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第3話
しおりを挟むピノナノ様からの支援のお話は正直に有難い。
義姉様は学園に入学することが決まってからというもの、私の部屋からいい文房具(書き具合がいい万年筆など)を持って行ってしまったので、私が所有しているのは幼い子が文字を練習するためのような万年筆。それにもう少しでなくなりそうなインク。でしたので、支援していただくのは本当に助かる。
学生として、死活問題だったから本当に助かる!
「現金じゃなくて物での支援になっちゃうけど……」
「助かります!」
私は全力でピノナノ様の両手をつかんで全力で感謝をした。
「おいおい、俺の婚約者に許可なく触れているのは誰だ?」
1つ年上で昨年より学園に入学している王太子殿下じゃありませんか!
「すいません!えーと、トピア=ランスルー子爵家の次女でちゅ」
噛んだ……。痛いし、第1印象これになる。
「ルーベルン=ワッセストだ。まあ、事情はピノナノに後で聞くからいいとして、俺は騎士科だ。ピノナノと親しくするなら今後も顔を合わせるだろうな。よろしくな」
そう言って、風のように殿下は去って行った。
「彼が私の婚約者よ」
存じております。貴族ならばピノナノ様が次期王太子妃なのは常識です。いくら我が家が貧乏子爵家でも知っています!
麗しのピノナノ様と金髪碧眼で騎士科の王子様!お似合いです。
その日の夕刻、寮での夕飯を食べ終えると寮母さんに呼ばれた。何事かと思って寮母さんの元へ行くと、私宛の荷物が結構な量来ているとのこと。
私と寮母さんは二人で私の部屋まで往復し、何とか運び終えた。途中義姉様が「手伝いましょうか?」などと言ってきましたが、荷物を自分の部屋に持ち込みかねないので断りました。
寮母さんは私と義姉様の事を知らないので不思議そうな顔をしていましたが、せっかくのピノナノ様からの支援まで奪われてはたまったものではありません!
なんとか運び終えて、私の部屋に戻るとそこには義姉様がいました。
「頑張って運んだみたいだけど、この万年筆なんかいいものじゃない?私がもらってあげるわよ。他にも何点かもらってあげてもいいものがあるんだけど。今回はまぁこのくらいでいいわ」
「これらはピノナノ=グラッド様から頂いたものです。返してください!」
「何を言っているの?もらってあげているのよ?感謝してもらってもいいのよ?」
話が通じない……。
そのことを含めてピノナノ様に相談をしました。
「まぁ!そんなことが?厚顔無恥にほどがあるわね。貴女の義姉様ってフラリア様の取り巻きをしてるんじゃなかったかしら?」
「私から何かを盗ることに喜びを感じているんじゃないですか?」
「歪んでいるわね……。それはそれとして、貴女にはグラッド家から護衛を派遣するわ。本当なら私が何とかしたいんだけど、私は王城暮らしだから……」
「ピノナノ様が自身を責める必要はありません!護衛の派遣有難いです。あの分だと、昨日は万年筆を盗られたんですけど、今日、明日と、次々と盗っていくでしょうから」
「こう言ってはなんですけど寄生虫みたいですわ」
「私は宿主ですか?嫌なものがついたものです……」
二人でため息をついてしまった。
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