婚約破棄からの復讐~私を捨てたことを後悔してください

satomi

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1.婚約破棄~ここから始まった

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 私は自分なりに懸命にやってきたつもりです。―――報われなかったのですか?
「残念だよ、フィオナ=バークレイ公爵令嬢。今日で貴殿との婚約を破棄させてもらう!」

 そのように宣うのは、この国アールディクス王国の第2王子のルード様。
 自身が側妃様の御子で、後ろ盾が必要だからと婚約の話があったと思ったのですが、どういう事でしょうか?側妃様が野心家で(側妃様のご実家かな?)ルード様が国王になる事を切望してらしたのに、諦めた?…訳はないですよね?どういうことでしょう?
「私はこのスザンナ嬢とこの先を生きようと思う」

 どうぞ、ご勝手に。スザンナ嬢…。確か数年前まで市井で暮らしていた方ですか?魅力と言えば、市井で培った(?)天真爛漫で皆様ともすぐに仲良くなるところでしょうか?
 言い換えると、『お転婆・奔放の八方美人で誰にでもよい顔をする』なんですけどね。多くの殿方は彼女の良い方しか見ていないので、信じ切っているのでしょう。
 もう、一部の女性の間ではスザンナ嬢について結構なウワサを耳にすることがあるのですが、殿下は『そんなものは』と信じていないのでしょうね。―――ウワサ、スザンナ嬢は尻軽女だという事なのですが…。

 私はルード殿下と婚約破棄をすることにはなんとも思っていないのです。敢えて言うのでしたら、殿下の方の有責となるのですから、慰謝料を請求いたします。
 それにしても、なんとも思っていないと言えども、このような各国の重鎮までくるような大規模の夜会で宣言をするような事なのでしょうか?
 スザンナ嬢のウワサが真実ならば王家の顔に泥を塗るような行為。私には恐ろしくてそのような事は出来ません。



「へぇ、フィオナ嬢がフリーなのか…。それなら俺と婚約してくれませんか?」
 はい⁈えーっとこの方は、隣国キョウディッシュ王国の王太子殿下でいらっしゃいますね。王子妃教育でたくさん勉強をしました。それは感謝しますけど、それにしてもいきなりすぎます!
「ずっとフィオナ嬢には目をつけてたんだけど、アールディクス王国のルード王子と婚約したって聞いてたからさぁ。こんなだけど、ショックだったんだぜ?まぁ、枕を涙で濡らすようなことはなかったけどな」
 結構前から?目を付けていた?
「フィオナ嬢は優秀だし?見目もいいし?理想的だろう?そんなわけで目を付けてたんだけど、まさかの婚約だもんなぁ。でも、ルード王子が婚約破棄を堂々とこの場で宣言をしたわけだし?俺が掻っ攫っても問題はないよな?」
 私の気持ちという問題は?えーっとキョウディッシュ王国はアールディクス王国の上得意先の取引相手。しかもキョウディッシュ王国の方が国力が上。国土も広い。このくらいの知識ですけど、まぁ、なにもかもアールディクス王国は敵わない。

「フィ…フィオナはどう思ってるんだよ?」
「そうですねぇ。ルード殿下に婚約破棄をされた時点で私はキズモノです。そんな私との婚約を望んでくださるのですから。非常に有難い話ですよね?」
「おお、私との婚約を有難いと言ってくれるのか!さぁ、キョウディッシュ王国にともに参ろうではないか!」

 どんな気分ですか?ルード殿下?
 自分よりも権力も財力もあり、イケメン、筋力もあるような方に私が取られるのは?
 私なんてどうでもいいですか?
 どうぞ、私という後ろ盾を失った王宮で、スザンナ嬢とお幸せに。

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