【完結】悪役令嬢はご病弱!溺愛されても断罪後は引き篭もりますわよ?

鏑木 うりこ

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28 秘密の登場人物2

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「あなた、何様のつもりですの?そんなに引き連れて歩いて!」
「……」

 確かに私は今、人を引き連れていると言えばそういう状態かもしれない。侍女であるカタリナは常時ついてきてくれるが、自称護衛騎士のクレス様。そしてお兄様、それからファルク様にブランシェ様。ブランシェ様には侍女の肩とマミーレ嬢もついてるので結構な大人数ですが。

「あっちのお嬢さんの方が引き連れてる人数多いけどねー」
「お黙りになって」

 クレス様の一言で場が静まってしまう。カタリナのツッコミで止められなかったものね。向こうは取り巻き令嬢をいれて10人くらいいるかしら?勝った負けたの話ではないけれど、人数では負けたわね?その事実に気が付き、ナタレイア様はちょっと頬が赤くなりました。あら?可愛らしいわ~!

「そ、そんないい気になっていられるのも今のうちにですわよ!皆さん行きますわよっ」
「は、はい!」

 ナタレイア様はくるりと踵を返すと行ってしまわれた……えっ!待って、待って下さいな、その後ろ姿!

「あ、あの……っ」

 声をかけようとしたけれど、私の前にはお兄様の背中があった。

「なんなんだ、あのご令嬢は」
「ナタレイア・ミステルね……ファルク様ですわよ」

 ブランシェ様がほんの少しだけ語尾に不満を込めると、ファルク様もため息をついた。

「ミステル家からの婚約の打診ははっきり断ったんだけれどね。バランスの為に侯爵家以下の家とでないと婚約しないって」

 ファルク様はチラリとこっちを見たようだけれど、いつの間にか回り込んだお兄様の後ろからではよく分からない。

「間に合ってます」

 え?何がですか??お兄様??そんなことより私は愕然としていた。だってあの去ってゆくナタレイア様の後ろ姿、背景もそっくりのまま……あれは聖女ミオ視点の悪役令嬢アリシアが去って行く後ろ姿そのものだったんだから!私が見間違える訳がない。

「ど、どうしましょう……」

 まさか聖女ミオの役が私に回って来るなんてことがあるのかしら?そんなはずはない、だってミオはきちんといるし彼女の側には王太子殿下もいる。向こうが主人公で間違いない、でも。

「どうした?アリシア嬢。顔色が悪いぞ?変な物でも食った?」

 本来ならミオと共に行動するクレス様。

「アリー?疲れたんだろう。早く休んだほうが良い」

 アリシアとは仲が悪く、ミオのそばにいるはずのエヴァンお兄様。二人も私と共に行動をしている……これは不味いのではないだろうか?

「え?ええ……そう、かもしれません」

 あまりに衝撃的で、自分でなんと受け答えしたのか覚えていなかったけれど、偶然にもゲームのミオと同じセリフを言っていた……そんなのダメよ!私は悪役令嬢、アリシア・フェンルースなんだから!


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