1 / 32
プロローグ
プロローグ
しおりを挟む
暗い廃神社の境内で、邪神が呪を唱えだす。
すると、その場にいる三人の子供たちは動きをとめた。
――さて、我は一人だけ殺そうと思う。誰がいいと思う? 意見を聞こう。
平安貴族のような格好をした美しい男性は腕を組み、笑みを浮かべながら三人を見回した。三人とも口を開かない。
――どうやって殺そうか。ひと思いには殺さない。その死にざまを見届けるのが、二人が生き残る条件だ。一生、記憶に残る死に方にしてやろう。
「わたしを殺して!」
恐ろしさを堪えながら、アカリが叫んだ。
――ほほう、おまえが死にたいのか?
邪神はアカリの頭を片手でつかみ、持ち上げた。
――このまま、頭を潰してやろうか。それは最後にして、手足をもぐか。我が気に入る命乞いができれば、助けてやるかもしれんぞ。
* * * *
普通の女子中学生であるアカリが、なぜ、こんな恐ろしい目にあわなければならないのか――。
これは、ちょっと笑えて、恐ろしい、心霊スポットを巡る恐怖体験の記録。
すると、その場にいる三人の子供たちは動きをとめた。
――さて、我は一人だけ殺そうと思う。誰がいいと思う? 意見を聞こう。
平安貴族のような格好をした美しい男性は腕を組み、笑みを浮かべながら三人を見回した。三人とも口を開かない。
――どうやって殺そうか。ひと思いには殺さない。その死にざまを見届けるのが、二人が生き残る条件だ。一生、記憶に残る死に方にしてやろう。
「わたしを殺して!」
恐ろしさを堪えながら、アカリが叫んだ。
――ほほう、おまえが死にたいのか?
邪神はアカリの頭を片手でつかみ、持ち上げた。
――このまま、頭を潰してやろうか。それは最後にして、手足をもぐか。我が気に入る命乞いができれば、助けてやるかもしれんぞ。
* * * *
普通の女子中学生であるアカリが、なぜ、こんな恐ろしい目にあわなければならないのか――。
これは、ちょっと笑えて、恐ろしい、心霊スポットを巡る恐怖体験の記録。
30
あなたにおすすめの小説
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
四尾がつむぐえにし、そこかしこ
月芝
児童書・童話
その日、小学校に激震が走った。
憧れのキラキラ王子さまが転校する。
女子たちの嘆きはひとしお。
彼に淡い想いを抱いていたユイもまた動揺を隠せない。
だからとてどうこうする勇気もない。
うつむき複雑な気持ちを抱えたままの帰り道。
家の近所に見覚えのない小路を見つけたユイは、少し寄り道してみることにする。
まさかそんな小さな冒険が、あんなに大ごとになるなんて……。
ひょんなことから石の祠に祀られた三尾の稲荷にコンコン見込まれて、
三つのお仕事を手伝うことになったユイ。
達成すれば、なんと一つだけ何でも願い事を叶えてくれるという。
もしかしたら、もしかしちゃうかも?
そこかしこにて泡沫のごとくあらわれては消えてゆく、えにしたち。
結んで、切って、ほどいて、繋いで、笑って、泣いて。
いろんな不思議を知り、数多のえにしを目にし、触れた先にて、
はたしてユイは何を求め願うのか。
少女のちょっと不思議な冒険譚。
ここに開幕。
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
王女様は美しくわらいました
トネリコ
児童書・童話
無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。
それはそれは美しい笑みでした。
「お前程の悪女はおるまいよ」
王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。
きたいの悪女は処刑されました 解説版
見える私と聞こえる転校生
柚木ゆず
児童書・童話
「この中に、幽霊が見える人はいませんか?」
幽霊が見える中学1年生の少女・市川真鈴のクラスに転校生としてやって来た、水前寺良平。彼のそんな一言が切っ掛けとなり、真鈴は良平と共に人助けならぬ幽霊助けをすることになるのでした――。
クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
藤永ゆいか
児童書・童話
中学2年生になったある日、澄野星奈に許嫁がいることが判明する。
相手は、頭が良くて運動神経抜群のイケメン御曹司で、訳あって現在絶交中の幼なじみ・一之瀬陽向。
さらに、週末限定で星奈は陽向とふたり暮らしをすることになって!?
「俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ」
星奈には、いつも冷たくてそっけない陽向だったが……。
「星奈ちゃんって、ほんと可愛いよね」
「僕、せーちゃんの彼氏に立候補しても良い?」
ある時から星奈は、バスケ部エースの水上虹輝や
帰国子女の秋川想良に甘く迫られるようになり、徐々に陽向にも変化が……?
「星奈は可愛いんだから、もっと自覚しろよ」
「お前のこと、誰にも渡したくない」
クールな幼なじみとの、逆ハーラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる