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僕の本能
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あ、あ、あ、あ、ああああああああーー。
今度はアカリちゃんとイヤらしいことをしてしまったーー!
いろいろ展開が早すぎてパニックだ。
性交渉のイロハのイの字もよく知らないのに、アカリちゃんの色気が混じった目や声に、夢中で耳や首や胸を触って舐めちゃった。
これが"男の本能"なのだろうか?
違う。
これは僕の本能だ。
アカリちゃんとの今の関係が変わるのが怖いと思っていても、心のどこかでは先に進みたいと思っている自分がいることを僕は思い知った。
実際、発情期の熱に浮かされたアカリちゃんは艶っぽくてすごくドキドキした。
だから、アカリちゃんとの行為に、途中まで理性が飛んだ。
本能の赴くまま、身体に触れ、漏れる声に溺れた。
僕の本能はアカリちゃんの発情期に乗っかってしまったのかもしれない。
なんて最低な…。
スヤスヤ眠るアカリちゃんの隣で土下座するようにベットに頭を埋め自己嫌悪に陥った。
「クチュン」
可愛いクシャミが聴こえハッと頭を上げる。
「ひゃっっ」
見て慌てて顔を背けた。
だって、合わせただけのシャツがはだけてもう全裸と言っていい状態のアカリちゃんが大の字でプルプルと震えていたから。
エアコンの効いた部屋でこの格好は寒い。
なのに、よほど疲れていたのか起きる気配がない。
僕は急いで洗面所からお湯を張った洗面器とタオルを持ってきて、心を無にしてアカリちゃんの身体を綺麗にして、パンツを履かせ(僕も身体を拭いてパンツ履いた)、シャツのボタンを全部閉め、肌掛けの布団を被せた。
びしょ濡れのアカリちゃんのシャツと僕の服、タオルを一階にある洗濯機にぶち込んで洗濯スイッチを押すとキッチンへ向かった。
目覚めたアカリちゃんに消化に良いものをと、野菜を刻んでトロトロに煮込んだスープにご飯を入れた雑炊とホットケーキミックスでカップケーキを作った。
2時間ほどで乾燥まで終えた洗濯機から服を取り出し着替えた僕はアカリちゃんの部屋に行った。
「……ん……あれ、ヒロ…?」
「あ、アカリちゃん、起こしちゃった?」
「んーん、だいじょーぶ。いま起きたぁ」
んーと背伸びをして眠気を払ったアカリちゃんはつい2時間前のことなどなかったかのように普通で僕はホッとした。
「アカリちゃん、お腹空いてない?」
「すっごく空いた!」
アカリちゃんのお腹もグーって鳴って、僕はクスリと笑った。
「雑炊とカップケーキ作ったよ」
畳んだ洗濯物を仕舞いながら声をかける。
「カップケーキ食べる!」
「ダーメ、先に雑炊食べてから」
「はーい」
僕たちはダイニングへ向かった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
「はーー美味しかったーー!」
アカリちゃんの食欲は凄まじかった。
作り過ぎたかなって思った雑炊をペロリと平らげたうえ、4個作ったカップケーキも3個ペロリと平らげた。
満足そうにホットミルクを飲むアカリちゃんの様子に、発情期は完全に終わったようで安心する。
「ヒロ」
「ん?」
「ありがとね」
「沢山食べてくれて作った甲斐があったよ」
「そーじゃなくて、ベッドでのこと」
僕はホットミルクを吹き出した。
アカリちゃんが取り出したティッシュを何枚か僕に渡し、何枚かでテーブルを拭いた。
気管に入って涙目になっている僕の隣にアカリちゃんは移動して座り、僕の背中をさすりシャツの袖で僕の目元を拭いてくれた。
「ボク、嬉しかったよ。すごく辛かったから、ヒロに触ってもらえてすごく幸せだった」
僕に寄りかかり肩に頭をコツンと当てた。
ドキドキしたけど、アカリちゃんからはあの時した甘い香りはしなかった。
「ボクは…ね……ヒロが好きだよ……ヒロは……ボクの……運命の番だ…って思ってる。だから……」
僕の手を取り握りながら話していたアカリちゃんは、言い終わる前にまたスヤスヤと眠りについた。
その寝顔を眺めながら考える。
アカリちゃんへの気持ちにちゃんと向き合わないと。
僕を「好き」と真っ直ぐに伝えてくれるアカリちゃんに、僕も誠実でありたい。
もっと自分に自信を持ちたい。
って…。
そして僕は考える。
どうしよう……。
僕は………。
二階のアカリちゃんの部屋まで担いでいけるかな…?
結局、アカリちゃんを担げたのは隣のリビングルームまでだった。
ソファーに寝かせてタオルケットを掛けてたら寝ぼけたアカリちゃんに膝枕を強請られた。
そのまま、僕の太ももは枕になった。
百合ちゃんが帰ってきた時には、痺れすぎて脚の感覚がなくなっていた。
ゆ、百合ちゃん。
ツンツンしないで……(泣)
__________________
次回は0時更新予定です。
今度はアカリちゃんとイヤらしいことをしてしまったーー!
いろいろ展開が早すぎてパニックだ。
性交渉のイロハのイの字もよく知らないのに、アカリちゃんの色気が混じった目や声に、夢中で耳や首や胸を触って舐めちゃった。
これが"男の本能"なのだろうか?
違う。
これは僕の本能だ。
アカリちゃんとの今の関係が変わるのが怖いと思っていても、心のどこかでは先に進みたいと思っている自分がいることを僕は思い知った。
実際、発情期の熱に浮かされたアカリちゃんは艶っぽくてすごくドキドキした。
だから、アカリちゃんとの行為に、途中まで理性が飛んだ。
本能の赴くまま、身体に触れ、漏れる声に溺れた。
僕の本能はアカリちゃんの発情期に乗っかってしまったのかもしれない。
なんて最低な…。
スヤスヤ眠るアカリちゃんの隣で土下座するようにベットに頭を埋め自己嫌悪に陥った。
「クチュン」
可愛いクシャミが聴こえハッと頭を上げる。
「ひゃっっ」
見て慌てて顔を背けた。
だって、合わせただけのシャツがはだけてもう全裸と言っていい状態のアカリちゃんが大の字でプルプルと震えていたから。
エアコンの効いた部屋でこの格好は寒い。
なのに、よほど疲れていたのか起きる気配がない。
僕は急いで洗面所からお湯を張った洗面器とタオルを持ってきて、心を無にしてアカリちゃんの身体を綺麗にして、パンツを履かせ(僕も身体を拭いてパンツ履いた)、シャツのボタンを全部閉め、肌掛けの布団を被せた。
びしょ濡れのアカリちゃんのシャツと僕の服、タオルを一階にある洗濯機にぶち込んで洗濯スイッチを押すとキッチンへ向かった。
目覚めたアカリちゃんに消化に良いものをと、野菜を刻んでトロトロに煮込んだスープにご飯を入れた雑炊とホットケーキミックスでカップケーキを作った。
2時間ほどで乾燥まで終えた洗濯機から服を取り出し着替えた僕はアカリちゃんの部屋に行った。
「……ん……あれ、ヒロ…?」
「あ、アカリちゃん、起こしちゃった?」
「んーん、だいじょーぶ。いま起きたぁ」
んーと背伸びをして眠気を払ったアカリちゃんはつい2時間前のことなどなかったかのように普通で僕はホッとした。
「アカリちゃん、お腹空いてない?」
「すっごく空いた!」
アカリちゃんのお腹もグーって鳴って、僕はクスリと笑った。
「雑炊とカップケーキ作ったよ」
畳んだ洗濯物を仕舞いながら声をかける。
「カップケーキ食べる!」
「ダーメ、先に雑炊食べてから」
「はーい」
僕たちはダイニングへ向かった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
「はーー美味しかったーー!」
アカリちゃんの食欲は凄まじかった。
作り過ぎたかなって思った雑炊をペロリと平らげたうえ、4個作ったカップケーキも3個ペロリと平らげた。
満足そうにホットミルクを飲むアカリちゃんの様子に、発情期は完全に終わったようで安心する。
「ヒロ」
「ん?」
「ありがとね」
「沢山食べてくれて作った甲斐があったよ」
「そーじゃなくて、ベッドでのこと」
僕はホットミルクを吹き出した。
アカリちゃんが取り出したティッシュを何枚か僕に渡し、何枚かでテーブルを拭いた。
気管に入って涙目になっている僕の隣にアカリちゃんは移動して座り、僕の背中をさすりシャツの袖で僕の目元を拭いてくれた。
「ボク、嬉しかったよ。すごく辛かったから、ヒロに触ってもらえてすごく幸せだった」
僕に寄りかかり肩に頭をコツンと当てた。
ドキドキしたけど、アカリちゃんからはあの時した甘い香りはしなかった。
「ボクは…ね……ヒロが好きだよ……ヒロは……ボクの……運命の番だ…って思ってる。だから……」
僕の手を取り握りながら話していたアカリちゃんは、言い終わる前にまたスヤスヤと眠りについた。
その寝顔を眺めながら考える。
アカリちゃんへの気持ちにちゃんと向き合わないと。
僕を「好き」と真っ直ぐに伝えてくれるアカリちゃんに、僕も誠実でありたい。
もっと自分に自信を持ちたい。
って…。
そして僕は考える。
どうしよう……。
僕は………。
二階のアカリちゃんの部屋まで担いでいけるかな…?
結局、アカリちゃんを担げたのは隣のリビングルームまでだった。
ソファーに寝かせてタオルケットを掛けてたら寝ぼけたアカリちゃんに膝枕を強請られた。
そのまま、僕の太ももは枕になった。
百合ちゃんが帰ってきた時には、痺れすぎて脚の感覚がなくなっていた。
ゆ、百合ちゃん。
ツンツンしないで……(泣)
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次回は0時更新予定です。
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