまう。
時を経て、貴族学園で再会する二人。忘れられなかったティナへの想いが燃え上がるセシルは猛アタックするが、ティナは自分の想いを封じ込めるように、セシルを避ける。
やがてティナレインは、とある商会の成金経営者と婚約させられることとなり、学園を中退。想い合いながらも会うことすら叶わなくなった二人だが、ある夜偶然の再会を果たす。
それから数ヶ月。結婚を目前に控えたティナレインは、隣国へと逃げる決意をした。自分のお腹に宿っていることに気付いた、大切な我が子を守るために。
けれど、名を偽り可愛い我が子の子育てをしながら懸命に生きていたティナレインと、彼女を諦めきれないセシルは、ある日運命的な再会を果たし────
生まれ育った屋敷で冷遇され続けた挙げ句、最低な成金ジジイと結婚させられそうになったヒロインが、我が子を守るために全てを捨てて新しい人生を切り拓いていこうと奮闘する物語です。
※いつもの完全オリジナルファンタジー世界の物語です。全てがファンタジーです。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
〖完結〗死にかけて前世の記憶が戻りました。側妃? 贅沢出来るなんて最高! と思っていたら、陛下が甘やかしてくるのですが?
藍川みいな
恋愛
私は死んだはずだった。
目を覚ましたら、そこは見知らぬ世界。しかも、国王陛下の側妃になっていた。
前世の記憶が戻る前は、冷遇されていたらしい。そして池に身を投げた。死にかけたことで、私は前世の記憶を思い出した。
前世では借金取りに捕まり、お金を返す為にキャバ嬢をしていた。給料は全部持っていかれ、食べ物にも困り、ガリガリに痩せ細った私は路地裏に捨てられて死んだ。そんな私が、側妃? 冷遇なんて構わない! こんな贅沢が出来るなんて幸せ過ぎるじゃない!
そう思っていたのに、いつの間にか陛下が甘やかして来るのですが?
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
婚約者は冷酷宰相様。地味令嬢の私が政略結婚で嫁いだら、なぜか激甘溺愛が待っていました
春夜夢
恋愛
私はずっと「誰にも注目されない地味令嬢」だった。
名門とはいえ没落しかけの伯爵家の次女。
姉は美貌と才覚に恵まれ、私はただの飾り物のような存在。
――そんな私に突然、王宮から「婚約命令」が下った。
相手は、王の右腕にして恐れられる冷酷宰相・ルシアス=ディエンツ公爵。
40を目前にしながら独身を貫き、感情を一切表に出さない男。
(……なぜ私が?)
けれど、その婚約は国を揺るがす「ある計画」の始まりだった。
大好きだった旦那様に離縁され家を追い出されましたが、騎士団長様に拾われ溺愛されました
Karamimi
恋愛
2年前に両親を亡くしたスカーレットは、1年前幼馴染で3つ年上のデビッドと結婚した。両親が亡くなった時もずっと寄り添ってくれていたデビッドの為に、毎日家事や仕事をこなすスカーレット。
そんな中迎えた結婚1年記念の日。この日はデビッドの為に、沢山のご馳走を作って待っていた。そしていつもの様に帰ってくるデビッド。でもデビッドの隣には、美しい女性の姿が。
「俺は彼女の事を心から愛している。悪いがスカーレット、どうか俺と離縁して欲しい。そして今すぐ、この家から出て行ってくれるか?」
そうスカーレットに言い放ったのだ。何とか考え直して欲しいと訴えたが、全く聞く耳を持たないデビッド。それどころか、スカーレットに数々の暴言を吐き、ついにはスカーレットの荷物と共に、彼女を追い出してしまった。
荷物を持ち、泣きながら街を歩くスカーレットに声をかけて来たのは、この街の騎士団長だ。一旦騎士団長の家に保護してもらったスカーレットは、さっき起こった出来事を騎士団長に話した。
「なんてひどい男だ!とにかく落ち着くまで、ここにいるといい」
行く当てもないスカーレットは結局騎士団長の家にお世話になる事に
※他サイトにも投稿しています
よろしくお願いします
【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!
白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。
辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。
夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆
異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です)
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる