【完結】姉から全て奪った妹の私は手のひらを華麗にひっくり返す

鏑木 うりこ

文字の大きさ
2 / 4

2

しおりを挟む
 お姉様の手を引いてほぼ強引に馬車に乗り込んでしまいます。

 良し、まずは状況整理だ。最悪の自体は避けられた筈だし。

 まずここは小説「最高の花束を君に」の中の第1章だ。私がなってしまったベルローズは最低な妹で、理不尽に姉の物を奪うのを生き甲斐にしている頭のおかしい女だ。
 小さな頃は体が弱く、両親に心配をかけ二人の愛を独占していた。それに味をしめてしまった馬鹿ローズは元気になってもやらかしまくっていた。
 ええ、ついさっきまで……馬鹿か!?ベルローズは今年16歳なんだぞ!恥を知れ!恥を!……私だけど。

「お姉様のハンカチ素敵ですわ……私は一枚も持っていませんのに」だの

「私は体が弱くてお友達も満足にできませんのに……ううっ」

 6歳辺りから知恵も回るようになって、噓泣きも覚えた。それに両親はコロッと騙される。

「おお、ベル……可哀想に」

「アマリエ、貴方はお姉ちゃんなんだから、ベルに譲ってあげなさい」

「で、でもこれはジョルジュ様が……」

「お前の婚約者はウェルズ殿下なのだから、他の殿方からいただいたものなど持っているのは」

「……分かりました……」

 おもちゃの指輪だったが、お姉様の手にあったそれはとてもとても美しく輝いてみえた。でも貰って数日で色あせてやっぱりそれはおもちゃだったと気が付いて、興味を失ったわね。たしかどこかの隅に仕舞い込んであったかしら?
 8歳の頃から王子妃教育だと城へ呼び出されるお姉様。私は我が儘放題し始め、お姉様を王家に取られる両親は私を甘やかしたし、お姉様に厳しく接した。
 阿呆かな?そしてベルローズの要求は激しさを増していく。

「ネックスレスを」「ドレスを」「髪飾りを」

 とどめの

「お姉様の婚約者のウェルズ殿下を私にくださいませ?うふふ……殿下も私の方が……あら失礼」

「ベルローズ、何を言っているの?あなたは王子妃教育も受けてはいないでしょう?今から受けるにしてもあれは学ぶべきことが多いのですよ」

「お姉様に出来て私にできないとおっしゃりたいの!?ひ、酷いわ!お姉様は私を虐めて楽しい!?」

「ベルローズ!?何を言っているの??」

 そんな言い争いをしていれば、お父様とお母様が飛んできて

「アマリエ!またベルローズに酷い事を」

「貴方は姉なのよ、そして殿下の婚約者なの。もっと優しくしてあげられないの!?」

 最悪だ……。お姉様がよく今までこの家にいたのか不思議でたまらない。まあでもこれからお姉様もいい方向に進んで行けるはずだ。だからと言って私があの王子と心中なんて絶対嫌だ。

「ねえ、ベル。本気なの?あの、後妻なのよ……あなた死んでも嫌だって言ってたじゃない」

 お姉様、婚約破棄なんてとんでもない目にあったのに、ここまで来ても馬鹿ローズの心配をするの?なんて……なんて出来た姉!ごめんなさい、ごめんなさい。馬鹿ローズは今日で卒業です。これから良き妹になりますわわわわわ!

「本気よ、お姉様あのパプリー頭の王子には付き合えないわ」

 パプリーはピーマンの事よ。中身がほとんど入ってないスッカラカンのエアヘッド。見た目はまあ、王子様だけど、ウェルズ様って何にも考えてないのよね。だからあんな夜会の場でお姉様に婚約破棄を突き付けて、その妹の私を婚約者に据えようとしてたのよ。
 ……そういう風に話を持って行ったのは馬鹿ローズだったけど、ごめんね、ウェルズ王子様! 

「ぱ、パプリー頭って……ベルローズ、流石に不敬よ……でもあなた、ウェルズ様と真実の愛を見つけたのではなかった?」

 お姉様の問いに答える前に我が家についたので馬車から降りることにした。

 お姉様、「真実の愛」でご飯は食べられませんし、生活は出来ませんのよ?



しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【完結】妹のせいで貧乏くじを引いてますが、幸せになります

恋愛
 妹が関わるとロクなことがないアリーシャ。そのため、学校生活も後ろ指をさされる生活。  せめて普通に許嫁と結婚を……と思っていたら、父の失態で祖父より年上の男爵と結婚させられることに。そして、許嫁はふわカワな妹を選ぶ始末。  普通に幸せになりたかっただけなのに、どうしてこんなことに……  唯一の味方は学友のシーナのみ。  アリーシャは幸せをつかめるのか。 ※小説家になろうにも投稿中

緑の輪っかの魔法

荒瀬ヤヒロ
恋愛
ある国に双子の姉妹がおりました。 姉のシエラは王子様の婚約者、妹のサリーはそんな姉にいつだって辛く当たる意地悪な妹です。 十六の誕生日に指輪を贈られ求婚されるのがこの国の習わしです。 王子様が婚約者のシエラに指輪を捧げるその日が、刻一刻と迫っていきーー

自信過剰なワガママ娘には、現実を教えるのが効果的だったようです

麻宮デコ@SS短編
恋愛
伯爵令嬢のアンジェリカには歳の離れた妹のエリカがいる。 母が早くに亡くなったため、その妹は叔父夫婦に預けられたのだが、彼らはエリカを猫可愛がるばかりだったため、彼女は礼儀知らずで世間知らずのワガママ娘に育ってしまった。 「王子妃にだってなれるわよ!」となぜか根拠のない自信まである。 このままでは自分の顔にも泥を塗られるだろうし、妹の未来もどうなるかわからない。 弱り果てていたアンジェリカに、婚約者のルパートは考えがある、と言い出した―― 全3話

婚約破棄の日の夜に

夕景あき
恋愛
公爵令嬢ロージーは卒業パーティの日、金髪碧眼の第一王子に婚約破棄を言い渡された。第一王子の腕には、平民のティアラ嬢が抱かれていた。 ロージーが身に覚えのない罪で、第一王子に糾弾されたその時、守ってくれたのは第二王子だった。 そんな婚約破棄騒動があった日の夜に、どんでん返しが待っていた·····

婚約破棄?から大公様に見初められて~誤解だと今更いっても知りません!~

琴葉悠
恋愛
ストーリャ国の王子エピカ・ストーリャの婚約者ペルラ・ジェンマは彼が大嫌いだった。 自由が欲しい、妃教育はもううんざり、笑顔を取り繕うのも嫌! しかし周囲が婚約破棄を許してくれない中、ペルラは、エピカが見知らぬ女性と一緒に夜会の別室に入るのを見かけた。 「婚約破棄」の文字が浮かび、別室に飛び込み、エピカをただせば言葉を濁す。 ペルラは思いの丈をぶちまけ、夜会から飛び出すとそこで運命の出会いをする──

【完結】こんな所で言う事!?まぁいいですけどね。私はあなたに気持ちはありませんもの。

まりぃべる
恋愛
私はアイリーン=トゥブァルクと申します。お父様は辺境伯爵を賜っておりますわ。 私には、14歳の時に決められた、婚約者がおりますの。 お相手は、ガブリエル=ドミニク伯爵令息。彼も同じ歳ですわ。 けれど、彼に言われましたの。 「泥臭いお前とはこれ以上一緒に居たくない。婚約破棄だ!俺は、伯爵令息だぞ!ソニア男爵令嬢と結婚する!」 そうですか。男に二言はありませんね? 読んでいただけたら嬉しいです。

婚約破棄でよろしいんですの?

かぜかおる
恋愛
婚約者のエリックが懇意にしているご令嬢が突撃してまいりましたの そして婚約破棄を求めて来ましたわ わたくしはそれでもよろしいのだけど、本当にあなた達はそれでよろしいの? 4話完結、完結まで毎日更新です。

婚約破棄された私は、世間体が悪くなるからと家を追い出されました。そんな私を救ってくれたのは、隣国の王子様で、しかも初対面ではないようです。

冬吹せいら
恋愛
キャロ・ブリジットは、婚約者のライアン・オーゼフに、突如婚約を破棄された。 本来キャロの味方となって抗議するはずの父、カーセルは、婚約破棄をされた傷物令嬢に価値はないと冷たく言い放ち、キャロを家から追い出してしまう。 ありえないほど酷い仕打ちに、心を痛めていたキャロ。 隣国を訪れたところ、ひょんなことから、王子と顔を合わせることに。 「あの時のお礼を、今するべきだと。そう考えています」 どうやらキャロは、過去に王子を助けたことがあるらしく……?

処理中です...