【完結】流行りの悪役転生したけど、推しを甘やかして育てすぎた。

時々雨

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番外編

クリスマスデート②

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 魔道具屋を後にし、近くの噴水広場のベンチに腰をかける。 

「外に連れ出してすみません。店の中で渡すのはどうかと思って…」

 そう言いながら、ネアは紙袋をしだしてきた。

「ルアネ様メリークリスマスです。これは、ルアネ様へのクリスマスプレゼントです」

 クリスマス…?そっか今日クリスマスか!この世界にキリストはいないけど…“クリスマス”という日は存在してたな。

 大半の人の信仰対象は女神様だけどな。

 この世界は月は11ヶ月で1ヶ月は35日ある。月の呼び方が違うからピンと来なかったし、毎年忘れ気味だ。クリスマスの日付も違うしな…。前世は、12月25日がクリスマスだったけど、今世は雪の月の30日がクリスマスだった。

「ネア…!ありがとう!そして、申し訳ない…。クリスマスプレゼント準備できてないんだ…」

「いえ、問題ないです。多分クリスマスってこと忘れてそうだと思ってました。毎年忘れ気味じゃないですか、ルアネ様は…。私がルアネ様に差し上げたいだけなので」

 そう言ってくれるけど、人にプレゼント貰ってお返ししないのはちょっとな…。それより、何くれたのかめっちゃ気になる。

「そ、そう?本当にごめんね?早めに用意するよ。えっと、これ開けてもいい?」

 ネアは勿論です。と得意げな顔していた。

 紙袋から箱を取り出す。箱にも綺麗にラッピングされており、益々何が入ってるのか興味がわく。変なところでビリビリっと破かないように丁寧に開封していく。

 上手く梱包を剥がし終わり、最後の箱の蓋をそっと開く。

 そこには小振りな薄翠色の宝石が埋め込まれているピンバッチが二つ入っていた。これは、ブローチなのか?

「ふふ。それは襟元につける、ラペルピンと言います」

「襟につける…!お洒落だな」

「ええ!ルアネ様に似合うと思いまして」

 ネアはとても嬉しそうに微笑んだ。その表情をみているとこっちまでニコニコになってしまう。

「ありがとう…!!大切にするな!」

 失くさないように…!としまおうとしてると、ネアが「着けた所見せてくださらないのですか?」なんて言うものだから…。なんか、ネアに着けて貰うことになった。

 着けて貰ってる間に、若干上を向いて静止していると、見覚えのある金髪を見つけた。

 というか、このベンチに座ってからずっと視線感じるな、とは思ってた。

「ネア…まだ?」

「まだですよ。さっきから約1名からの視線が鬱陶しいですね」

 こいつ、気づいていてわざと僕と距離詰めてる所を見せつけてるな…。結構焼きもちやきだから、勘弁してほしい。

「あんまり、からかわないであげてよ」

「え?私のルアネ様を奪ってるんですから、これぐらい許して貰わないと割に合いませんよ。てか、まだあいつとお付き合いしてるなんて、私は認めてませんから」

 また、この子は…。そう言うこと言って。

 ぼっーと空を見上げていると「よし、終わりましたよ」と言ってネアは少し距離をとった。上を向いていたので首が疲れた。

「どうしたら認めてくれるんだ?」

「そうですね。頬にキスしてくれたら、今日は引き下がってあげます」

 ネアは片方の口をぷくーと膨らませて、不機嫌です!という顔をする。その顔を久々にみたなと、まだ幼かった頃のネアを思い出しクスリと笑った。

 ネアの顎を人差し指で支え横向きで固定する。そして、ちゅと頬にキスを添えた。

「今日のところはこれで満足してくれる?」

 ネアは唇が触れた頬を片手で抑えて、若干赤くなった顔で僕を眺めていた。

「はい…。まさか本当にしてくれるなんて思ってなくて…」

「ネアが言ったんじゃないか」

 と笑うと、ネアは「そうですけど…」とモゴモゴ言ってる。かわいいなぁ。

「プレゼントありがとう、気に入ったよ。学校始まったらまた毎日着けようと思う」

「はい、嬉しい限りです」

 また、ネアの頭を撫でようと手を伸ばしたら、誰か手を捕まれた。

「二人して…距離が近すぎると思う…!今もキスをしていた」

「だから何ですか。私とルアネ様の間に口出さないでくれますか」

「なっ?!ルアネは私の恋人だぞ…!」

「認めてないので」

 ちょっと、ネア~?今日は引き下がってくれるっていったじゃないか~!?

「フロガ、ネア。そこまでにして。フロガもネアと私が仲良い事はずっと知ってるでしょう。そういう関係じゃないんで、嫉妬しないでくださいよ」

「そう言われも、ずっと甘い雰囲気を出しているから。私だって…」

 はいはい、そうですね。とフロガを宥めていると、ネアは「では、これにて失礼致しますね」と一礼して、去ったいった。

 ちょっと!早々に逃げたな!!ネアめ!!!

 僕は、正面に立つフロガと向き直って話しかけた。



「で、ずっと影からみてたのネアにもバレてたけど?」

「それは…すまない。でもルアネたちを見かけて、気になったというか」

「それよりも。王族が護衛も無しに、街をふらふら歩かないでほしいですね。何かあったらどうするんですか」


 フロガはだんだんと「すまない…」といい、ショボンとした顔になっていった。

「もう…、世間に顔が割れてないからといって、王子なんですから、心配なんですよ。私の居ないところで何かあったら助けに行けないんですから。ちゃんと王族の自覚をもってほしいですね」


 フロガの背中をポンポンと叩きながら、歩くのを促した。

 視線を感じるから何だ?と思い、フロガを見上げると、さっきまでショボンと悲しそうな顔をしていたのに今ははち切れんばかりの笑顔になっていた。


 何でそんなに嬉しそうなんだ。ジトっとした目線を送る。


「いや…、心配されるの嬉しいなと思って…」

「はい?心配ぐらいしますけど」

 なんか、悔しいので、やり返したいと気持ちになって。

 あ、良いこと思い付いた!と僕はニッコリと微笑む。

 横に並ぶフロガに更に近づき、スルッと指先で手首を撫で上げて、恋人繋ぎをしながら腕を下に引っ張る。

 急に引っ張られ、体勢を崩し傾いた身体に背伸びをして耳元で

「だって、恋人でしょう?」

 と囁くと、フロガばビクッと身体を揺らし、「なっ!?る、!」と狼狽えながら、反対の手で真っ赤な顔を覆っていた。

 めっちゃ顔が真っ赤なんてすけど。この王子チョロすぎる。逆に心配になってきた。

 こんなんじゃ他の魅力的な女性とかにすぐにコロッとヤらるよ。いや、この世界だと、相手が女性かも限らない、男性かもしれない。異性だけじゃなく同性も恋愛対象とか、ライバルが多すぎる、困ったものだ。

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