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ユリウス様ったら
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*ユリウス壊れてます*
「お嬢様、アルブラン卿がお見えですが、どうなさいますか?」
家令のセバスが告げに来た。
「ユリウス様が?」
「はい、先触れもございませんでしたので、お嬢様のご都合を伺いに参りました」
「そうね。何か急用なのかしら? 会うわ。サロンにお通しするわ。お茶の用意をして」
「かしこまりました」
ユリウス様、どうしたのかしら? 何か急用なのかしら?
「ヴィオ、先触れもなく押しかけてすまない。これを」
凄い! 薔薇の花束だ。
「ありがとうございます」
なんでこんなに沢山の花束を私にくれるんだろう? 今日は何かの記念日でもないし。ユリウス様はいつもお花やらお菓子やら雑貨やら色んなプレゼントをくれるけれどこんなに大量の薔薇の花束は初めてだ。
「ヴィオ、昨日は君の気持ちも考えずに、無神経な事を言って君を傷つけてしまった。本当に申し訳ない」
昨日? あっ! そうか。私は昨日ユリウス様に失礼な態度をとったことなどすっかり忘れていた。
「とんでもございません。私の方こそ失礼な態度をとってしまい、あのあとお詫びに伺ったのですが、皆様お留守でお会いできずに戻りましたの」
ユリウス様は驚いた顔をしている。
「うちに来てくれたのか?」
「はい。私の方こそ調子に乗って不敬な態度をとってしまいました。申し訳ございません」
「いや、ヴィオは悪くない。ヴィオが望むなら結婚を先に伸ばしてもいいと思っている。王立学校に行きたければそれもいい。やりたいことがあるなら応援する。
ヴィオの望みはなんでも叶える。だから私と結婚してほしい。
私はヴィオじゃないとダメなんだ。ヴィオに嫌われたら生きていけない。
頼む。この通りだ。ヴィオがいいと言うまで何年でも待つ。だから私と結婚してほしい」
ユリウス様、どうしたの? 頭なんが下げないでよ。
私がちょっと我儘言っただけでこの人はこんなになるのか。
なんでだろ? お義母さまに叱られたのかな?
私は色々思い巡らせていたら、ユリウス様は急に立ち上がった。そして床に座り手をついた。
「ヴィオ、頼む。愛してるんだ。私から離れないでくれ」
ちょっと待ってよ! 土下座はやめて!!
「ユリウス様、頭を上げてください」
「いや、ヴィオが許してくれるまではやめない」
「許します。結婚します。だから椅子に座ってください」
この人は時期公爵だよ。しかも筆頭公爵。今は騎士団の副団長で第1王子の側近。魔力もある。見目麗しく、権力もお金もあって、女性も選び放題でしょ?
なのに、なんでたいして取り柄もない。ただの伯爵家の小娘相手に土下座してるの?
本当に私のことが好きで、嫌われたくないの? 信じていいのかな?
「ヴィオ、信じてほしい。私はヴィオの為なら何でもする」
なんでこんなに捨て身になれるの。
「どうしてここまでされるのですか? 私からは婚約を解消する事などできません」
「嫌われたくないんだ。権力でヴィオを縛るなんて嫌なんだ。私を好きになってほしい。ヴィオが結婚したいと望んでもらいたい」
「では、私が望まなければ結婚はやめるのですか?」
「いや、望んでくれるように頑張る。どうしても無理なら自害する。ヴィオに嫌われて生きている意味がない」
は~っ。いつもクリス様が言っている意味が少しわかったような気がする。
ユリウス様はかなり重い。それにかなり拗らせている。
私がすんなり結婚しないと、拉致監禁とかあるかもしれないな。
すんなり結婚してもここまで執着されていると監禁まではいかないとしても軟禁くらいはあるかもしれない。
軟禁か~。うん、悪くないかもね。
私は社交も得意じゃないし、お義母さまやクリス様や、お母さまと一緒なら出かけさせてもらえるよね。
やっぱりユリウス様と結婚するのがベストよね。
だって、私は自信がなくて結婚するのが不安だっただけ。
ここまで執着されているのなら、ほかの人に心移りする事も、捨てられることはないだろう。
「わかりました。予定通りユリウス様と結婚します。ただふたつだけ私の我儘を聞いてくれますか」
「聞くよ。何でも聞く」
「ひとつめは結婚しても、今まで通り、クリス様やお義母さま、お母さま、お友達や家族が一緒ならお茶会やお買い物に行かせてください」
「もちろんだ。ただ私以外の男はダメだ」
「お父さまやリカルドもですが?」
「家族は仕方ない。でも出来るだけ私も一緒が望ましいし、私に言ってからにしてほしい」
「わかりましたわ」
ユリウス様、かなり狭量だな。でも、それだけ自信がないってこしかしら?
「ふたつ目は、私以外の人を好きにならないで下さい。浮気や不倫は嫌です。他に好きな人ができたり、私が嫌になった時は離縁して下さいませ」
「当たり前だ。他の女など好きになるわけがない。私は死んでもヴィオを離さない。来世もその次も未来永劫私はヴィオだけを愛すると誓う」
喜ぶべきよね。これは喜ぶしかないわよね。まぁ、温度差はかなりあるけど、私はユリウス様の事が好きだし、ここまで執着してくれているならもう迷うことはない。
愛なのか? 執着なのか? まぁ、私にはそんなことはたいした問題じゃない。
「ありがとうございます。私もユリウス様が好きです。ユリウス様に嫌われないように頑張りますわ」
「頑張ることなんか何もない。ヴィオはそのままでいい。私こそヴィオに嫌われないように頑張る。私の態度が嫌な時はいつでも言ってほしい。すぐに直す」
ユリウス様は私を抱きしめた。
「ユリウス様、痛いです」
「ごめん。嬉しくて力が入ってしまった」
この人は不思議な人だ。私の前とその他の人の前では別人になるようだ。
私しかないと言うのなら、信じてみよう。
「ユリウス様、大好きです」
私がそう言うと、抱きしめた腕にまた力が入った。
「痛いです、ユリウス様。肋骨折れてしまいますわ」
カルシウムを沢山摂って、骨を強くしないといけないな。
「お嬢様、アルブラン卿がお見えですが、どうなさいますか?」
家令のセバスが告げに来た。
「ユリウス様が?」
「はい、先触れもございませんでしたので、お嬢様のご都合を伺いに参りました」
「そうね。何か急用なのかしら? 会うわ。サロンにお通しするわ。お茶の用意をして」
「かしこまりました」
ユリウス様、どうしたのかしら? 何か急用なのかしら?
「ヴィオ、先触れもなく押しかけてすまない。これを」
凄い! 薔薇の花束だ。
「ありがとうございます」
なんでこんなに沢山の花束を私にくれるんだろう? 今日は何かの記念日でもないし。ユリウス様はいつもお花やらお菓子やら雑貨やら色んなプレゼントをくれるけれどこんなに大量の薔薇の花束は初めてだ。
「ヴィオ、昨日は君の気持ちも考えずに、無神経な事を言って君を傷つけてしまった。本当に申し訳ない」
昨日? あっ! そうか。私は昨日ユリウス様に失礼な態度をとったことなどすっかり忘れていた。
「とんでもございません。私の方こそ失礼な態度をとってしまい、あのあとお詫びに伺ったのですが、皆様お留守でお会いできずに戻りましたの」
ユリウス様は驚いた顔をしている。
「うちに来てくれたのか?」
「はい。私の方こそ調子に乗って不敬な態度をとってしまいました。申し訳ございません」
「いや、ヴィオは悪くない。ヴィオが望むなら結婚を先に伸ばしてもいいと思っている。王立学校に行きたければそれもいい。やりたいことがあるなら応援する。
ヴィオの望みはなんでも叶える。だから私と結婚してほしい。
私はヴィオじゃないとダメなんだ。ヴィオに嫌われたら生きていけない。
頼む。この通りだ。ヴィオがいいと言うまで何年でも待つ。だから私と結婚してほしい」
ユリウス様、どうしたの? 頭なんが下げないでよ。
私がちょっと我儘言っただけでこの人はこんなになるのか。
なんでだろ? お義母さまに叱られたのかな?
私は色々思い巡らせていたら、ユリウス様は急に立ち上がった。そして床に座り手をついた。
「ヴィオ、頼む。愛してるんだ。私から離れないでくれ」
ちょっと待ってよ! 土下座はやめて!!
「ユリウス様、頭を上げてください」
「いや、ヴィオが許してくれるまではやめない」
「許します。結婚します。だから椅子に座ってください」
この人は時期公爵だよ。しかも筆頭公爵。今は騎士団の副団長で第1王子の側近。魔力もある。見目麗しく、権力もお金もあって、女性も選び放題でしょ?
なのに、なんでたいして取り柄もない。ただの伯爵家の小娘相手に土下座してるの?
本当に私のことが好きで、嫌われたくないの? 信じていいのかな?
「ヴィオ、信じてほしい。私はヴィオの為なら何でもする」
なんでこんなに捨て身になれるの。
「どうしてここまでされるのですか? 私からは婚約を解消する事などできません」
「嫌われたくないんだ。権力でヴィオを縛るなんて嫌なんだ。私を好きになってほしい。ヴィオが結婚したいと望んでもらいたい」
「では、私が望まなければ結婚はやめるのですか?」
「いや、望んでくれるように頑張る。どうしても無理なら自害する。ヴィオに嫌われて生きている意味がない」
は~っ。いつもクリス様が言っている意味が少しわかったような気がする。
ユリウス様はかなり重い。それにかなり拗らせている。
私がすんなり結婚しないと、拉致監禁とかあるかもしれないな。
すんなり結婚してもここまで執着されていると監禁まではいかないとしても軟禁くらいはあるかもしれない。
軟禁か~。うん、悪くないかもね。
私は社交も得意じゃないし、お義母さまやクリス様や、お母さまと一緒なら出かけさせてもらえるよね。
やっぱりユリウス様と結婚するのがベストよね。
だって、私は自信がなくて結婚するのが不安だっただけ。
ここまで執着されているのなら、ほかの人に心移りする事も、捨てられることはないだろう。
「わかりました。予定通りユリウス様と結婚します。ただふたつだけ私の我儘を聞いてくれますか」
「聞くよ。何でも聞く」
「ひとつめは結婚しても、今まで通り、クリス様やお義母さま、お母さま、お友達や家族が一緒ならお茶会やお買い物に行かせてください」
「もちろんだ。ただ私以外の男はダメだ」
「お父さまやリカルドもですが?」
「家族は仕方ない。でも出来るだけ私も一緒が望ましいし、私に言ってからにしてほしい」
「わかりましたわ」
ユリウス様、かなり狭量だな。でも、それだけ自信がないってこしかしら?
「ふたつ目は、私以外の人を好きにならないで下さい。浮気や不倫は嫌です。他に好きな人ができたり、私が嫌になった時は離縁して下さいませ」
「当たり前だ。他の女など好きになるわけがない。私は死んでもヴィオを離さない。来世もその次も未来永劫私はヴィオだけを愛すると誓う」
喜ぶべきよね。これは喜ぶしかないわよね。まぁ、温度差はかなりあるけど、私はユリウス様の事が好きだし、ここまで執着してくれているならもう迷うことはない。
愛なのか? 執着なのか? まぁ、私にはそんなことはたいした問題じゃない。
「ありがとうございます。私もユリウス様が好きです。ユリウス様に嫌われないように頑張りますわ」
「頑張ることなんか何もない。ヴィオはそのままでいい。私こそヴィオに嫌われないように頑張る。私の態度が嫌な時はいつでも言ってほしい。すぐに直す」
ユリウス様は私を抱きしめた。
「ユリウス様、痛いです」
「ごめん。嬉しくて力が入ってしまった」
この人は不思議な人だ。私の前とその他の人の前では別人になるようだ。
私しかないと言うのなら、信じてみよう。
「ユリウス様、大好きです」
私がそう言うと、抱きしめた腕にまた力が入った。
「痛いです、ユリウス様。肋骨折れてしまいますわ」
カルシウムを沢山摂って、骨を強くしないといけないな。
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