この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜

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39. 『みんなの“好き”が、ちょっとこまる』

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朝、目が覚めたときから──なんか、嫌な予感がしてた。

ミミルをぎゅって抱えて、窓の外を見てみる。
空はすごく晴れてて、風もやさしい。
でも……なんとなく、胸がそわそわしてる。

 

「ルカ、お迎えはママが行くわね」
「ちょっと待て。今日こそは、わしが──」
「何か言った? ガルド?」

「……い、いや、なんでもない……」

 

パパとママが朝から“お迎え担当”で揉めていた。
なんか、昨日も同じこと言ってた気がする……。

 



 

園に行くと、さらにおかしなことが起きていた。

 

「ルカ、今日はオレが帰り一緒に歩くんだよな?」
「いや、先約はボクだよ!」
「ん、ルカには送迎に騎士をつけたって昨日決めた」
「……あの、それなら風の翼でお送りしましょうか?」

 

カインくん、ノアくん、レオンくん、ユリウスくん、セシリオくん。
みんなが、ぼくの“お迎え”のことで言い合いになってる……。

 

「み、ミミル……どうしよう……」

ミミルはぼくの腕の中でふるふる震えてた。
うん、ぼくもおんなじ気持ちだよ。

 



 

「みんな、けんかしないで!」
「ぼく、誰のお迎えも、だいじに思ってるから!」

ぼくがそう言っても、みんなは黙り込んだまま。

でも、その目には、それぞれの“好き”があふれていて、
見ているだけで胸がきゅうってなる。

 

──みんな、優しくて、でも欲張りなんだね。

そして、ぼくも──
誰の気持ちも、雑にしたくなくて、困ってしまう。

 



 

夕方、最終的にお迎えは“ジャンケン大会”で決まった。

優勝したのは……ユリウスくん。

でも、勝った後すぐに言ったんだ。

 

「……明日は、別の誰かに譲るよ。
 ルカが、困ってたから」

 

それがすごく、かっこよく見えて、
ぼくはユリウスくんの手をぎゅっと握ってしまった。

「ありがとう。ユリウスくん、だいすき」

その瞬間、周囲の空気が「ドクン」と震えた気がした。
──え?いま何か……魔力の波動、感じたけど……?

 



 

夜、ミミルを抱えて空を見上げながら、そっとつぶやいた。

「みんなの“好き”が、まっすぐで、
 まっすぐすぎて、ぼく、ちょっとだけこまっちゃうよ……」

でも。
それでもやっぱり、うれしいのもほんとだった。

 

魔法日めくりカレンダーには、こう書かれていた。

『いっぱい好きって言われること。
それは、ちょっとだけ寂しかった昨日の自分への、ごほうび。』

 

──明日も、きっと大丈夫。
ミミルと一緒に、笑っていられる気がした。

 
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