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第64話 男装・大海再び
しおりを挟む前回同様、大海のジャケットの内側にはマイクが仕込まれている。そして、耳についているピアスに見えるものからは骨伝導で大海にのみ音が聞こえるようになっている。こちらからの指示。そして、大海からの返事など出来るようにした。大雄さんがまだまだ過保護です。いい加減子離れしたほうがいいと思うんだけど?
ただ…大海も年取ったなぁ。若旦那って感じだったけど、今はイケオジって感じになったような。ちょっと貫禄が…。
「作戦開始!」
大海はちょっと楽しそう。
大海は慣れた様子で店に入って行く。
「この店のNo1.の子と飲みたいなぁ。と慣れた手つきで金を渡す」
「ダンナ。うちの店のNo1.はこんなに安くないんですぜ?」
「そうだと思ったよ?だって、装飾品とかいいもん使ってるもんな、そうだろ?」
「ご案内します。ダンナくらい男前でしたらうちのNo1.も喜ぶ事でしょう」
「そうかぁ?嬉しいことを言ってくれるじゃあないかぁ」
そう言いながら大海は受付の男に金を握らせる。
「大海。また金をばらまき過ぎだろう?」
「へぇ、No1.は個室ってわけ?」
「やはり、二人きりでお楽しみいただきたいので、では失礼いたします」
「お待たせしました。No1.のミクです」
「この店で一番高い酒をくれよ。いい女にはいい酒だよな?」
「あんたわかってるね。うーん、イイ男。ねえそのお膝に座ってもいいかしら?」
「いいぜ?」
「あー、No.1としては初対面の男が簡単に自分に靡くか検査だな」
「こちらこの店で一番の酒になります」
「もう、こんな時間かよ。俺はこれでも会社経営してんだよね。真面目に出社しなきゃなんねーから。せっかく出会ったアンタともこれで……」
「やだよ、折角だもの。お持ち帰りしておくれ。それにしても、あんたは肌がきれいだねぇ」
「その肌を見せてやるよ。俺といいとこ行こうぜ?」
「真面目に出社しなきゃなんじゃなかったのかい?」
「気が変わったよ。ミクに出会ったからかなぁ?」
「大海。よくやった!さあ、店を出てタクシー拾ったら俺が指示するラブホに来い!」
「お待たせ。それじゃあ行きましょ。私がいつも使ってるラブホでいいかしら?」
「俺が知ってるとこじゃ不満か?」
「そんなことはないけどぉ」
連れてきたNo1.のホステスさんは混乱している。
「えーっとアナタをちょっと検査しま~す。猿轡もしてもらうわね」
「血液検査するわ。腕を出して。大人しくしてね。暴れたりしたら針がどこに刺さるかわからないわよ?」
スゴイコワイ。
「大海は相変わらず男装が上手いわね」
「姐はそういうかもしれないけど、金使い過ぎ!」
「大輝に対する態度と違うなぁ。私だって頑張ったのにさぁ」
こんな感じで残りの2人も白虎に連れてきた。
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