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虎
30 ほんならお嫁さん
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「リト」
部屋に戻ろうとした俺は、ギアナ様に声をかけられた。
「驚かせたな、すまん」
俺はぶんぶんと首を振った。だってギアナ様はなんにも悪くないもの。
「お前のおかげでカタがついた。ありがとう」
「え?俺??」
俺、なんにもしてませんよ!なんで感謝されちゃうの??
「ミアよりリトの方が可愛かったからな!」
「ぴゃっ?!?!」
「リトと過ごしてミアの幻影を捨てる事が出来た。感謝しかない。ありがとうリト」
えっと、それはどういたしまして、と言うべきなんだろうか?本当に俺はなにもしてないのに……。
「リト、リト、ちゃんと言わな!」
「え?何を……あ!」
そうだ!ちゃんと断らないとダメなんだ。サラやんはこう言う事はちゃんとしないと!と言ってた。
「リト、ワイが言うたろか?」
「いい!自分で言う!」
どうした?と言った顔で、俺の言葉を待っているギアナ様。頭の上の耳がこっちを向いてピクピクしている。
「あの!」
「どうした?リト」
あっ!物凄く良い笑顔で返されてしまった。柔らかくて優しくて、それで少し心配そうな笑顔にキュンっと心臓が締め付けられた気がする。ああっ!だめだぁーー!
「うっ……いえ、何でもないです……」
「そうか?あ、手紙の事をすっかり忘れていた。部屋に持って行くから部屋で待ってろ」
俺は言われた通り、ポテポテと部屋へ足を向けた。
「リトぉー?」
「うっ!ごめん……サラやん……」
「ええか?ワイに謝ってもなんもならん。謝る相手はワイやない。ええな?リト。答える気もないのに、ただ甘えるのは、さっきのあのウサギ女と一緒やで!」
グサリ!大きな杭が刺さった。よろりとよろけながら部屋についてベッドに腰掛けた。
「そう……そうだよね」
「せや。どんな理由があっても1番に選ばれへんのやら、お断りせなあかん。ほんまに大事に思う相手ならなおさらや」
ギアナ様の事は嫌いじゃない。むしろ好きだ。でも結婚とか考えたら、それは……困る。だって俺は可愛い奥さんと子供に囲まれてうちの家族みたいな家庭を築きたい。
「リトがはっきり言わへんと、ギアナも次の相手探されへんのやないか?」
「次の相手……?」
あ、そうか。俺が断ったら、ギアナ様だって次の人を探すんだ。そりゃそうだ。あの優しい大きな手が、海のみたいな穏やかな青い目が他の誰かに向けられるんだ。
「……やだな」
ぽつんと言葉が漏れたのに、俺は気がつかなかった。はぁ……頭の上でサラやんが溜息を大きくついた。
「ほんならお嫁さんになったらええやん。しょうがないやっちゃなぁ」
「えっ?!」
「そないに好きなら結婚したらええやん。結婚ってずっといるっちゅう契約やろ?」
「ちょっと違うけど……」
大体そんなもんだろうか?結婚しないとお断りすれば、確かに一緒には居られない。
友達として、仲間として、友人としてなら居られる?……俺とギアナ様の間柄は、そのどれでもない気もする。
「嫌いやのうて、無視したいわけでもなくて、気になるっちゅうのは好きなんちゃうんの?」
「そ、そうなの?!」
「そうやで!」
「じゃあ好きかも……」
「良かったな!ラブラブや」
「え?あ、うん。ありがとう……?」
いやー!絶対あの無理やりオウジよか、ギアナの方がましや!っておもうとったんや!あー良かった良かった。
なんてしゃべっているサラやんに俺はどこか納得しないけれど、気持ちよくストンと落ち着いた心を不思議に思っていた。
だから部屋の外の見えない所から、愉快そうな押し殺した笑いが漏れていることには気がつかなかった。
後日、ギアナさまにサラやんに感謝したいから、好物は何か聞かれて
「うーん?高い温度で良く燃えるてる炎?」
と、答えておいた。なんでそんな事きくんだろう??
部屋に戻ろうとした俺は、ギアナ様に声をかけられた。
「驚かせたな、すまん」
俺はぶんぶんと首を振った。だってギアナ様はなんにも悪くないもの。
「お前のおかげでカタがついた。ありがとう」
「え?俺??」
俺、なんにもしてませんよ!なんで感謝されちゃうの??
「ミアよりリトの方が可愛かったからな!」
「ぴゃっ?!?!」
「リトと過ごしてミアの幻影を捨てる事が出来た。感謝しかない。ありがとうリト」
えっと、それはどういたしまして、と言うべきなんだろうか?本当に俺はなにもしてないのに……。
「リト、リト、ちゃんと言わな!」
「え?何を……あ!」
そうだ!ちゃんと断らないとダメなんだ。サラやんはこう言う事はちゃんとしないと!と言ってた。
「リト、ワイが言うたろか?」
「いい!自分で言う!」
どうした?と言った顔で、俺の言葉を待っているギアナ様。頭の上の耳がこっちを向いてピクピクしている。
「あの!」
「どうした?リト」
あっ!物凄く良い笑顔で返されてしまった。柔らかくて優しくて、それで少し心配そうな笑顔にキュンっと心臓が締め付けられた気がする。ああっ!だめだぁーー!
「うっ……いえ、何でもないです……」
「そうか?あ、手紙の事をすっかり忘れていた。部屋に持って行くから部屋で待ってろ」
俺は言われた通り、ポテポテと部屋へ足を向けた。
「リトぉー?」
「うっ!ごめん……サラやん……」
「ええか?ワイに謝ってもなんもならん。謝る相手はワイやない。ええな?リト。答える気もないのに、ただ甘えるのは、さっきのあのウサギ女と一緒やで!」
グサリ!大きな杭が刺さった。よろりとよろけながら部屋についてベッドに腰掛けた。
「そう……そうだよね」
「せや。どんな理由があっても1番に選ばれへんのやら、お断りせなあかん。ほんまに大事に思う相手ならなおさらや」
ギアナ様の事は嫌いじゃない。むしろ好きだ。でも結婚とか考えたら、それは……困る。だって俺は可愛い奥さんと子供に囲まれてうちの家族みたいな家庭を築きたい。
「リトがはっきり言わへんと、ギアナも次の相手探されへんのやないか?」
「次の相手……?」
あ、そうか。俺が断ったら、ギアナ様だって次の人を探すんだ。そりゃそうだ。あの優しい大きな手が、海のみたいな穏やかな青い目が他の誰かに向けられるんだ。
「……やだな」
ぽつんと言葉が漏れたのに、俺は気がつかなかった。はぁ……頭の上でサラやんが溜息を大きくついた。
「ほんならお嫁さんになったらええやん。しょうがないやっちゃなぁ」
「えっ?!」
「そないに好きなら結婚したらええやん。結婚ってずっといるっちゅう契約やろ?」
「ちょっと違うけど……」
大体そんなもんだろうか?結婚しないとお断りすれば、確かに一緒には居られない。
友達として、仲間として、友人としてなら居られる?……俺とギアナ様の間柄は、そのどれでもない気もする。
「嫌いやのうて、無視したいわけでもなくて、気になるっちゅうのは好きなんちゃうんの?」
「そ、そうなの?!」
「そうやで!」
「じゃあ好きかも……」
「良かったな!ラブラブや」
「え?あ、うん。ありがとう……?」
いやー!絶対あの無理やりオウジよか、ギアナの方がましや!っておもうとったんや!あー良かった良かった。
なんてしゃべっているサラやんに俺はどこか納得しないけれど、気持ちよくストンと落ち着いた心を不思議に思っていた。
だから部屋の外の見えない所から、愉快そうな押し殺した笑いが漏れていることには気がつかなかった。
後日、ギアナさまにサラやんに感謝したいから、好物は何か聞かれて
「うーん?高い温度で良く燃えるてる炎?」
と、答えておいた。なんでそんな事きくんだろう??
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