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Ⅳ 嫌われ作戦は成功? 失敗?
⑥
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「リン、夜のお茶会する?」
夕食後のリラックス時間にカロール殿下から声がかかる。やっぱり知っていたな、とリンは考える。
「そうですね。ちなみに大フクロウは殿下の鳥ですか?」
「当たり」
「そういうことでしたか」
カロール殿下が少し笑う。
「良い子ぶらなくていい。全部、聞いていた」
「全部、ですか? 初めの日から?」
「うん。大フクロウのルーを夜の散歩に放つのが日課だ。リンが来た日に、偶然フクロウを放つ時間とリンがベランダに来た時間が重なって。面白いオメガが来た、と吹き出しそうになった。笑いをこらえるのに必死だったよ」
「殿下は意地悪ですね。僕が必死なのを全部知っていたのですね」
「良ければ続きはベランダでどう? ほら、ルーも外を飛びたいと言っている」
カロール殿下が隣の部屋からフクロウを腕に乗せて連れてくる。
「わ、久しぶりだね。フクロウ君はルーって名前なんだね。発情期の前に会ったのが最後だから、ルーに会うのは一週間ぶりか。この間は驚かせてごめんね」
大フクロウは左右に首をかしげて『ホウ』と小さく鳴く。
殿下の寝室からつながるベランダにテーブルセットがある。リンの部屋と違い椅子が二個。ホットカーペットもホットクッションも完備してある。ベランダのテーブルに保温ポットに入った紅茶にお茶菓子が並ぶ。テーブルに花が飾られてまるで小さなパーティーだ。準備が整うと侍女たちが退出する。
「待っていて」
殿下が居室の明かりを消す。室内が暗くなる。何をするのだろう、と疑問が浮かぶ。
「リン、足下に気をつけて、こちらに」
殿下に誘導されてベランダに出る。
殿下は腕に乗ったフクロウをベランダに設置した止まり木に移す。リンは隣のリンの部屋のベランダを見た。独立したベランダ。ここを飛び移ってカロール殿下はリンのところに来たと思うとゾッとする。万が一落ちていたら大問題だ。
「あの、カロール殿下。もうベランダ飛び移るのは止めてください」
「あぁ、普段はしないよ。一応、王太子で身の安全は大切だしね」
そうか、と思う。御身の安全が国を揺るがすことと理解しているカロール殿下。その殿下がリンのためにベランダ飛び越えたと思うと心臓がドキリとなる。
「リンのためならば、ここが塔の上でも俺は飛び移るだろうな」
ははは、と笑う殿下。冗談に聞こえなくてリンは慌てる。と同時に胸に温かいものが生まれる。リンのためなら命を懸けるとも聞こえた。ちょっと考え過ぎだろうか。
殿下に『そんなこと駄目です』と伝えようとして、リンは息をのむ。カロール殿下がテーブルの上のキャンドルに火をつけた。透明ガラスの風よけの中に揺らめく灯り。ベランダが暖かい光に包まれる。幻想的な光が美しい。
「リン、座って。じゃ、ルーは飛んできて良いよ」
殿下が何かを吹くと大フクロウは空に飛び立つ。笛のようだが音が聞こえない。
「これは鳥にだけ聞こえる音が出る笛だよ。こうして夜の時間を楽しむのが俺の楽しみなんだ。キャンドル、綺麗だろ? このために部屋の灯りを落としている」
「そっか。僕は隣が暗いから空き室なのだと思っていました」
「うん。リンが来た日。キャンドルをつける前にリンがベランダに来て、『居るよ』って言うタイミング逃してしまって」
ポットの紅茶をカップに注ぐ殿下。慌ててリンは交代を申し出る。王太子殿下にこのようなことさせてはいけない。
「僕が注ぎます。殿下にこのような事をさせるわけにはいきません」
「いや、いい。俺が茶を用意するのも跪くのも、キスをするのも、抱くのも、すべてリンにだけだから。いや、父王陛下には跪くか」
ご機嫌なカロール殿下に勧められるまま着座する。クッションとカーペットが暖かい。「はい」と殿下が膝掛け毛布をかけてくれる。真冬じゃないけれど、リンを大切にしてくれる姿が嬉しい。リンは「ありがとうございます」とお礼を伝えながら頬が緩んだ。
「実は俺はハラハラしていた」
紅茶をセットしながら殿下が笑う。
「ここに殿下がいた事がバレないか、ですか?」
「いや、違う。ルーがさ、夜の散歩で獲物とってくることあって。まぁ、ネズミとか、さ」
リンは想像した。自分がお茶会をしている目の前にネズミを食す大フクロウがいたら……。
「うわ。ちょっと、ネズミを食べるルーとは同席できないかも」
「だろ? ドヤ顔で捕獲してくるから、見るのは俺でも驚くからね」
カロール殿下と目を合わせて吹き出して笑い合う。温かい紅茶が身体に染みこむ。美味しい。キャラメルナッツを一口頬張ったとき。バサバサっと羽音と共にフクロウのルーが飛行から戻ってくる。見たくはないけれど、つい見てしまったルーの足。何か、掴んでいるのが見えた。リンは驚いてガタンと席を立つ。
「カロール殿下! ルー、ルーが何か、持っています!」
鼠や小鳥の死骸だったらどうしよう。怖くてややパニックになり殿下にしがみ付く。
「リン、大丈夫。少し毛布を頭からかけていて。大丈夫だよ。これもフクロウの本能だから」
「わか、分かっています……」
分かっていても見たくない。顔を背けて膝掛けに隠れる。カロール殿下がルーに話しかけているのが聞こえた。
「リン。毛布から出てきて」
膝掛毛布の上からリンの身体をナデナデするカロール殿下。もう処理したのかな、と考え、その想像をしてしまい気分が悪くなる。ひざ掛けから顔を出すと、楽しそうなカロール殿下と目が合う。
「はい。ルーからプレゼントだ」
カロール殿下が手を差し出してきて、リンは悲鳴をあげて顔を隠した。
「やだぁ!」
「あはは。見てごらん」
優しい殿下の声。目の前に広げられたカロール殿下の手のひらを、恐る恐るリンは見た。そこにはいくつかのドングリに木の実。リンはポカンと見つめてしまった。
「リンにプレゼントみたいだよ。フクロウは肉食で木の実は運ばない。ここまで運んできたところを見ると、これはリンへの贈り物だ」
「僕に?」
殿下の手のひらにあるドングリと木の葉、何かの実をリンが手に取る。土もついている。きっと掴むのに苦労したのだろう。すごく感動してしまってリンはドングリをギュッと握った。
「嬉しい。すごく嬉しいプレゼントです! 殿下、ルーに近づいても大丈夫でしょうか? てっきり野生のフクロウだと思っていたからこれまで近づかないようにしていました」
「ルーは人に危害を加えないよ。大丈夫」
ベランダの止まり木にいるルーの前に行く。隣にカロール殿下が居てくれる。
「ルー、ありがとう。素敵なプレゼントだね。君は本当に優しい。ルー、大好きだよ」
リンがルーに声をかける。ルーが小さく『ホウ』と鳴く。まるで『僕も、だよ』と返事をもらえたようで嬉しくなる。ルーに微笑みかけるとルーが羽をわずかに広げる。
視線を感じてカロール殿下を見ると、殿下がムッとしている。顔が怒っている。
「カロール殿下、どうしました?」
「いや、何でもない。何でもないのだが、ルーを焼き鳥にしたくなった」
「はぁ?」
「いや、何でもないのだが」
ブツブツと何かつぶやいている殿下。
「ルーを焼き鳥にしたら、カロール殿下の頭を僕が丸禿にしますよ」
リンが半目で睨みながら言うと、カロール殿下が声を出して笑う。
「あははは! 丸禿か! さっすがリンだ!」
笑いが納まらない殿下を不思議そうに眺めるルー。リンもルーに同感な気持ちだった。
その時『コンコン』と寝室の窓をノックする音。殿下とリンが寝室を見ると明かりを持った侍女が深く頭を下げる。
「カロール殿下、大丈夫でしょうか? 大きな声が聞こえましたので」
頭を下げたままの侍女。
「あぁ、大丈夫だ。気にしなくていい。だが、そろそろ室内に戻る。片付けを頼む」
リンを気遣いながらカロール殿下は腕にルーを乗せて部屋に入る。
ルーの部屋は殿下の書斎にある大きな檻だった。リンが入っても余裕がありそうな檻。止まり木や休息用の隠れ場所もある。ルーに「おやすみ」と声をかけて書斎を後にする。
リンはその日ルーが運んでくれたドングリの土を落とし、磨いて木箱にしまった。リンの手首にキラリと光るブレスレット。木箱の中のドングリ。くすぐったいような優しい気持ちがリンに満ちてくる。そっとブレスレットを撫でた。
リンがカロール殿下の居室に移り三か月が過ぎた。そして、リンの発情期周期は二か月だった。
一度発情期が来ると抑制剤を飲んでいても発情が完全にコントロールできない。二度目の発情期もカロール殿下がリンの相手をしてくれた。リンは途中から記憶がないが、気持ち良く幸福な時間だったことは覚えている。
カロール殿下は「可愛いリン」「俺の番」「俺だけのリン」「愛している」といった言葉を沢山リンに向けた。恥ずかしくて笑い合ううちにリンの緊張が解けた。殿下と口を開けて大笑いすることが増えた。夜のお茶会も楽しいく開催している。ルーが鼠を捕まえてきてリンがパニックになる事もあった。笑いも涙もカロール殿下とは許し合える。カロール殿下はリンの大切な存在だ。リンはそう思うようになっていた。
気が付いたら、セレスの書いてくれた『王子殿下に嫌われるための十の方法』を一度も手にすることなく時が過ぎていた。
カロール殿下を想うリンの心とセレスを想う心は全く別のモノだ。リンはそれに気がついていた。このカロール殿下を想う気持ちは、きっと、愛だ。
夕食後のリラックス時間にカロール殿下から声がかかる。やっぱり知っていたな、とリンは考える。
「そうですね。ちなみに大フクロウは殿下の鳥ですか?」
「当たり」
「そういうことでしたか」
カロール殿下が少し笑う。
「良い子ぶらなくていい。全部、聞いていた」
「全部、ですか? 初めの日から?」
「うん。大フクロウのルーを夜の散歩に放つのが日課だ。リンが来た日に、偶然フクロウを放つ時間とリンがベランダに来た時間が重なって。面白いオメガが来た、と吹き出しそうになった。笑いをこらえるのに必死だったよ」
「殿下は意地悪ですね。僕が必死なのを全部知っていたのですね」
「良ければ続きはベランダでどう? ほら、ルーも外を飛びたいと言っている」
カロール殿下が隣の部屋からフクロウを腕に乗せて連れてくる。
「わ、久しぶりだね。フクロウ君はルーって名前なんだね。発情期の前に会ったのが最後だから、ルーに会うのは一週間ぶりか。この間は驚かせてごめんね」
大フクロウは左右に首をかしげて『ホウ』と小さく鳴く。
殿下の寝室からつながるベランダにテーブルセットがある。リンの部屋と違い椅子が二個。ホットカーペットもホットクッションも完備してある。ベランダのテーブルに保温ポットに入った紅茶にお茶菓子が並ぶ。テーブルに花が飾られてまるで小さなパーティーだ。準備が整うと侍女たちが退出する。
「待っていて」
殿下が居室の明かりを消す。室内が暗くなる。何をするのだろう、と疑問が浮かぶ。
「リン、足下に気をつけて、こちらに」
殿下に誘導されてベランダに出る。
殿下は腕に乗ったフクロウをベランダに設置した止まり木に移す。リンは隣のリンの部屋のベランダを見た。独立したベランダ。ここを飛び移ってカロール殿下はリンのところに来たと思うとゾッとする。万が一落ちていたら大問題だ。
「あの、カロール殿下。もうベランダ飛び移るのは止めてください」
「あぁ、普段はしないよ。一応、王太子で身の安全は大切だしね」
そうか、と思う。御身の安全が国を揺るがすことと理解しているカロール殿下。その殿下がリンのためにベランダ飛び越えたと思うと心臓がドキリとなる。
「リンのためならば、ここが塔の上でも俺は飛び移るだろうな」
ははは、と笑う殿下。冗談に聞こえなくてリンは慌てる。と同時に胸に温かいものが生まれる。リンのためなら命を懸けるとも聞こえた。ちょっと考え過ぎだろうか。
殿下に『そんなこと駄目です』と伝えようとして、リンは息をのむ。カロール殿下がテーブルの上のキャンドルに火をつけた。透明ガラスの風よけの中に揺らめく灯り。ベランダが暖かい光に包まれる。幻想的な光が美しい。
「リン、座って。じゃ、ルーは飛んできて良いよ」
殿下が何かを吹くと大フクロウは空に飛び立つ。笛のようだが音が聞こえない。
「これは鳥にだけ聞こえる音が出る笛だよ。こうして夜の時間を楽しむのが俺の楽しみなんだ。キャンドル、綺麗だろ? このために部屋の灯りを落としている」
「そっか。僕は隣が暗いから空き室なのだと思っていました」
「うん。リンが来た日。キャンドルをつける前にリンがベランダに来て、『居るよ』って言うタイミング逃してしまって」
ポットの紅茶をカップに注ぐ殿下。慌ててリンは交代を申し出る。王太子殿下にこのようなことさせてはいけない。
「僕が注ぎます。殿下にこのような事をさせるわけにはいきません」
「いや、いい。俺が茶を用意するのも跪くのも、キスをするのも、抱くのも、すべてリンにだけだから。いや、父王陛下には跪くか」
ご機嫌なカロール殿下に勧められるまま着座する。クッションとカーペットが暖かい。「はい」と殿下が膝掛け毛布をかけてくれる。真冬じゃないけれど、リンを大切にしてくれる姿が嬉しい。リンは「ありがとうございます」とお礼を伝えながら頬が緩んだ。
「実は俺はハラハラしていた」
紅茶をセットしながら殿下が笑う。
「ここに殿下がいた事がバレないか、ですか?」
「いや、違う。ルーがさ、夜の散歩で獲物とってくることあって。まぁ、ネズミとか、さ」
リンは想像した。自分がお茶会をしている目の前にネズミを食す大フクロウがいたら……。
「うわ。ちょっと、ネズミを食べるルーとは同席できないかも」
「だろ? ドヤ顔で捕獲してくるから、見るのは俺でも驚くからね」
カロール殿下と目を合わせて吹き出して笑い合う。温かい紅茶が身体に染みこむ。美味しい。キャラメルナッツを一口頬張ったとき。バサバサっと羽音と共にフクロウのルーが飛行から戻ってくる。見たくはないけれど、つい見てしまったルーの足。何か、掴んでいるのが見えた。リンは驚いてガタンと席を立つ。
「カロール殿下! ルー、ルーが何か、持っています!」
鼠や小鳥の死骸だったらどうしよう。怖くてややパニックになり殿下にしがみ付く。
「リン、大丈夫。少し毛布を頭からかけていて。大丈夫だよ。これもフクロウの本能だから」
「わか、分かっています……」
分かっていても見たくない。顔を背けて膝掛けに隠れる。カロール殿下がルーに話しかけているのが聞こえた。
「リン。毛布から出てきて」
膝掛毛布の上からリンの身体をナデナデするカロール殿下。もう処理したのかな、と考え、その想像をしてしまい気分が悪くなる。ひざ掛けから顔を出すと、楽しそうなカロール殿下と目が合う。
「はい。ルーからプレゼントだ」
カロール殿下が手を差し出してきて、リンは悲鳴をあげて顔を隠した。
「やだぁ!」
「あはは。見てごらん」
優しい殿下の声。目の前に広げられたカロール殿下の手のひらを、恐る恐るリンは見た。そこにはいくつかのドングリに木の実。リンはポカンと見つめてしまった。
「リンにプレゼントみたいだよ。フクロウは肉食で木の実は運ばない。ここまで運んできたところを見ると、これはリンへの贈り物だ」
「僕に?」
殿下の手のひらにあるドングリと木の葉、何かの実をリンが手に取る。土もついている。きっと掴むのに苦労したのだろう。すごく感動してしまってリンはドングリをギュッと握った。
「嬉しい。すごく嬉しいプレゼントです! 殿下、ルーに近づいても大丈夫でしょうか? てっきり野生のフクロウだと思っていたからこれまで近づかないようにしていました」
「ルーは人に危害を加えないよ。大丈夫」
ベランダの止まり木にいるルーの前に行く。隣にカロール殿下が居てくれる。
「ルー、ありがとう。素敵なプレゼントだね。君は本当に優しい。ルー、大好きだよ」
リンがルーに声をかける。ルーが小さく『ホウ』と鳴く。まるで『僕も、だよ』と返事をもらえたようで嬉しくなる。ルーに微笑みかけるとルーが羽をわずかに広げる。
視線を感じてカロール殿下を見ると、殿下がムッとしている。顔が怒っている。
「カロール殿下、どうしました?」
「いや、何でもない。何でもないのだが、ルーを焼き鳥にしたくなった」
「はぁ?」
「いや、何でもないのだが」
ブツブツと何かつぶやいている殿下。
「ルーを焼き鳥にしたら、カロール殿下の頭を僕が丸禿にしますよ」
リンが半目で睨みながら言うと、カロール殿下が声を出して笑う。
「あははは! 丸禿か! さっすがリンだ!」
笑いが納まらない殿下を不思議そうに眺めるルー。リンもルーに同感な気持ちだった。
その時『コンコン』と寝室の窓をノックする音。殿下とリンが寝室を見ると明かりを持った侍女が深く頭を下げる。
「カロール殿下、大丈夫でしょうか? 大きな声が聞こえましたので」
頭を下げたままの侍女。
「あぁ、大丈夫だ。気にしなくていい。だが、そろそろ室内に戻る。片付けを頼む」
リンを気遣いながらカロール殿下は腕にルーを乗せて部屋に入る。
ルーの部屋は殿下の書斎にある大きな檻だった。リンが入っても余裕がありそうな檻。止まり木や休息用の隠れ場所もある。ルーに「おやすみ」と声をかけて書斎を後にする。
リンはその日ルーが運んでくれたドングリの土を落とし、磨いて木箱にしまった。リンの手首にキラリと光るブレスレット。木箱の中のドングリ。くすぐったいような優しい気持ちがリンに満ちてくる。そっとブレスレットを撫でた。
リンがカロール殿下の居室に移り三か月が過ぎた。そして、リンの発情期周期は二か月だった。
一度発情期が来ると抑制剤を飲んでいても発情が完全にコントロールできない。二度目の発情期もカロール殿下がリンの相手をしてくれた。リンは途中から記憶がないが、気持ち良く幸福な時間だったことは覚えている。
カロール殿下は「可愛いリン」「俺の番」「俺だけのリン」「愛している」といった言葉を沢山リンに向けた。恥ずかしくて笑い合ううちにリンの緊張が解けた。殿下と口を開けて大笑いすることが増えた。夜のお茶会も楽しいく開催している。ルーが鼠を捕まえてきてリンがパニックになる事もあった。笑いも涙もカロール殿下とは許し合える。カロール殿下はリンの大切な存在だ。リンはそう思うようになっていた。
気が付いたら、セレスの書いてくれた『王子殿下に嫌われるための十の方法』を一度も手にすることなく時が過ぎていた。
カロール殿下を想うリンの心とセレスを想う心は全く別のモノだ。リンはそれに気がついていた。このカロール殿下を想う気持ちは、きっと、愛だ。
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