【完結】悪役令嬢はご病弱!溺愛されても断罪後は引き篭もりますわよ?

鏑木 うりこ

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57 心のうちは秘密にしておいてあげたい

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「この事は厳重に、厳重に注意させていただきます!もう二度とないことをお約束いただきたい!我が娘アリシアはエヴァンと結婚させます、これ以上おかしな噂を流さないでいただきたい!!」
「あ、あの……アダム……」
「名前で呼ぶのも止めていただきますっ!不愉快だ、帰るぞ、エヴァン! 」
「はい、義父上」

 お父様とお兄様が王家へ抗議に出かけて帰って来た。

「ああ~疲れた!王宮はどうしてあんなに疲れるんだろう。何か良くないものでもいるんじゃないのか? 」
「お疲れ様、あなた。本当ですわよねえ、エヴァンもお疲れ様。助かるわ」
「お安い御用ですよ、義父上だけですとなんだか不安ですしね」

 疲れて帰って来たお父様とエヴァンお兄様をお母様と私で出迎える。でも分かるわ、お父様一人だと監禁されて戻ってこれなくなる気がしちゃう……。とにかく我が家の名を語ったものがいること……大方の予想通り王妃様だった……そのことに関して正式に抗議した。そして私と王太子殿下との婚約も結婚も絶対にないと断言し、書面にしてもらい帰って来たところだった。

 王妃様は始終言い訳三昧だったらしい。

「そ、そんな大事にするつもりはなかったの、ただちょっと……喜ばせようと思って……でもそのつい」
「つい、とかちょっとで済ませられることではございません!二度と我が家に関わらないでいただきたいっ」
「で、でもフェンルース家だって王家との繋がりがあった方が」
「必要ないと何度も申し上げている!まだ言いなさるかっ」

 いつもは気弱なお父様だったけれど、エヴァンお兄様と私の将来に関わることには一生懸命戦ってくれた。

「これで1か月くらい寝込もうとも私はやり遂げたぞ」
「ありがとうございます、お父様」

 王太子殿下はショックのあまり暫く部屋から出て来なくなったらしい。

「アリシアから貰ったものだと思っていた手紙も、刺繍も全部違ったなんて……うう……」

 そうやって贈り物のやり取りをしていたと思っていたらしい。ちなみに殿下が私に贈ったと思っていたものは途中で王妃様の手に渡っていたらしい。話を合わせるならそういう事も必要だったでしょうしね。

 年頃の婚約者候補の娘との甘いやり取りが実は母親とのことだったと知った殿下の心中はいかばかりか、察するのはあまりに哀れとは思うけれど、学園での私の態度との差に何か思うことはなかったんだろうか?

「皆の前では恥ずかしくてつい、あんな態度をとってしまっていますが、本当は殿下を心よりお慕い申し上げておりますーー」

 と、手紙に書かれていて納得してしまったとか。いや、おかしいでしょ、普通。

 とにかく本当にもう関わりにならなくて良さそうなので良かった。いくら攻略対象者だってダメなものはダメよね。
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