至高のオメガとガラスの靴

むー

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アカリちゃんと発情期② 後編

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アカリちゃんの怪我は出血の割に傷は浅かった。
傷の手当てを済ませ、服を着替えてもらった。
アカリちゃんが着ていたロングシャツは血だらけだったから、洗面所で軽く手揉み洗いした。
ついでに僕もシャワーで服が濡れてしまったからロングシャツを借りて着替えた。

「ふふふっ、お揃いだね」

だいぶ落ち着いたアカリちゃんから笑みが溢れた。
そんなアカリちゃんに僕は照れてしまう。

「ぼ、僕、割れたガラス、片付けるね」

ガラス片を片付け、ベットサイドに新しい水差しを置く。
このガラスはベッドサイドのチェストにあった水差しだった。
アカリちゃんが水を飲もうと手を伸ばした時にうっかり倒してしまったらしい。
更に割れたガラスを片付けようとしてベッドから落ちて怪我をしてしまったそうだ。

「お母さんが急な呼び出しで会社に行っちゃったからヒロが来てくれて本当に良かった」
「うん。僕も駆けつけられてよかった。ケガも酷くなくてホッとした」
「うん、ありがとう。ヒロのこと惚れ直しちゃった」
「ええっ!」
「顔真っ赤。可愛い!」

アカリちゃんの笑顔にいつもの調子が戻ってきたように見えたけど、ほんのちょっとだけ違和感を感じた。

「ねえ、ヒロ」
「ん?」
「項見たい」

いつもの儀式だ。

いつも通り、最後に左目蓋にキスをされる。
前回はこの後、口にもキスされたんだよね…。

そんなことを考えていたら、アカリちゃんの香りに甘い花の香りが少し混じった気がした。

目を開けると想像以上に近くにいたアカリちゃんの目と合った。
更に顔が近づき目を閉じるアカリちゃんに釣られて僕も目を閉じた。
触れた唇は数秒で離れた。

「んぐっ…」

アカリちゃんが離れる気配がして目を開けようとしたら、ぶつかるようにまた唇が当たって僕はそのまま押し倒された。
唇はすぐに離れ、目を開けると潤んだ目のアカリちゃんと合う。

「あ…かりちゃーーんんーーっっ!!」

はぁはぁと切なそうに息を吐くアカリちゃんの唇が名前を呼ぼうとした僕の口を塞いだ。
そして、口の中にニュルリと何がが入ってきた。
それがアカリちゃんの舌だと気づいた時には、それは僕の口の中を縦横無尽に動き回っていた。
歯列を舐め、上顎を舐め、奥に引っこんでしまった僕の舌を掠めるようにチロチロと舐めた。

「はぁ…ヒロ…鼻で息して」

いつの間にか口から離れていたアカリちゃんの声に、僕は忘れていた呼吸を再開した。
ゼィゼィと息を整えから、深呼吸をしたらクラクラするような甘い花の香りが肺を満たした。

そして、僕の息が整うのを待っていたアカリちゃんに再び唇を塞がれた。
ピチャピチャと唾液が混じり合う音、柔らか感触、鼻から入ってくる今まで嗅いだことのない甘い匂いに頭がボーッとしてくる。
いつしか僕もアカリちゃんの舌を追いかけて、絡め合うようなキスをしていた。

「ヒロ……もっと」

いつの間にか上下が入れ替わっていた。
アカリちゃんの唾液が甘くて、口からこぼれ落ちるそれを追いかけるように僕は唇を移動して、耳を喰み、鎖骨に向かって舌でなぞりながら唇を移動する。

「はぁ」と蕩けているようなアカリちゃんのため息に僕は止まらなくなる。
僕の手はアカリちゃんのシャツのボタンを外していた。
そして、露わになった平らな胸にある左の尖りを親指の腹で掠めるように触る。
その微かな刺激に「んっ!」と胸を突き出すように仰け反るアカリちゃんの尖りを今度は摘み、反対側の尖りをパクッと咥えて甘噛みしたり飴を舐めるように舌で転がす。

両方の蕾を交互に舐めアカリちゃんを見下ろすと、シャツのボタンを全て外れていて、そこから見えたボクサータイプのショーツはびっしょりと濡れていた。
その中心は苦しそうに突き上がっていた。

「ヒロ…もっと、もっとぉ」

蕩けそうな声に僕のパンツの中にある中心が痛くてなった。
身体はもっと刺激を求めて熱くなっていたけど、それに反して僕の身体の動きはピタリと固まってしまう。

「ヒロ…どうしたの?」
「……こ、この後どうしたら…」
「え……?」

夢中になっていたけど、我に返った僕にはセックスのことは全然わからなかった。

夢中になっていた時は自然に身体が動いていたのに、いざ先に進もうとしたら頭が真っ白になってしまった。
そんな僕の下からクスクスと可愛い笑い声が聞こえた。

「じゃあ、ヒロ、今日はボクがリードするから一緒に気持ちいいことしよ」

アカリちゃんは起き上がって僕と自分のパンツを取り去ると、僕の膝の上に乗った。
アカリちゃんが僕のシャツのボタンを外して開き密着すると、僕の中心の熱と同じくらい熱いものが当たった。

「ヒロ握って」

僕の手を取り僕のモノとアカリちゃんのモノをピタリと合わせ、両手で一緒に握らせる。
アカリちゃんは僕の肩に両手を乗せて、ゆっくり腰を上下に揺らし僕の手の中のモノを擦る。

「んっんっ、ヒロ気持ちいー?」
「あ、アカリちゃん、恥ずかしい…」
「大丈夫、すぐ気持ち良くなるから…手、動かして」

言われるがまま握る手を上下に動かすと、背筋にゾワゾワと快感が走る。
お互いの中心から出る先走りが手の中でグチュグチュといやらしい音をさせた。
気持ちが良くてアカリちゃんの動きに合わせて僕も腰を動かすと、肩に乗せていた手が僕の首に回りキスが降ってきた。
その行為が気持ち良くて、奥から何かが迫り上がってくる感じがする。
そして…

「うっっ」

白濁したものを吐き出した。
そのすぐ後にアカリちゃんも同じように吐き出した。


「次は番のセックスしようね」

僕のお腹に飛んで混ざり合った液体を見てアカリちゃんはそう言うと、そのまま僕の膝の上で眠りに落ちた。

__________________

次回は18時更新予定です。
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