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58 その婚約の秘密は
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我がフェンルース家は政治はあまり関わらない家なのでその程度で済ませましたが、もう一人名前が出た方はそんな弱味につけ込まない訳がない剛腕ルストバーン家のお嬢様なのです。
更に水面下で進めていたことを堂々と大掛かりで発表なさって我が国の貴族界に大嵐を巻き起こしました。
「アリシア、エヴァン様。それにフェンルース家の皆様、今日は私の婚約発表会にようこそおいで下さいました」
「お招きありがとう、ブランシェ嬢。して、本気なのですね」
「……ええ。後程父から説明もありますわ」
華やかににこやかに。本当に豪奢な薔薇の大輪を思わせるブランシェ様の笑顔は美しい。どこから見ても完璧な公爵令嬢が光り輝いて立っている。
「きれいです……ブランシェ様」
「嬉しいわ、アリシア。さらに妖精の加護があればもっと嬉しいのだけれど」
「お任せください!今日は一生懸命歌わせてもらいます。あと妖精達にも今日はいっぱい歌うって教えてあるので、結構遠くからも見に来るみたいです」
「いっぱい……楽しみだわ」
彼等のいういっぱいがどれくらいのことか分からないけれど、きっと今日はいい日になると思う。それにしても……ブランシェ様は流石だわ……。
私達が会場について暫くしてから、今日のメインイベントが始まりました。
「本日お集まりいただき誠にありがとうございます。我が息子ファルクとルストバーン家ブランシェ嬢は本日めでたく婚約と相成りましたことを報告させていただきます」
リッツプール大公の宣誓で、会場は割れんばかりの拍手に包まれ、盛大な楽隊の音楽が奏でられる。少し高くなった壇上でファルク様とブランシェ様が仲睦まじく腕を組んで微笑み合い、リッツプール大公ご夫妻と、ルストバーン公爵ご夫妻、そしてブランシェ様のご兄弟が参加者に笑顔で手を振っている。
「……でも、なんだかほの暗さを感じますね」
「そりゃそうだろう……忘れたのかい、アリー。なぜファルク様が婚約者を選ぶなら爵位の低い人にしようとしていたのかを」
エヴァンお兄様にぴったりくっ付きながら私達は小さな声で話をしています、ええと……確か。
「ファルク様は……王位継承権が高いので、高位の貴族家との婚約は、王位を揺るがすから……あっ」
「そうだよ、彼等は本気で取りに行くつもりなんだ。もう振り回されるのはこりごりなんだ」
も、もしかしてこの婚約は現在の王様を蹴落として自分達が王位につくという……さ、簒奪劇の始まり……!?
「そ、そんな」
「そしてそれに賛同している貴族がこんなにもたくさんいるって事だ。見てごらん、高位貴族がほとんど出席しているだろう?」
それとなく辺りを見ると、お兄様の言う通り議会で発言権が大きい貴族達がほとんど出席している……そういう事なんだ!
「アリー、他人事じゃないからね?我が家も同調しているどころか中心人物だよ?」
「えっ!」
「そこら辺のフォローは私がしておくけれど、アリーも少し勉強が必要だね」
「が、頑張ります……!でも」
「でも?」
「……ファルク様とブランシェ様なら……素敵です!」
きっと素敵な王様と王妃様になれる気がする、ううん、絶対なるわ。
「私も同意だ。だからこそ妖精の加護がある我がフェンルース家は全員でこの場にいるんだ」
「はいっ!」
ファルク様とブランシェ様がいる王宮なら毎週遊びに行っちゃうかも!
更に水面下で進めていたことを堂々と大掛かりで発表なさって我が国の貴族界に大嵐を巻き起こしました。
「アリシア、エヴァン様。それにフェンルース家の皆様、今日は私の婚約発表会にようこそおいで下さいました」
「お招きありがとう、ブランシェ嬢。して、本気なのですね」
「……ええ。後程父から説明もありますわ」
華やかににこやかに。本当に豪奢な薔薇の大輪を思わせるブランシェ様の笑顔は美しい。どこから見ても完璧な公爵令嬢が光り輝いて立っている。
「きれいです……ブランシェ様」
「嬉しいわ、アリシア。さらに妖精の加護があればもっと嬉しいのだけれど」
「お任せください!今日は一生懸命歌わせてもらいます。あと妖精達にも今日はいっぱい歌うって教えてあるので、結構遠くからも見に来るみたいです」
「いっぱい……楽しみだわ」
彼等のいういっぱいがどれくらいのことか分からないけれど、きっと今日はいい日になると思う。それにしても……ブランシェ様は流石だわ……。
私達が会場について暫くしてから、今日のメインイベントが始まりました。
「本日お集まりいただき誠にありがとうございます。我が息子ファルクとルストバーン家ブランシェ嬢は本日めでたく婚約と相成りましたことを報告させていただきます」
リッツプール大公の宣誓で、会場は割れんばかりの拍手に包まれ、盛大な楽隊の音楽が奏でられる。少し高くなった壇上でファルク様とブランシェ様が仲睦まじく腕を組んで微笑み合い、リッツプール大公ご夫妻と、ルストバーン公爵ご夫妻、そしてブランシェ様のご兄弟が参加者に笑顔で手を振っている。
「……でも、なんだかほの暗さを感じますね」
「そりゃそうだろう……忘れたのかい、アリー。なぜファルク様が婚約者を選ぶなら爵位の低い人にしようとしていたのかを」
エヴァンお兄様にぴったりくっ付きながら私達は小さな声で話をしています、ええと……確か。
「ファルク様は……王位継承権が高いので、高位の貴族家との婚約は、王位を揺るがすから……あっ」
「そうだよ、彼等は本気で取りに行くつもりなんだ。もう振り回されるのはこりごりなんだ」
も、もしかしてこの婚約は現在の王様を蹴落として自分達が王位につくという……さ、簒奪劇の始まり……!?
「そ、そんな」
「そしてそれに賛同している貴族がこんなにもたくさんいるって事だ。見てごらん、高位貴族がほとんど出席しているだろう?」
それとなく辺りを見ると、お兄様の言う通り議会で発言権が大きい貴族達がほとんど出席している……そういう事なんだ!
「アリー、他人事じゃないからね?我が家も同調しているどころか中心人物だよ?」
「えっ!」
「そこら辺のフォローは私がしておくけれど、アリーも少し勉強が必要だね」
「が、頑張ります……!でも」
「でも?」
「……ファルク様とブランシェ様なら……素敵です!」
きっと素敵な王様と王妃様になれる気がする、ううん、絶対なるわ。
「私も同意だ。だからこそ妖精の加護がある我がフェンルース家は全員でこの場にいるんだ」
「はいっ!」
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