中学生ユーチューバーの心霊スポットMAP

じゅん

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2 ひとりかくれんぼ【恐怖指数 ☆☆☆★★】

ひとりかくれんぼ【恐怖指数 ☆☆☆★★】 2

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 三人で流れを軽く打ち合わせして、京四郎にカメラの使い方を教わってから、撮影をスタートした。
(すごいな。本当に三人で番組を作っちゃうんだ)
 アカリはカメラを構えながら、ドキドキしてきた。
「都内から電車で五十分ほどのベッドタウン、鈴竹市。鈴竹市には心霊スポットが多いことが知られていますが、最近、心霊現象が多く報告されるようになりました」
 京四郎は資料を読み上げる。
(京四郎くん、ナレーションもやるんだ。聞き取りやすくて、いい声してるな。ってゆうか、この町って心霊スポット多かったんだ)
 初めて聞く情報に、アカリは軽くショックを受けた。
「ここは、一〇二号室の住人が部屋で自殺をしてから、夜に徘徊する霊が目撃されるようになり、入居者がいなくなってしまった廃アパートです」
「ってことは、心霊スポットというよりも、霊の出る事故物件って感じだな」
 翔陽がつぶやく。
「そうだね。初回だから自己紹介も兼ねて、一〇二号室で『ひとりかくれんぼ』をしてもらおうと思う。挑戦するのは翔陽です」
「よろしく!」
 翔陽がアカリのカメラに向かってガッツポーズをする。動画内でも本名で呼び合うと決めてあった。
「元気いっぱいだね。これってホラー番組なのに、いいの?」
 アカリはあきれる。
「オープニングくらい明るくてもいいだろ。これから怖いことするんだから」
「そうだね。さっそく二人は部屋に入って」
「不法侵入じゃね?」
「許可を取ってあるよ。はい、鍵」
「さすが京四郎」
 アカリは鍵を受け取る翔陽の手を映した。
 京四郎は心霊スポットに入らない代わり、お金のかかる機材の準備や、心霊スポットのリサーチや敷地を使用する許可、動画編集などの裏方作業を全て担当するようだ。
「おじゃまします。なんだ、カラッポの普通の家だな」
 自殺があった部屋だというのに、翔陽はまるで自宅のように迷いなくドアを開け、靴を脱いで室内に入っていく。
「アパートが使われなくなって、どれくらいなんだろうな。特に埃も積もってない」
「翔ちゃん、怖くないの?」
「別に。昔死んだ人がいた場所を怖がってたら、出歩けないだろ」
 肝が据わっている。しかし、番組的には演技でも怖がった方がいいのではないかとアカリは思った。
「翔ちゃん、やっぱり、いるよ」
 幽霊の気配がして、背筋がゾクゾクしてくる。
 アパートには電気が通っていないので、アカリはカメラとは別に、大きなライトを持っている。LEDなので、かなり明るい。
「よかった。撮影できるといいな、幽霊」
 翔陽がニカッと笑う。
(そんな、ツチノコ発見できるといいな、みたいなノリで言われても)
「翔ちゃん、『ひとりかくれんぼ』の説明をしないと」
「そうだった」
 二DKの間取りのうち、翔陽は六畳の和室にリュックを下ろした。
「『ひとりかくれんぼ』ってコックリさんと同じで、霊を呼ぶ降霊術の一つなんだってさ。おれもさっき知ったんだけど」
 翔陽は畳に座り、京四郎からもらった『ひとりかくれんぼの説明』メモを見ながら言った。
「必要なものは、こういう手足のあるぬいぐるみ」
 翔陽はリュックからサルのぬいぐるみを取り出した。
 ぬいぐるみの腹をカッターで切り、中の綿を抜き出した。それから自分の親指の爪を切った。
「この腹の中に、米と、今切った爪を入れて、赤い糸で縫い合わせる。米は内臓を、赤い糸は血管を意味してるんだってさ。爪の代わりに髪を入れてもよくて、これはぬいぐるみとのつながりを強めるためらしい。白っぽい腹に赤い糸がメチャ目立つな」
 翔陽はサルの腹を縫い合わせた。
「翔ちゃん、忘れ物ない? 準備ができたら、わたしだけ外に出るように言われてるんだけど」
「コップも塩もあるし、だいじょうぶ。そこの押し入れに隠れるから、押し入れが映るようにカメラセットしてよ」
「お札はポケットに入れてるの?」
「お札?」
「冴子ちゃんからもらったお札、渡したでしょ。翔ちゃん一人になるから、もしもの時のためにって」
 翔陽は「あっ」と声をもらして、バツの悪そうな顔になった。
「悪い、家に置いてきたっぽい」
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