37 / 72
36.突然の告白(2)
しおりを挟む
ふ、とアルフォンスは少しだけ眉を寄せつつも、なんとか笑みを作る。次に放たれた言葉は、エレインにとって本当に予想外のものだった。
「どうやら、わたしはあなたのことが好きなようなのだ」
「……えっ?」
「だから、嫌でも気にかけてしまう。それは、あなたに何と言われても、だ。エレイン、キスをしても良いだろうか?」
「あ……」
すっかりエレインは混乱をして、言葉を返せない。彼は自分の夫で、自分は彼の妻なのだから、まあ仕方がないとも思う反面、彼が自分を好きだと言う情報が入って来たら、それは間違いがないノイズのように彼女の思考を揺さぶって答えが出なくなる。
が、アルフォンスは彼女の答えを待たず、覆いかぶさって口づけた。そう長くもなく、深くもない。軽く唇をついばむような優しいキス。しかし、唇を離した彼の表情は、なんともせつない、少しばかり困っているような顔だった。
「あなたが妻だからキスをしたのではない。わたしが、あなたを好きだから……」
「わたしが、あなたを、どう思っていても構わない……ということですか……?」
震える声でエレインが尋ねた。彼は「すまないな」と苦々しく肩を竦める。
「確かにそういうことになってしまうか。そこまでは考えていなかった。ううん……」
そう言うと、アルフォンスは頭を抱えて「そうではなくて……」と呻いた。
「ただ、わたしはあなたのことを好きなので、公務は大切ではあるが、あなたのことも同じほど大切なのだと伝えたかっただけなんだ。わたしは、あなたがこの王城でないがしろにされることは許せない。だが、どうしても今はあなたに我慢を強いてしまう。それは事実だ」
エレインはそれに返事をしない。ただ、彼の言葉を待つだけだ。アルフォンスはもう一度ごろりと床に横になって「だが」と続けた。
「そして、我慢をするあなたは、それを誰にも漏らさない。自分の中ですべて処理をしようとしてしまう。何故ならば、あなたはそういう人だからだ」
「……そう、ですね」
それの何が悪いのだろうか。何がおかしいのだろうか。エレインは一瞬そう思ったが「違う」と気付く。なんとなくではあるが、アルフォンスが言っていることがわかったからだ。そして、彼は答え合わせをする。
「戦争は大義名分だ。攻める側にも守る側にも、それがある。犠牲者は数えきれないが、それに心を痛めていては、その大義名分を果たすことも出来ない。そして、終わった後にその犠牲者の分だけ憎しみが続く。あなたはそれをわかっていたからこそ、付き人の一人も連れずにこの国に来た」
「はい」
「だが、どうだ。身内に何も犠牲者がおらず、民衆への気遣いもなくエリーストになじられ、そして、生き残って、何も肩書きに変化もなく平和な生活に戻った騎士たちに疎まれ、王城の奥で幽閉されていた王太后にも冷たく接され、臣下たちにも一歩離れた目で見られている。それを、あなたは正しいと思っているのか」
正しいのか、と言われれば、答えに詰まる。ただ「どうしようもないのだ」「仕方がないことなのだ」と言うしかない。しかし、その言葉は「正しくない」と彼は思っているのだろう。
「戦争を終わらせたのは、あなただ。あなたの国に送られたバーニャは、ある意味では厄介払いだったがある意味ではそれは彼女にとって幸せなことだった。だが、あなたは違う」
「え……?」
「あなたはあなたの祖国で頼りにされて来たはずだ。あなたのおかげで、たくさんの兵士が生き延びることが出来たのだろうとも思う。勿論、それは逆を言えばこちらの兵士は殺されたということになるが、それは置いて。あなたは、休戦条約に従って一人でこの国に来た。だからこそ、休戦が出来た。これ以上の死者も増やさずに済んだ。どうして、そのことを誰も称えないのか。憎しみとは他の何物をも凌駕してしまうのだろうか」
そう言って、アルフォンスは横を向いた。まっすぐな彼の視線は、彼を見つめていたエレインの視線と絡む。
「あなたが戦を終わらせたのだ。なのに、何故そのあなたが、まるで戦の元凶かのように扱われなければいけないのか。わたしは、それを許せないんだ」
しん、と鎮まる鍛錬所。彼の声音には怒りがにじみ出ていた。ああ、本当に彼は公平な人なのだ。国の王である以上、自国の繁栄を第一に考えなければいけないけれど、それを前提としても、彼は公平だ。
そして、彼の怒りがただの感情的なものではないことを知り、エレインはじんわりと胸の奥が熱くなっていくのを感じ取っていた。この人は、自分のことをそんな風に見てくれていたのだ。そう思えば、ぐっと湧き上がって来る熱い塊を体の内側に感じる。
「ありがとうございます……」
「礼を言われることではない。何もわたしは出来ていないのだし。こうやって、剣を交えることぐらいしか出来やしない……」
そう言うと、彼は床の上でエレインの手を握った。ぎゅっと大きな手がエレインの手を包む。なんだか、それは彼に守られているようではないか。何も出来やしないと言っているが、こんなにも彼は自分のことを考えてくれているのだ……そう思ったら、突然エレインの瞳に涙が浮かび上がった。そうか。体の奥に出来た熱い塊は、涙の素だったのか。静かにそう思いながら、エレインは涙をぬぐわず、ただただ泣いた。
「エレイン……?」
「ありがとうございます。あなたが、そう言ってくださって……それだけで、わたしは十分です」
「十分ではない。足りない、ともっとねだってくれて構わない話だ」
「いいえ。いいえ、十分です。思えば、あなたは最初からわたしに優しかった。そして、今も優しい。十分です」
つ、と涙が床に落ちていく。それを見たアルフォンスは、目を見開いて体を彼女に近づけた。「ああ」と声をあげて、エレインは顔を背ける。手を握られているせいで背を向けることは出来ない。
「何故泣いているんだ?」
「何故でしょうか。わたしにも、よくわかりません。多分……あなたが、わたしのことをたくさん考えてくださっていたことに……いいえ、気づいていなかったわけではないのです。あなたはずっとわたしのことを考えていてくれた。ただ、わたしが思うよりもずっと、ずっと考えていてくださったのだと思ったら……」
涙が止まらないのだ。そこまでは言葉に出来なかった。アルフォンスはもう片方の手で、彼女の頭を撫でた。髪を一つにまとめているので、その毛流れに沿って何度も何度も頭を撫でる。エレインは、瞳を閉じてそれを静かに受け入れた。
大きな手。誰かの手で頭を撫でられたことなぞ、幼い頃にしかなかったことだ。大人になった今、こうやって撫でられるとそれがどれほど安心をもたらすのかと気付く。
(いや、そうではない)
安心をもたらしているのは、アルフォンスだからだ。他の誰でも良いわけではない。エレインは、涙が溢れる瞳で彼を見た。彼はまっすぐに彼女を見て「大丈夫か」と尋ねたが、その姿が滲んでよく見えない。だが、彼の声音が優しいことだけはわかる。
「もう少し……このままで……」
恥ずかしい我がままだ。それに、彼は自分を好きだと言ったが、自分は彼をどう思っているのかを口にはしていない。だというのに、こんな願いをするなんて自分は卑怯者ではないかとすら思う。
しかし、彼は「ああ」とだけ言って、何度も何度も彼女の頭を撫でた。その手があまりに優しくて、彼女はもう一度大粒の涙を流した。
「どうやら、わたしはあなたのことが好きなようなのだ」
「……えっ?」
「だから、嫌でも気にかけてしまう。それは、あなたに何と言われても、だ。エレイン、キスをしても良いだろうか?」
「あ……」
すっかりエレインは混乱をして、言葉を返せない。彼は自分の夫で、自分は彼の妻なのだから、まあ仕方がないとも思う反面、彼が自分を好きだと言う情報が入って来たら、それは間違いがないノイズのように彼女の思考を揺さぶって答えが出なくなる。
が、アルフォンスは彼女の答えを待たず、覆いかぶさって口づけた。そう長くもなく、深くもない。軽く唇をついばむような優しいキス。しかし、唇を離した彼の表情は、なんともせつない、少しばかり困っているような顔だった。
「あなたが妻だからキスをしたのではない。わたしが、あなたを好きだから……」
「わたしが、あなたを、どう思っていても構わない……ということですか……?」
震える声でエレインが尋ねた。彼は「すまないな」と苦々しく肩を竦める。
「確かにそういうことになってしまうか。そこまでは考えていなかった。ううん……」
そう言うと、アルフォンスは頭を抱えて「そうではなくて……」と呻いた。
「ただ、わたしはあなたのことを好きなので、公務は大切ではあるが、あなたのことも同じほど大切なのだと伝えたかっただけなんだ。わたしは、あなたがこの王城でないがしろにされることは許せない。だが、どうしても今はあなたに我慢を強いてしまう。それは事実だ」
エレインはそれに返事をしない。ただ、彼の言葉を待つだけだ。アルフォンスはもう一度ごろりと床に横になって「だが」と続けた。
「そして、我慢をするあなたは、それを誰にも漏らさない。自分の中ですべて処理をしようとしてしまう。何故ならば、あなたはそういう人だからだ」
「……そう、ですね」
それの何が悪いのだろうか。何がおかしいのだろうか。エレインは一瞬そう思ったが「違う」と気付く。なんとなくではあるが、アルフォンスが言っていることがわかったからだ。そして、彼は答え合わせをする。
「戦争は大義名分だ。攻める側にも守る側にも、それがある。犠牲者は数えきれないが、それに心を痛めていては、その大義名分を果たすことも出来ない。そして、終わった後にその犠牲者の分だけ憎しみが続く。あなたはそれをわかっていたからこそ、付き人の一人も連れずにこの国に来た」
「はい」
「だが、どうだ。身内に何も犠牲者がおらず、民衆への気遣いもなくエリーストになじられ、そして、生き残って、何も肩書きに変化もなく平和な生活に戻った騎士たちに疎まれ、王城の奥で幽閉されていた王太后にも冷たく接され、臣下たちにも一歩離れた目で見られている。それを、あなたは正しいと思っているのか」
正しいのか、と言われれば、答えに詰まる。ただ「どうしようもないのだ」「仕方がないことなのだ」と言うしかない。しかし、その言葉は「正しくない」と彼は思っているのだろう。
「戦争を終わらせたのは、あなただ。あなたの国に送られたバーニャは、ある意味では厄介払いだったがある意味ではそれは彼女にとって幸せなことだった。だが、あなたは違う」
「え……?」
「あなたはあなたの祖国で頼りにされて来たはずだ。あなたのおかげで、たくさんの兵士が生き延びることが出来たのだろうとも思う。勿論、それは逆を言えばこちらの兵士は殺されたということになるが、それは置いて。あなたは、休戦条約に従って一人でこの国に来た。だからこそ、休戦が出来た。これ以上の死者も増やさずに済んだ。どうして、そのことを誰も称えないのか。憎しみとは他の何物をも凌駕してしまうのだろうか」
そう言って、アルフォンスは横を向いた。まっすぐな彼の視線は、彼を見つめていたエレインの視線と絡む。
「あなたが戦を終わらせたのだ。なのに、何故そのあなたが、まるで戦の元凶かのように扱われなければいけないのか。わたしは、それを許せないんだ」
しん、と鎮まる鍛錬所。彼の声音には怒りがにじみ出ていた。ああ、本当に彼は公平な人なのだ。国の王である以上、自国の繁栄を第一に考えなければいけないけれど、それを前提としても、彼は公平だ。
そして、彼の怒りがただの感情的なものではないことを知り、エレインはじんわりと胸の奥が熱くなっていくのを感じ取っていた。この人は、自分のことをそんな風に見てくれていたのだ。そう思えば、ぐっと湧き上がって来る熱い塊を体の内側に感じる。
「ありがとうございます……」
「礼を言われることではない。何もわたしは出来ていないのだし。こうやって、剣を交えることぐらいしか出来やしない……」
そう言うと、彼は床の上でエレインの手を握った。ぎゅっと大きな手がエレインの手を包む。なんだか、それは彼に守られているようではないか。何も出来やしないと言っているが、こんなにも彼は自分のことを考えてくれているのだ……そう思ったら、突然エレインの瞳に涙が浮かび上がった。そうか。体の奥に出来た熱い塊は、涙の素だったのか。静かにそう思いながら、エレインは涙をぬぐわず、ただただ泣いた。
「エレイン……?」
「ありがとうございます。あなたが、そう言ってくださって……それだけで、わたしは十分です」
「十分ではない。足りない、ともっとねだってくれて構わない話だ」
「いいえ。いいえ、十分です。思えば、あなたは最初からわたしに優しかった。そして、今も優しい。十分です」
つ、と涙が床に落ちていく。それを見たアルフォンスは、目を見開いて体を彼女に近づけた。「ああ」と声をあげて、エレインは顔を背ける。手を握られているせいで背を向けることは出来ない。
「何故泣いているんだ?」
「何故でしょうか。わたしにも、よくわかりません。多分……あなたが、わたしのことをたくさん考えてくださっていたことに……いいえ、気づいていなかったわけではないのです。あなたはずっとわたしのことを考えていてくれた。ただ、わたしが思うよりもずっと、ずっと考えていてくださったのだと思ったら……」
涙が止まらないのだ。そこまでは言葉に出来なかった。アルフォンスはもう片方の手で、彼女の頭を撫でた。髪を一つにまとめているので、その毛流れに沿って何度も何度も頭を撫でる。エレインは、瞳を閉じてそれを静かに受け入れた。
大きな手。誰かの手で頭を撫でられたことなぞ、幼い頃にしかなかったことだ。大人になった今、こうやって撫でられるとそれがどれほど安心をもたらすのかと気付く。
(いや、そうではない)
安心をもたらしているのは、アルフォンスだからだ。他の誰でも良いわけではない。エレインは、涙が溢れる瞳で彼を見た。彼はまっすぐに彼女を見て「大丈夫か」と尋ねたが、その姿が滲んでよく見えない。だが、彼の声音が優しいことだけはわかる。
「もう少し……このままで……」
恥ずかしい我がままだ。それに、彼は自分を好きだと言ったが、自分は彼をどう思っているのかを口にはしていない。だというのに、こんな願いをするなんて自分は卑怯者ではないかとすら思う。
しかし、彼は「ああ」とだけ言って、何度も何度も彼女の頭を撫でた。その手があまりに優しくて、彼女はもう一度大粒の涙を流した。
16
あなたにおすすめの小説
贖罪の花嫁はいつわりの婚姻に溺れる
マチバリ
恋愛
貴族令嬢エステルは姉の婚約者を誘惑したという冤罪で修道院に行くことになっていたが、突然ある男の花嫁になり子供を産めと命令されてしまう。夫となる男は稀有な魔力と尊い血統を持ちながらも辺境の屋敷で孤独に暮らす魔法使いアンデリック。
数奇な運命で結婚する事になった二人が呪いをとくように幸せになる物語。
書籍化作業にあたり本編を非公開にしました。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
【短編】淫紋を付けられたただのモブです~なぜか魔王に溺愛されて~
双真満月
恋愛
不憫なメイドと、彼女を溺愛する魔王の話(短編)。
なんちゃってファンタジー、タイトルに反してシリアスです。
※小説家になろうでも掲載中。
※一万文字ちょっとの短編、メイド視点と魔王視点両方あり。
異世界シンママ ~モブ顔シングルマザーと銀獅子将軍~【完結】
多摩ゆら
恋愛
「神様お星様。モブ顔アラサーバツイチ子持ちにドッキリイベントは望んでません!」
シングルマザーのケイは、娘のココと共にオケアノスという国に異世界転移してしまう。助けてくれたのは、銀獅子将軍と呼ばれるヴォルク侯爵。
異世界での仕事と子育てに奔走するシンママ介護士と、激渋イケオジ将軍との間に恋愛は成立するのか!?
・同じ世界観の新作「未婚のギャル母は堅物眼鏡を翻弄する」連載中!
・表紙イラストは蒼獅郎様、タイトルロゴは猫埜かきあげ様に制作していただきました。画像・文章ともAI学習禁止。
・ファンタジー世界ですが不思議要素はありません。
・※マークの話には性描写を含みます。苦手な方は読み飛ばしていただいても本筋に影響はありません。
・エブリスタにて恋愛ファンタジートレンドランキング1位獲得
【完結】男装令嬢、深い事情により夜だけ王弟殿下の恋人を演じさせられる
千堂みくま
恋愛
ある事情のため男として生きる伯爵令嬢ルルシェ。彼女の望みはただ一つ、父親の跡を継いで領主となること――だが何故か王弟であるイグニス王子に気に入られ、彼の側近として長いあいだ仕えてきた。
女嫌いの王子はなかなか結婚してくれず、彼の結婚を機に領地へ帰りたいルルシェはやきもきしている。しかし、ある日とうとう些細なことが切っ掛けとなり、イグニスに女だとバレてしまった。
王子は性別の秘密を守る代わりに「俺の女嫌いが治るように協力しろ」と持ちかけてきて、夜だけ彼の恋人を演じる事になったのだが……。
○ニブい男装令嬢と不器用な王子が恋をする物語。○Rシーンには※印あり。
[男装令嬢は伯爵家を継ぎたい!]の改稿版です。
ムーンライトでも公開中。
【R18】熱い夜の相手は王太子!? ~婚約者だと告げられましたが、記憶がございません~
世界のボボブラ汁(エロル)
恋愛
激しい夜を過ごしたあと、私は気づいてしまった。
──え……この方、誰?
相手は王太子で、しかも私の婚約者だという。
けれど私は、自分の名前すら思い出せない。
訳も分からず散った純潔、家族や自分の姿への違和感──混乱する私に追い打ちをかけるように、親友(?)が告げた。
「あなた、わたくしのお兄様と恋人同士だったのよ」
……え、私、恋人がいたのに王太子とベッドを共に!?
しかも王太子も恋人も、社交界を騒がすモテ男子。
もしかして、そのせいで私は命を狙われている?
公爵令嬢ベアトリス(?)が記憶を取り戻した先に待つのは── 愛か、陰謀か、それとも破滅か。
全米がハラハラする宮廷恋愛ストーリー……になっていてほしいですね!
※本作品はR18表現があります、ご注意ください。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
下賜されまして ~戦場の餓鬼と呼ばれた軍人との甘い日々~
星森
恋愛
王宮から突然嫁がされた18歳の少女・ソフィアは、冷たい風の吹く屋敷へと降り立つ。迎えたのは、無愛想で人嫌いな騎士爵グラッド・エルグレイム。金貨の袋を渡され「好きにしろ」と言われた彼女は、侍女も使用人もいない屋敷で孤独な生活を始める。
王宮での優雅な日々とは一転、自分の髪を切り、服を整え、料理を学びながら、ソフィアは少しずつ「夫人」としての自立を模索していく。だが、辻馬車での盗難事件や料理の失敗、そして過労による倒れ込みなど、試練は次々と彼女を襲う。
そんな中、無口なグラッドの態度にも少しずつ変化が現れ始める。謝罪とも言えない金貨の袋、静かな気遣い、そして彼女の倒れた姿に見せた焦り。距離のあった二人の間に、わずかな波紋が広がっていく。
これは、王宮の寵姫から孤独な夫人へと変わる少女が、自らの手で居場所を築いていく物語。冷たい屋敷に灯る、静かな希望の光。
⚠️本作はAIとの共同製作です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる