幼馴染の王子に前世の記憶が戻ったらしい

325号室の住人

文字の大きさ
4 / 4

幼馴染の王子のチート魔法、恐るべし…… (終)

しおりを挟む

「……はっ!」

目が覚めると、何故か長いヴェールを纏って叔父とヴァージンロードを歩いていた。

「まさか、お前が娘になるなんてね。」
「は?」
「すごいよな。これがチート魔法と呼ばれるモノらしい。」
「へ?」
「俺ぁ、跡取りの嫡男が生まれるまで引退しないでやるから、殿下に伝えておいてくれ。それじゃ、元気でな。」
「え? ちょ…」

俺は、叔父の手からヨニの手へと引き渡されたそばから、その右手にキスを受けた。

「ティティ。この煩わしい式が終わったら、また君を元の体に戻してあげるから安心して。」
「え?」
「僕らの新居は宰相邸だよ。あの無限空間で初夜を何日分もにして過ごしても良いかもね。ただし、こっちでは女体のまま君を抱いて、跡継ぎを拵えないといけないからな…それが宰相との約束だし。でもとりあえず、僕は君を抱きたいから……
あ、誓います。ほら、ティティも!」
「はい。誓います。」
「誓った…誓ったよねぇ? 僕を生涯愛するって…一生涯なんて言ってないよね…何生涯愛してもらおう…ずっとずっと、この体が朽ちてもずっと、ずっとずっと、僕を愛して…ね?」
「………わかった。」
「そうだ! 本来のの体でも跡継ぎを作れる魔法はどうかな…」

チャリーンッ

「僕、王子で良かったァ…いくらでも課金できるもの。んふふ…ぁはははは…くくくっ……」

ニタァ…と笑ったヨニの瞳に一切光を感じないのを見て、俺の心は決まった。



体感として数十年後にあたる、現実での数年後…
男の体のまま嫡男を出産した次の晩のこと。
俺を求めるヨニにキスで受ける時、即効性のある毒を仕込む。

「何で? 何でだよティティ…僕はティティを愛していただけだ。ティティ…何でだよ何で何で何で……」
「もう、病んでしまったヨニを見続けるのはイヤなんだ。君のこのチート魔法も、俺達の記憶と一緒に封じてしまおう……」

そうして、僕とヨニの生涯は幕を閉じた………………









「トト…おはよう。」
「ん…おはよう。」

今日も俺の奥さん(♂)がかわいい。
俺達は先月婚姻したばかりの新婚夫夫。
新婚休暇が終わったって、俺達はラブラブだ。

今朝も奥さんであるユニのキスで目覚めた。
ちなみに、目覚めたのは頭もだけど、あっちもだ。

「あんっ…トトのえっちぃ…」
「1回だけ。ユニをイかせないと、仕事に専念できないよ。」
「やぁん!」

俺は野菜を作って、隣村で物々交換して生活している。



そんなある日、隣村へ向かう途中…
領主の馬車が脱輪しているのを手伝って、金貨を1枚貰った。

帰宅して、ユニに見せると……

「むふふふ…僕、思い出しちゃった。」
ユニの笑顔が少し黒く見える…?

「いつも僕を愛してくれてありがとう。今日はお返しに、前世まえみたいに僕がトトを愛してあげるね。」

その晩は、いつもとは逆にたくさん愛された。






ユニの様子が少しおかしくなった日から数日…
後ろの処女を喪った俺は以前と変わらずユニを愛し、畑仕事に精を出す。

金貨を見ただけでは、記憶を思い出すことしかできなかったらしい。

…と言うより、《何生涯も愛し続ける》という誓いは有効だったようだけれど、転生した今となっては魔法までは引き継げなかったようで、課金はできなかったのだ。
だいたい、今俺等が暮らすこの世界に魔法は存在しない。

まぁ、この生活を続ける限り、金貨は手元にやって来ないから大丈夫だろう。

「ただいま、ユニ。」
んっチュウゥゥーッ

「はぁ…はぁ…もぅ! 帰って来るなりトトったら激し過ぎだ!」
「だって、ユニがかわいいのが悪いし、こんなに勃ててイく準備は万端じゃないか。さぁ、ベッドに行こう…」
「ぁんっ…今触ったら、もう出ちゃうからぁ~。」

──前世まえの誓いの通り、いつまでも愛してあげるから、安心してくれ。

俺は、恍惚の表情で体をビクビクと震わせたユニを抱き上げると、帰宅からそのまま寝室へ直行したのだった。




         おしまい
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

そのモブは、私の愛しい唯一無二

ミクリ21
BL
アズエル・ミスティアはある日、前世の記憶を思い出した。 所謂、BLゲームのモブに転生していたのだ。 しかし、アズエルにはおかしなことに思い出した記憶が一つだけではなかった。 最初はモブだと信じきっていたのに、副会長セス・フェリクスに迫られ続けるアズエルの話。

囚われの聖女様を救いに行っただけなのに、なぜこうなったのかわかりません。

なつか
BL
史上最悪の王に囚われてしまった聖女を救うため、王宮に忍び込んだグレン。 いざ見つけた聖女には逃走防止用に魔法が籠められた魔道具の足輪が付けられていた。 それを壊すためには魔力を聖女に受け渡してもらう必要があるという。 ではその方法は? 「僕を抱けばいい」 そんな感じで型破りな聖女様(♂)に振り回される男の話。

【完結済】王子を嵌めて国中に醜聞晒してやったので殺されると思ってたら溺愛された。

うらひと
BL
学園内で依頼をこなしていた魔術師のクリスは大物の公爵の娘からの依頼が入る……依頼内容は婚約者である王子からの婚約破棄!! 高い報酬に目が眩んで依頼を受けてしまうが……18Rには※がついています。 ムーン様にも投稿してます。

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

何故か男の俺が王子の閨係に選ばれてしまった

まんまる
BL
貧乏男爵家の次男アルザスは、ある日父親から呼ばれ、王太子の閨係に選ばれたと言われる。 なぜ男の自分が?と戸惑いながらも、覚悟を決めて殿下の元へ行く。 しかし、殿下はただベッドに横たわり何もしてこない。 殿下には何か思いがあるようで。 《何故か男の僕が王子の閨係に選ばれました》の攻×受が立場的に逆転したお話です。 登場人物、設定は全く違います。 ※ショートショート集におまけ話を上げています。そちらも是非ご一読ください。

婚活アプリのテスト版に登録させられたら何故か自社の社長としかマッチング出来ないのですが?

こたま
BL
オメガ男子の小島史(ふみ)は、ネットを中心に展開している中小広告代理店の経理部に勤めている。会社が国の補助金が入る婚活アプリ開発に関わる事になった。テスト版には、自社の未婚で番のいないアルファとオメガはもちろん未婚のベータも必ず登録して動作確認をするようにと業務命令が下された。史が仕方なく登録すると社長の辰巳皇成(こうせい)からマッチング希望が…

虐げられた氷の聖子は隣国の野獣皇帝に執着(愛)されすぎて溶かされる

たら昆布
BL
暴君皇帝×薄幸の聖子

王子様の愛が重たくて頭が痛い。

しろみ
BL
「家族が穏やかに暮らせて、平穏な日常が送れるのなら何でもいい」 前世の記憶が断片的に残ってる遼には“王子様”のような幼馴染がいる。花のような美少年である幼馴染は遼にとって悩みの種だった。幼馴染にべったりされ過ぎて恋人ができても長続きしないのだ。次こそは!と意気込んだ日のことだったーー 距離感がバグってる男の子たちのお話。

処理中です...