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Ⅴ リバウンド対策☆
①
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体育祭が終わり、すっかり日常が戻った。
すでに後期学級委員が決まっている。後期学級委員は、なんと立候補で決まった。
体育祭で大繩を回してくれた高木が、文化祭を盛り上げたいと立候補した。クラス内に他に立候補は出ず、スムーズに彼に決まった。
高木は友人が多くワイワイと文化祭準備に向けて頑張っている。さらに彼は、大縄跳びで躓いていた女子と付き合い始めた。体育祭で酒井にスポーツドリンクと水をくれた女子だ。
なんだか青春が全て詰まったようだな、と酒井と笑い合った。
十月は今週で終わる。凛太朗の前期学級委員も、とうとう終わる。
(長かったな。いや、短い、かな?)
不思議な感覚に凛太朗は一人でフフっと笑った。
あれから理香子たちは凛太朗に接触することは無く、酒井にも近づいていない。
あれだけ酒井を狙うと言い、凛太朗に邪魔だと言っていたのに。
体育祭後のクラス内は一体感が生まれていて穏やかな空気が流れている。
(平和だなぁ)
酒井に群がる女子たちも落ち着きを取り戻し、一学期のように酒井と凛太朗の穏やかな時間が流れている。
「凛太朗、考え事?」
酒井が凛太朗の席まで来た。ガタンと前の席の向きを変えて座る。
「うん。なんか、怒涛の二学期だった。嵐のような学級委員生活だったよ」
「だな」
正面の酒井が微笑む。それにつられて微笑む凛太朗が居る。
「今日の昼飯は、肉そぼろとキノコサラダ」
酒井の反応を期待して弁当を出せば頬を染めてニカっと笑う。想像通りの表情に凛太朗も口元が緩む。
「最高! うまそ!」
「おう。胸肉も使ってるから低カロリー」
「さすが、マイハニー」
「ばぁか」
体育祭以降、酒井は凛太朗の心臓がドキリとする事を言う。ちょっとした会話の中に「俺の凛太朗」と含めてくる。それがくすぐったくてたまらない。
(元に戻って、良かった)
心からそう思った。体育祭の前は酒井の隣に自分が並んではいけないと思っていた。もうこんな風に一緒に居ることはないのだと思っていた。
それが、今はまた一緒に居る。不思議だなぁと凛太朗は首を傾げた。
「どうかした?」
「うん。ちょっと前は、こうして酒井と一緒に居ることが考えらえれなかったなって」
「そうかも。つか、それ言うなら俺が痩せたのも、色々変わったのも、全部考えられんかった」
酒井の真剣な言葉に凛太朗はブハっと吹きだした。
「そりゃそうか!」
二人でアハハと笑った。こんな日々に戻って本当に良かったと思える。
だけど前と違うこともある。
体育祭の、あのキスについては話題に上がらない。あの時の事は酒井は一言も触れない。
だから凛太朗は心に仕舞い込んでいる。きっと酒井は熱中症でおかしくなっていたのだと自分に言い聞かせている。
酒井は多分覚えていないのだ。
それでも凛太朗は時々あの口の熱さを思い出す。呼吸が出来なくなるほどの激しさが蘇る。その度に身震いするほどの何かが凛太朗を支配する。そんな自分の変化をどうして良いのか分からなくなっている。
(こんなの、おかしい。こんなの、酒井にバレたらダメだ)
そう自分を説得して苦しくなるような胸のチクチクを自分の内側に押し込んでいる。
(僕はどこかオカシイのかもなぁ)
本気でそう思うようになっていた。
すでに後期学級委員が決まっている。後期学級委員は、なんと立候補で決まった。
体育祭で大繩を回してくれた高木が、文化祭を盛り上げたいと立候補した。クラス内に他に立候補は出ず、スムーズに彼に決まった。
高木は友人が多くワイワイと文化祭準備に向けて頑張っている。さらに彼は、大縄跳びで躓いていた女子と付き合い始めた。体育祭で酒井にスポーツドリンクと水をくれた女子だ。
なんだか青春が全て詰まったようだな、と酒井と笑い合った。
十月は今週で終わる。凛太朗の前期学級委員も、とうとう終わる。
(長かったな。いや、短い、かな?)
不思議な感覚に凛太朗は一人でフフっと笑った。
あれから理香子たちは凛太朗に接触することは無く、酒井にも近づいていない。
あれだけ酒井を狙うと言い、凛太朗に邪魔だと言っていたのに。
体育祭後のクラス内は一体感が生まれていて穏やかな空気が流れている。
(平和だなぁ)
酒井に群がる女子たちも落ち着きを取り戻し、一学期のように酒井と凛太朗の穏やかな時間が流れている。
「凛太朗、考え事?」
酒井が凛太朗の席まで来た。ガタンと前の席の向きを変えて座る。
「うん。なんか、怒涛の二学期だった。嵐のような学級委員生活だったよ」
「だな」
正面の酒井が微笑む。それにつられて微笑む凛太朗が居る。
「今日の昼飯は、肉そぼろとキノコサラダ」
酒井の反応を期待して弁当を出せば頬を染めてニカっと笑う。想像通りの表情に凛太朗も口元が緩む。
「最高! うまそ!」
「おう。胸肉も使ってるから低カロリー」
「さすが、マイハニー」
「ばぁか」
体育祭以降、酒井は凛太朗の心臓がドキリとする事を言う。ちょっとした会話の中に「俺の凛太朗」と含めてくる。それがくすぐったくてたまらない。
(元に戻って、良かった)
心からそう思った。体育祭の前は酒井の隣に自分が並んではいけないと思っていた。もうこんな風に一緒に居ることはないのだと思っていた。
それが、今はまた一緒に居る。不思議だなぁと凛太朗は首を傾げた。
「どうかした?」
「うん。ちょっと前は、こうして酒井と一緒に居ることが考えらえれなかったなって」
「そうかも。つか、それ言うなら俺が痩せたのも、色々変わったのも、全部考えられんかった」
酒井の真剣な言葉に凛太朗はブハっと吹きだした。
「そりゃそうか!」
二人でアハハと笑った。こんな日々に戻って本当に良かったと思える。
だけど前と違うこともある。
体育祭の、あのキスについては話題に上がらない。あの時の事は酒井は一言も触れない。
だから凛太朗は心に仕舞い込んでいる。きっと酒井は熱中症でおかしくなっていたのだと自分に言い聞かせている。
酒井は多分覚えていないのだ。
それでも凛太朗は時々あの口の熱さを思い出す。呼吸が出来なくなるほどの激しさが蘇る。その度に身震いするほどの何かが凛太朗を支配する。そんな自分の変化をどうして良いのか分からなくなっている。
(こんなの、おかしい。こんなの、酒井にバレたらダメだ)
そう自分を説得して苦しくなるような胸のチクチクを自分の内側に押し込んでいる。
(僕はどこかオカシイのかもなぁ)
本気でそう思うようになっていた。
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