【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!

satomi

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第7話 赤川は古狸②

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「CEOとあの小娘はどんな関係なんだ?」
「CEOを下の名前で読んでいたぞ?」
「名前を呼びながら抱き着こうとしてたのを俺は見た!……CEOは躱してたけど」

 ざわざわといろんな話が飛び交う。
「RRカンパニーのお嬢様ですか。14時に会食の予定なので今しばらくお待ちください」
「リコは大雄さんと一緒にいたい」
「ビジネスですので、子どものワガママのようなことは仰らないでいただきたい。私たちはランチを食べに行くところですので、これで失礼します」
「リコも一緒に行く~」
 ったく、ガキのお守りは嫌なんだよ。誰のせいで社食を食えなくなったと思ってるんだ?白虎商事の社食は美味いと口コミで評判なんだが、こいつのせいで調理場が……。明日にいきなり調理場が通常営業という事はないだろうから、1週間くらい外食だろうか?営業の人間なら美味くて、安い店を数多く知ってそうだから、聞いてみよう。と俺は思う。

 会社を出てしばらく経った。無言が辛かったのか?
「大雄さん、不機嫌なの?」
 誰のせいだと思ってるんだ?
「ユキって女の人といる時はそんな顔をしないもん」
「俺の姐だからな」
 この言葉は小娘には衝撃的だったようだ。
「あ~、俺は朝早いから朝食に姐の手料理食えないし、昼は社食。夜はまぁ、姐の手料理とか食ってるけどなぁ。社食も結構楽しみにしてるんだが、どうしてこんなことになったものだか…」
 本当は知ってるけど、何も知らないフリをして言ってみた。
「まぁ、姐さんってば愛妻弁当を作ったりもしないのですか?」
 姐にそんな時間はないんだよ。何を聞いてたんだ?都合のいいようにトリミングしやがって!
 前の晩に俺に抱き潰されて、起床時間は8時くらいか?俺の出勤時間は8時半だから、起きて30分で弁当を……。なんて無茶は流石の俺も言えないな。無茶させてるのが俺だからな。
「問題ない。俺は夜の姐の手料理も楽しみにしてるしな」
「そういうものなのですか…」

 大体、他人の赤川の小娘が俺と姐の事をとやかく言うことがオカシイ。

「もうすぐ、私が営業の方に聞いた安くて美味い料理の店です!」
「なんで、あなたが一緒に来るのよ?」
 俺からすると、『なんで赤川の小娘がついてきてるんだ?』なんだが?
「彼は俺の秘書だ」
「ふーん」
「ここはAセットが美味いらしいです」
「大雄さぁん、AセットとBセットを別々に頼んで、少しづつシェアしましょ?」
「新橋、俺はAセット。赤川のお嬢さんはBセットらしい」
「私もAセットです」
 俺達は食券を買って、座席についた。

「私はこういうとこで食べるの初めて!なんかドキドキするー」
 勝手にドキドキしてろ。昼飯は早食いでなんぼだ。
「お待たせしました。こちらAセットお二つにBセットになります」
「ふーん、普通ね」
 俺と新橋は無視して食べ始めた。ガツガツと。
「大雄さん、シェアしま…」
 そう言った時には既に俺は9割方食べ終わっていた。大体シェアすることに了承はしていない。

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