ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?

灯璃

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大学生 編

3人の先輩

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 午前中いっぱいを図書館で過ごし、午後、アニ研に顔を出すと、もう三人の先輩は部室にいた。
 昨日は結局、ミスコンに行ってもどってこなかったのに。

根津ねづ先輩、八木やぎ先輩、馬渕まぶち先輩、今日は来てたんですね」

 三人は、入ってきたオレを見るなり、ズラッと近寄ってきた。オレの皮肉は全く効かない。

「おお、宇佐木氏。君もミス大学に選ばれた猫宮ねこみやさんを見るべきでしたぞ」
「そうだそうだ。あのかわいらしさは、やはりトップに立つべきもの、アイドルの素質大有りでしたぞ!」
「投票した我々も、鼻が高い」

 大中小と、先輩たちはきれいに身長が違う。
 根津先輩がオレと同じくらい、八木先輩はオレたちより少し高く、馬渕先輩は狼谷と部長の間くらいの身長だ。
 草食獣人の間にも、格差があると思うと悲しくなるよ全く。

 ただ、黒ブチ眼鏡に、チェック柄シャツ、ジーパンというオタクファッションって、本当に同じような雰囲気になるよな。
 みんなだいたい毛色が、茶色~黒の間という良く見る色だから、というのもあるんだろうけど、あのイケメンの有馬部長だって、もっさりして見えるんだから、普通のベータが着ると違いがあんまりわからなくなる。
 まあ、オレは着る気しないんだけど……。

「はあ」

 オレは、先輩たちの熱弁するミス大学になった女の子を知らない。
 見た事はあるかもしれないけど、認識した事はない。
 ああ、でも狼谷なら知ってるかもな。あいつ顔広いし。
 ふと、そう思った時に、アニ研の扉が開いた。

「ちーっす。お、先輩たち勢ぞろいじゃないっスか。今日は早いんスね」

 狼谷も、わからないくらいの皮肉を口にしたが、先輩たちには全く効かない。
 三人は狼谷の前に移動し、先ほど同じように熱弁をしていた。
 狼谷は全く興味なさそうな顔で聞いている。

「そういえば、狼谷はその、ミス大学になった……猫宮さんだっけ、知ってる?」

 何気なく聞くと、狼谷は首を傾げた。
 三人の先輩たちは、答えに興味津々のようだった。

 しばらく考え込んでいるようだったが、やがて。

「いや、オレに告ってきた中に、その名前無かったと思うから、知らねーっスね」

 そして音になった言葉は、この部室の中にいる四人を凍り付かせるには、十分な威力をもっていた。

「え、っと」

 オレが言葉を出せないまま、三人の先輩を見ると、先輩たちは思ったよりはダメージを受けていないようだった。

「いやいや、これはつまり、猫宮さんは清純派だというのが確定したという事ではないですかな」
「そ、そうですな。不純異性交遊をしていない、つまり、その辺の女子やオメガとは違うという事、ですよな」
「それよりも吾輩、狼谷氏に若干引いておる……」
「それはオレもですね……」

 四者四様に狼谷を見る。見られた狼谷は、良くわかっていないように首を傾げた。
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