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リリアーナ嬢見参
しおりを挟む「ヴィオ、今日は山の方に行ってみないか? 高原に湖があるんだ」
「お姉さま、あの湖はとっても素敵なの。
私も一緒に行きたいけど、今日は先生が来るから行けないわ~」
ルー様が湖に行こうと誘うが、ライザは勉強があるので行けないようだ。
私とリカルドはルー様やフィルと一緒に行くことになった。
今日はフィルの婚約者のリリアーナ様も一緒に行くらしい。
「お初にお目にかかります。リリアーナ・ジェニナックと申します」
リリアーナ様は美しいカーテシーをした。
「ヴィオレッタ・メトロファンです。よろしくお願いします」
私もにこやかに挨拶をした。
リリアーナ様とフィルは婚約者なんだけど、微妙な感じだった。
「リリアーナ嬢はフィルと一緒の馬車に乗られたらどうかな?」
ルー様がフィルが乗っている馬車にリリアーナ嬢を誘導した。
「私はヴィオレッタ様と同じ馬車に乗りたいですわ。ヴィオレッタ様とお話したいです」
あらあら、婚約者と一緒じゃなくてもいいのか?
「フィル、こう言っているけど、いいのか?」
「私に依存はございません」
「ヴィオは?」
「私もリリアーナ様とお話したいですわ」
別に私は話は特にないけど、話したいと言っているし、何か聞かなきゃならないのかな?
「では、私とヴィオとリリアーナ嬢が同じ馬車でいいかな」
ルー様? ルー様は違うでしょう。
「ルーファス殿下は殿方チームですわ」
リリアーナは扇子でフィルが乗る馬車を指す。
「わかりましたよ。姫たちは内緒話があるようだ」
はいはいと言いながらルー様はフィルとリカルドの乗る馬車に乗った。
馬車の中は初めて会ったばかりの私達ふたりだけになった。
目的地までは1時間くらいあるらしい。
「ヴィオレッタ様、勝手にふたりで乗ることにしてしまってすみません。ルーファス殿下と一緒がよろしかったですか?」
ん? ルー様と一緒?
「私はルー様と一緒じゃなくても大丈夫ですよ。リリアーナ様は私に何かお話があるのですか?」
リリアーナ様は俯いてもじもじしている。
「ヴィオレッタ様はルーファス殿下のことがお好きなのでしょうか?」
好き?
「私には婚約者がおりますわ」
「私にもおります」
「フィルですね」
「ええ、フィリップ殿下ですわ」
リリアーナ様は哀しそうに目を伏せた。
「フィリップ殿下とは政略結婚です。愛はありませんわ。良い方ですが、私達には恋愛感情はないのです。ヴィオレッタ様もそうでしょう?」
う~ん。
「ルーファス殿下は女性を隣に置かない方でした。それがヴィオレッタ様をずっとエスコートしていらっしゃいます。きっとヴィオレッタ様のことが好きなのですわ」
そんなこと言われても……。
「私は子供の頃からずっとルーファス殿下が好きなんです。親同士が勝手にフィリップ殿下と婚約させたけど、私は今でもルーファス殿下が好きなんです。お願い! ルーファス殿下を取らないで」
私の膝に手を置き涙を流している。
取らないわよ。取るわけないじゃない。でも、リリアーナ様はフィルの婚約者なんだし、取るも取らないもないよね。
「私は婚約者のユリウス様ともうすぐ結婚するんです。ルー様とはただの従兄弟ですわ。しかし、リリアーナ様、どうなさるのですか? フィルと婚約を解消して、ルー様と結婚するの?」
「それができればどれほどいいか」
なんだかえらい話になってきたなぁ~。
フィルもルー様も御存知なのかしら?
いやぁ~、リリアーナ様、私にどうしろとおっしゃるの?
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