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第8部 残念姫の顛末
第369話 神竜の誘い
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一方そのころ。
フィオリナ、ミュラン、リア、ロウ、ヨウィスにリヨンという飲みの席は、あまり盛り上がってもいなかった。
おそらく、リヨンなんて説明しなければわからないキャラだし。
では、説明しよう。
リヨンは、「燭乱天使」というランゴバルドの銀級パーティの一員である。
当時はハルト王子といったルトくんと、その弟、現国王エルマートとの後継者争において、エルマートの助太刀をするために、呼ばれた、色々と後ろ暗いところのあるパーティだ。
中でもリヨンは体に描かれた紋章から力を引き出して、戦うという割とユニークなジョブを持っている。
通常、刺青の形で、魔力や体力、防御力の向上を行うのだが、リヨンの「それ」は描かれたものなので、用途によって切り替えが可能というなかなかの優れもの、であった。
さて、話が逸れたが、彼女たちの酒の席は、とにかく、あまり盛り上がっていない。
何だか、女子会っぽい感じの集まりで、全員、美形揃いではあるのだが、場所があんまりオシャレでも品のいい酒場でもない。
ロウの威圧がなければ、多分、よくない輩も寄ってきたであろう。
さらに、女子会っぽいのに、美形ではあるもののオトコが一人まざっている。
そのオトコは、隣の席のミュラと早く、二人っきりになりたいのだが、そのたの者たちはそうはさせじ、とガッチリとガードを固めている。
フィオリナとしては、とにかく早くミュラと二人きりになりたいのだ。
だが、これは、フィオリナをミュラと二人きりにさせないための集まりである。
ことがここまで、拗れた以上ももう、フィオリナがミュラを何をしようが、どうでもよかったのだが、これ以上、フィオリナの好きにさせてたまるか、が全員の共通認識だった。
フィオリナはもちろん不機嫌になるが、全員知らん顔だった。
で、ミュラ自身はどうかと言えば。
当のミュラも二人きりになっていいのか、微妙な気持ちでいる。だって、今のフィオリナにはP——がついているのだ。P——付きのフィオリナに興味がないかといえば、もちろんそんなことはないのだが、そのP——は、現在、不全の状態にあるのだ。ここまで追加要素が、色々重なってしまうと、積極的に二人きりになりたいとは断言できないミュラである。
(まるっきり伏せ字になっていない。)
ロウは、こちらにちょっかいをかけてこようとした、チンピラを睨んで失禁させてから、にっこりと笑った。
あまりにも盛り上がらないので、何か年長者の自分が話題でも提供しなければ、と思ったのだ。
「ところで、結婚式のことなんだけど。」
一番、差し迫っていて、誰もが気に病んでいた話題だった。
グラスを取り落とすもの、料理を噴き出すもの、聞こえないふりをしてオーダーするもの。
誰一人まともに聞こうとしないなか、意外にも冷静に、対応したのはミュラだった。
「ルトの勇足ってことで、延期にしてはどうでしょうか。」
ミュラにしても、いい加減にしてくれ、の気持ちはある。彼女は今や、グランダの中枢、ギルドのグランドマスターであると同時に、財務卿からも頻繁に相談を受ける立場なのだ。
ミトラに来ることに同意したのも、鉄道公社からも申し出があった西域共通紙幣の、グランダへの導入。その資料集めに来たのが主眼である。
そりゃあ、フィオリナとは再会すれば、なにかあるかもとは思ったさ。思ったけどそれは、必要なことが全部終わって、余裕があれば、の話だ。
新婚の嫁さんに、手を出すほどミュラは野暮ではない。
ところが、フィオリナは男になってるわ、ルトはぶっ倒れてるわ、女性恐怖症になっているわ、よかったことといえば、どうもクローディア陛下が、叙爵するオールべ伯爵に「西域中央銀行」の頭取の座がついてくることがわかったくらいだった。
フィオリナは、爪を咬みながら断罪、断罪と呟いていた。
はあ、とため息をついてミュラは、続けた。
「ルトは、まだしばらく療養が必要です。
フィオリナもこんなですし。」
まったく、浮気をするのに男に性別をかえて、もとに戻れなくなったなど、
ドタバタのエロコメデイくらいでしか見れない設定である。
「もし、式次第が決まってしまって、いまさら取り消しがきかない、というのであれば、婚約式にするというのはいかがでしょう。
たしか、ルトとフィオリナは、ちゃんとした婚約披露もしてないはずです。」
「これはどうする?」
ロウは、爪を噛みながら「断罪断罪」とつぶやき続けるフィオリナの型に手を乗せた。
「男になっても美形だが、これを女装させるのか? 背も高いし、結構、筋肉質だぞ?」
「ルトを女装させよう!」
と、ヨウィスが目を輝かせてさけんだ。
「まあ、絵的にはそれがいちばんしっくりくるね。」
と、ロウがつぶやいた。
「まともな人間の出席者のほうが少ないんだから…ルトの父親と弟は、またルトが酔狂なことやってる、ですませそうだし。
ルトの体調は?」
「まあ、黙って座ってるくらいは。」
「黙って座ってるのがやっとのルトを、引きずり出すのは気が引ける。」
姉御肌の真祖は、顔をしかめた。
「素直に延期でいいだろう。婚約解消は、ゆっくり検討すればいい。」
「メアさまがおっしゃるには」
と、リアは手を挙げて言った。
「いや、ザザリが言うには、ルト自身もそうすることに反対はしないと。」
「なら、決まりだな。」
フィオリナがなにか言おうとしたので、ロウは肩に置いた手に力を込めた。
「なんか言いたいことある?」
「でも、その!」
フィオリナが叫んだ。
「なんかちゃんとした理由が欲しい。表面上でいいから。」
「驚いた。」
と、リアが言った。
「ザザリがいうには、ルトもまったく同じことを言ってたそうです。
式の中止はしかたない。でもちゃんとした理由が欲しいって。」
「ちゃんとした理由?」
ロウは首を傾げた。
「花嫁が浮気相手と逃亡。罪の意識が災いしたか使えなくなってたのを、ルトのせいにして、殺しかけた以上の理由が。」
「それはヤダっ!」
ワガママな、貴公子はいやいやをした。
それだけ見れば母性本能をくすぐられるものかもしれないが、列席者全員の目をいっそう冷たいものにしただけだった。
「なら、わたしたちの言う、いま、おまえたちが結婚すると星が読めなくなるのを言い訳にしとけ!」
「そんなオカルトもヤダ!
なんかないの?
もっと、こう」
一同がうんざりし始めた時、バンっと音をたてて、酒場のトビラが開かれた。
「神竜騎士団」の刺繍のはいったロングジャケットのすそをなびかせて。
アモンは、じろっと一同を一瞥した。
「フィオリナはわたしと来い。残りのものは大聖堂に急げ。」
「え、だってわたしは」
「リウに合わせてやる。」
みるみるフィオリナの頬が上気するのを、ミュラは不快な思いで見守った。
自分との行為が、なにかの代用品ではないか、との疑惑は以前からないでは無かったのだ。
なるほど、リウを相手にして、男性としての悦びを覚えたのなら、浮気の相手にするのはやっぱり女性だろう。
「残りのものは、大聖堂へ。」
アモンは命令口調で言った。
「大聖堂って!
式はまだ先でしょ?」
「大聖堂が、蜘蛛の魔物の大群に襲われている。ドロシーが向かったが数が多い。」
「ギムリウスは?
蜘蛛には蜘蛛でしょう?」
「ギムリウトスとは連絡がつかない。」
アモンはむずかしい顔をした。
「蜘蛛共は転移で次々に送り込まれている様子だ。
こちらも数がいる。大聖堂ごと吹き飛ばすなら簡単なのだが。」
フィオリナ、ミュラン、リア、ロウ、ヨウィスにリヨンという飲みの席は、あまり盛り上がってもいなかった。
おそらく、リヨンなんて説明しなければわからないキャラだし。
では、説明しよう。
リヨンは、「燭乱天使」というランゴバルドの銀級パーティの一員である。
当時はハルト王子といったルトくんと、その弟、現国王エルマートとの後継者争において、エルマートの助太刀をするために、呼ばれた、色々と後ろ暗いところのあるパーティだ。
中でもリヨンは体に描かれた紋章から力を引き出して、戦うという割とユニークなジョブを持っている。
通常、刺青の形で、魔力や体力、防御力の向上を行うのだが、リヨンの「それ」は描かれたものなので、用途によって切り替えが可能というなかなかの優れもの、であった。
さて、話が逸れたが、彼女たちの酒の席は、とにかく、あまり盛り上がっていない。
何だか、女子会っぽい感じの集まりで、全員、美形揃いではあるのだが、場所があんまりオシャレでも品のいい酒場でもない。
ロウの威圧がなければ、多分、よくない輩も寄ってきたであろう。
さらに、女子会っぽいのに、美形ではあるもののオトコが一人まざっている。
そのオトコは、隣の席のミュラと早く、二人っきりになりたいのだが、そのたの者たちはそうはさせじ、とガッチリとガードを固めている。
フィオリナとしては、とにかく早くミュラと二人きりになりたいのだ。
だが、これは、フィオリナをミュラと二人きりにさせないための集まりである。
ことがここまで、拗れた以上ももう、フィオリナがミュラを何をしようが、どうでもよかったのだが、これ以上、フィオリナの好きにさせてたまるか、が全員の共通認識だった。
フィオリナはもちろん不機嫌になるが、全員知らん顔だった。
で、ミュラ自身はどうかと言えば。
当のミュラも二人きりになっていいのか、微妙な気持ちでいる。だって、今のフィオリナにはP——がついているのだ。P——付きのフィオリナに興味がないかといえば、もちろんそんなことはないのだが、そのP——は、現在、不全の状態にあるのだ。ここまで追加要素が、色々重なってしまうと、積極的に二人きりになりたいとは断言できないミュラである。
(まるっきり伏せ字になっていない。)
ロウは、こちらにちょっかいをかけてこようとした、チンピラを睨んで失禁させてから、にっこりと笑った。
あまりにも盛り上がらないので、何か年長者の自分が話題でも提供しなければ、と思ったのだ。
「ところで、結婚式のことなんだけど。」
一番、差し迫っていて、誰もが気に病んでいた話題だった。
グラスを取り落とすもの、料理を噴き出すもの、聞こえないふりをしてオーダーするもの。
誰一人まともに聞こうとしないなか、意外にも冷静に、対応したのはミュラだった。
「ルトの勇足ってことで、延期にしてはどうでしょうか。」
ミュラにしても、いい加減にしてくれ、の気持ちはある。彼女は今や、グランダの中枢、ギルドのグランドマスターであると同時に、財務卿からも頻繁に相談を受ける立場なのだ。
ミトラに来ることに同意したのも、鉄道公社からも申し出があった西域共通紙幣の、グランダへの導入。その資料集めに来たのが主眼である。
そりゃあ、フィオリナとは再会すれば、なにかあるかもとは思ったさ。思ったけどそれは、必要なことが全部終わって、余裕があれば、の話だ。
新婚の嫁さんに、手を出すほどミュラは野暮ではない。
ところが、フィオリナは男になってるわ、ルトはぶっ倒れてるわ、女性恐怖症になっているわ、よかったことといえば、どうもクローディア陛下が、叙爵するオールべ伯爵に「西域中央銀行」の頭取の座がついてくることがわかったくらいだった。
フィオリナは、爪を咬みながら断罪、断罪と呟いていた。
はあ、とため息をついてミュラは、続けた。
「ルトは、まだしばらく療養が必要です。
フィオリナもこんなですし。」
まったく、浮気をするのに男に性別をかえて、もとに戻れなくなったなど、
ドタバタのエロコメデイくらいでしか見れない設定である。
「もし、式次第が決まってしまって、いまさら取り消しがきかない、というのであれば、婚約式にするというのはいかがでしょう。
たしか、ルトとフィオリナは、ちゃんとした婚約披露もしてないはずです。」
「これはどうする?」
ロウは、爪を噛みながら「断罪断罪」とつぶやき続けるフィオリナの型に手を乗せた。
「男になっても美形だが、これを女装させるのか? 背も高いし、結構、筋肉質だぞ?」
「ルトを女装させよう!」
と、ヨウィスが目を輝かせてさけんだ。
「まあ、絵的にはそれがいちばんしっくりくるね。」
と、ロウがつぶやいた。
「まともな人間の出席者のほうが少ないんだから…ルトの父親と弟は、またルトが酔狂なことやってる、ですませそうだし。
ルトの体調は?」
「まあ、黙って座ってるくらいは。」
「黙って座ってるのがやっとのルトを、引きずり出すのは気が引ける。」
姉御肌の真祖は、顔をしかめた。
「素直に延期でいいだろう。婚約解消は、ゆっくり検討すればいい。」
「メアさまがおっしゃるには」
と、リアは手を挙げて言った。
「いや、ザザリが言うには、ルト自身もそうすることに反対はしないと。」
「なら、決まりだな。」
フィオリナがなにか言おうとしたので、ロウは肩に置いた手に力を込めた。
「なんか言いたいことある?」
「でも、その!」
フィオリナが叫んだ。
「なんかちゃんとした理由が欲しい。表面上でいいから。」
「驚いた。」
と、リアが言った。
「ザザリがいうには、ルトもまったく同じことを言ってたそうです。
式の中止はしかたない。でもちゃんとした理由が欲しいって。」
「ちゃんとした理由?」
ロウは首を傾げた。
「花嫁が浮気相手と逃亡。罪の意識が災いしたか使えなくなってたのを、ルトのせいにして、殺しかけた以上の理由が。」
「それはヤダっ!」
ワガママな、貴公子はいやいやをした。
それだけ見れば母性本能をくすぐられるものかもしれないが、列席者全員の目をいっそう冷たいものにしただけだった。
「なら、わたしたちの言う、いま、おまえたちが結婚すると星が読めなくなるのを言い訳にしとけ!」
「そんなオカルトもヤダ!
なんかないの?
もっと、こう」
一同がうんざりし始めた時、バンっと音をたてて、酒場のトビラが開かれた。
「神竜騎士団」の刺繍のはいったロングジャケットのすそをなびかせて。
アモンは、じろっと一同を一瞥した。
「フィオリナはわたしと来い。残りのものは大聖堂に急げ。」
「え、だってわたしは」
「リウに合わせてやる。」
みるみるフィオリナの頬が上気するのを、ミュラは不快な思いで見守った。
自分との行為が、なにかの代用品ではないか、との疑惑は以前からないでは無かったのだ。
なるほど、リウを相手にして、男性としての悦びを覚えたのなら、浮気の相手にするのはやっぱり女性だろう。
「残りのものは、大聖堂へ。」
アモンは命令口調で言った。
「大聖堂って!
式はまだ先でしょ?」
「大聖堂が、蜘蛛の魔物の大群に襲われている。ドロシーが向かったが数が多い。」
「ギムリウスは?
蜘蛛には蜘蛛でしょう?」
「ギムリウトスとは連絡がつかない。」
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