【完】名前すら知らない、僕のつがい

325号室の住人

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プロローグ

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不定期にみる夢がある。

たぶん金髪の男だ。
短い金髪が頭の上でふにゃふにゃとしている。

僕は、そいつと………その…セ…えと、エ…あの…、閨?濡れ?…その、シてる。

『君は私の【運命】…【つがい】だ。』
『愛してるぅ! 名前呼んで…』

絶頂を迎えたその時、僕はいつも、名前を呼んで欲しいとねだる。
でも、呼んでもらえたためしはなく、そこでいつも目が覚める。



最初にのは、丁度3年前。僕の15歳の誕生日を迎える深夜のこと。
翌朝も引き摺って真っ赤な顔でボーッとしていたら、知恵熱だったのか欠席してしまった。

帰宅した3つ歳上の姉は心配して僕の部屋へやって来た。
僕がポツリポツリ話せば、遠慮の【え】の字もなく根掘り葉掘り聞くと、机に向いながらシャーペンとは違うカリカリとした音をたてながら、
「捗るわぁ~♪」
と。

翌春そのまま志望校に入学すると、姉は自分が腐女子であることを家族にカミングアウトした。

……うん。知ってた。



そういえば、その夢を日は、決まってテレビの占いで、
「今日の貴方は、運命に出会えるかも!」
と言っていた。

最初はあの夢の相手が【運命】なのかとドキドキしたけれど、僕の夢の頻度を考えれば、同じ星座の人はこの国だけでも相当数居るだろうし、だとしたらそれだけ運命の人に会ってたら、たとえば教室の自分の机の周りが全員運命の人になってたりしちゃうだろって思って、【運命】ってところはあんまり意識しなくなった。

とは言え、夢は気になった。
あの金髪の人物も…………

普通にこうして日本で高校生として暮らしていると、【つがい】なんて字面でみる程度だし…
だから僕は、そのうち【運命】も【つがい】も考えなくなった。

ただ単に、またあの夢!っていう程度にしか考えなくなった。

だからその日も、僕はごく普通に過ごしていたんだ。
あの夢が、正夢になろうとしていることなんて、全く考えないまま………………


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