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59 秘密はやめて大々的に
しおりを挟む「ファルク様とブランシェ様のご婚約に私からもお祝いを述べさせていただいて宜しいでしょうか? 」
「おお、聖女ミオではないですか」
「はい、学園ではファルク様……とりわけブランシェ様には良くして頂いて、どうしてもとお願いして出席させていただきました……神官様お願いします」
ミオさんがとても豪華な僧服で現れた。金で縫い取りがある真っ白な僧服はとても厳かでもあり、神の威光を示すのに効果的な服装だった。
そして集まった人々の方にゆっくりと振り返り、笑顔で告げる。
「これから神からの祝福をいただけるよう、お祈りいたします。どうか皆様、神の前に首を垂れていただけますでしょうか」
これだけ高位貴族がいる中で頭を下げろというのは不敬かもしれないけれど、いつもと違うミオさんの力強い声に、ほとんどの人達は静かに頷いた。
少し高くなった壇上にファルク様とブランシェ様が立ち、ご家族は私達と同じ高さの床に降りられる。その二人よりほんの少し低い場所にミオさんが立つ。ミオさんについてきた神官様お二人がそれぞれに真っ白な薔薇を渡して下がってゆく……きっと本来ならこれは神殿で行う格式高い儀式なんだろう。でもミオさんはここでやると言い張ったに違いない。
「神よ」
たった一言祈っただけで、空気が清らかなものになった気がする……ミオさんは本当に聖女だった。
「神よ、この二人の上に幸せと幸運を……正しき行いを、御心に叶う行いをする二人にどうか勝利と栄光を。あとアリシア様が長生き出来ますように」
ん?最後に小さな声で何か言ったかしら?それにしても婚約をする二人に勝利と栄光ってどういうことかしら……いや、正しいのね、この場合は。そしてここにいる人達はみんなそれを望んでいるんだ……勝利と栄光を。
天からぱあっと金色の光が差してきたような幻覚が見えた気がする。そしてひらひらと舞い落ちる白い羽根。なんてきれいな光景なんだろう……あ、これゲームで見たことがあるわ。ゲームで主人公の能力が覚醒してとかそういう時だった気がするけれど、今でいいんだ……そっかあ。
私はこの時ゲームのことを思い出していて気が付いていなかったけれど、私の上にも光が一条差し込んでいて、なんだか私もご利益を授かったらしいと後で聞いてびっくりした。勝利と栄光ってなにかしら!?
「聖女様からの祝福まで受けられるとは私達は絶対に幸せになりますね」
「ありがとう、ミオ。本当に心強いわ」
「私の敬愛するファルク様とブランシェ様の力になれるなら、この上ない幸せです。これからもよろしくお願い致します。神殿はお二人を支持します」
ミオさんがはっきり言い切ると、わああっと大きな拍手が上がった。この国で神殿が持つ権力は小さいものじゃない。それがここで確約したということは本当に、本当にやるってことなんだ。
「大丈夫だよ」
「エヴァン、お兄様……」
私が不安そうな顔をしていたからか、お兄様が抱き寄せてくれた。そうよね、私は一人じゃない。きっと大丈夫だわ。
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