16 / 53
僕の本能
しおりを挟む
あ、あ、あ、あ、ああああああああーー。
今度はアカリちゃんとイヤらしいことをしてしまったーー!
いろいろ展開が早すぎてパニックだ。
性交渉のイロハのイの字もよく知らないのに、アカリちゃんの色気が混じった目や声に、夢中で耳や首や胸を触って舐めちゃった。
これが"男の本能"なのだろうか?
違う。
これは僕の本能だ。
アカリちゃんとの今の関係が変わるのが怖いと思っていても、心のどこかでは先に進みたいと思っている自分がいることを僕は思い知った。
実際、発情期の熱に浮かされたアカリちゃんは艶っぽくてすごくドキドキした。
だから、アカリちゃんとの行為に、途中まで理性が飛んだ。
本能の赴くまま、身体に触れ、漏れる声に溺れた。
僕の本能はアカリちゃんの発情期に乗っかってしまったのかもしれない。
なんて最低な…。
スヤスヤ眠るアカリちゃんの隣で土下座するようにベットに頭を埋め自己嫌悪に陥った。
「クチュン」
可愛いクシャミが聴こえハッと頭を上げる。
「ひゃっっ」
見て慌てて顔を背けた。
だって、合わせただけのシャツがはだけてもう全裸と言っていい状態のアカリちゃんが大の字でプルプルと震えていたから。
エアコンの効いた部屋でこの格好は寒い。
なのに、よほど疲れていたのか起きる気配がない。
僕は急いで洗面所からお湯を張った洗面器とタオルを持ってきて、心を無にしてアカリちゃんの身体を綺麗にして、パンツを履かせ(僕も身体を拭いてパンツ履いた)、シャツのボタンを全部閉め、肌掛けの布団を被せた。
びしょ濡れのアカリちゃんのシャツと僕の服、タオルを一階にある洗濯機にぶち込んで洗濯スイッチを押すとキッチンへ向かった。
目覚めたアカリちゃんに消化に良いものをと、野菜を刻んでトロトロに煮込んだスープにご飯を入れた雑炊とホットケーキミックスでカップケーキを作った。
2時間ほどで乾燥まで終えた洗濯機から服を取り出し着替えた僕はアカリちゃんの部屋に行った。
「……ん……あれ、ヒロ…?」
「あ、アカリちゃん、起こしちゃった?」
「んーん、だいじょーぶ。いま起きたぁ」
んーと背伸びをして眠気を払ったアカリちゃんはつい2時間前のことなどなかったかのように普通で僕はホッとした。
「アカリちゃん、お腹空いてない?」
「すっごく空いた!」
アカリちゃんのお腹もグーって鳴って、僕はクスリと笑った。
「雑炊とカップケーキ作ったよ」
畳んだ洗濯物を仕舞いながら声をかける。
「カップケーキ食べる!」
「ダーメ、先に雑炊食べてから」
「はーい」
僕たちはダイニングへ向かった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
「はーー美味しかったーー!」
アカリちゃんの食欲は凄まじかった。
作り過ぎたかなって思った雑炊をペロリと平らげたうえ、4個作ったカップケーキも3個ペロリと平らげた。
満足そうにホットミルクを飲むアカリちゃんの様子に、発情期は完全に終わったようで安心する。
「ヒロ」
「ん?」
「ありがとね」
「沢山食べてくれて作った甲斐があったよ」
「そーじゃなくて、ベッドでのこと」
僕はホットミルクを吹き出した。
アカリちゃんが取り出したティッシュを何枚か僕に渡し、何枚かでテーブルを拭いた。
気管に入って涙目になっている僕の隣にアカリちゃんは移動して座り、僕の背中をさすりシャツの袖で僕の目元を拭いてくれた。
「ボク、嬉しかったよ。すごく辛かったから、ヒロに触ってもらえてすごく幸せだった」
僕に寄りかかり肩に頭をコツンと当てた。
ドキドキしたけど、アカリちゃんからはあの時した甘い香りはしなかった。
「ボクは…ね……ヒロが好きだよ……ヒロは……ボクの……運命の番だ…って思ってる。だから……」
僕の手を取り握りながら話していたアカリちゃんは、言い終わる前にまたスヤスヤと眠りについた。
その寝顔を眺めながら考える。
アカリちゃんへの気持ちにちゃんと向き合わないと。
僕を「好き」と真っ直ぐに伝えてくれるアカリちゃんに、僕も誠実でありたい。
もっと自分に自信を持ちたい。
って…。
そして僕は考える。
どうしよう……。
僕は………。
二階のアカリちゃんの部屋まで担いでいけるかな…?
結局、アカリちゃんを担げたのは隣のリビングルームまでだった。
ソファーに寝かせてタオルケットを掛けてたら寝ぼけたアカリちゃんに膝枕を強請られた。
そのまま、僕の太ももは枕になった。
百合ちゃんが帰ってきた時には、痺れすぎて脚の感覚がなくなっていた。
ゆ、百合ちゃん。
ツンツンしないで……(泣)
__________________
次回は0時更新予定です。
今度はアカリちゃんとイヤらしいことをしてしまったーー!
いろいろ展開が早すぎてパニックだ。
性交渉のイロハのイの字もよく知らないのに、アカリちゃんの色気が混じった目や声に、夢中で耳や首や胸を触って舐めちゃった。
これが"男の本能"なのだろうか?
違う。
これは僕の本能だ。
アカリちゃんとの今の関係が変わるのが怖いと思っていても、心のどこかでは先に進みたいと思っている自分がいることを僕は思い知った。
実際、発情期の熱に浮かされたアカリちゃんは艶っぽくてすごくドキドキした。
だから、アカリちゃんとの行為に、途中まで理性が飛んだ。
本能の赴くまま、身体に触れ、漏れる声に溺れた。
僕の本能はアカリちゃんの発情期に乗っかってしまったのかもしれない。
なんて最低な…。
スヤスヤ眠るアカリちゃんの隣で土下座するようにベットに頭を埋め自己嫌悪に陥った。
「クチュン」
可愛いクシャミが聴こえハッと頭を上げる。
「ひゃっっ」
見て慌てて顔を背けた。
だって、合わせただけのシャツがはだけてもう全裸と言っていい状態のアカリちゃんが大の字でプルプルと震えていたから。
エアコンの効いた部屋でこの格好は寒い。
なのに、よほど疲れていたのか起きる気配がない。
僕は急いで洗面所からお湯を張った洗面器とタオルを持ってきて、心を無にしてアカリちゃんの身体を綺麗にして、パンツを履かせ(僕も身体を拭いてパンツ履いた)、シャツのボタンを全部閉め、肌掛けの布団を被せた。
びしょ濡れのアカリちゃんのシャツと僕の服、タオルを一階にある洗濯機にぶち込んで洗濯スイッチを押すとキッチンへ向かった。
目覚めたアカリちゃんに消化に良いものをと、野菜を刻んでトロトロに煮込んだスープにご飯を入れた雑炊とホットケーキミックスでカップケーキを作った。
2時間ほどで乾燥まで終えた洗濯機から服を取り出し着替えた僕はアカリちゃんの部屋に行った。
「……ん……あれ、ヒロ…?」
「あ、アカリちゃん、起こしちゃった?」
「んーん、だいじょーぶ。いま起きたぁ」
んーと背伸びをして眠気を払ったアカリちゃんはつい2時間前のことなどなかったかのように普通で僕はホッとした。
「アカリちゃん、お腹空いてない?」
「すっごく空いた!」
アカリちゃんのお腹もグーって鳴って、僕はクスリと笑った。
「雑炊とカップケーキ作ったよ」
畳んだ洗濯物を仕舞いながら声をかける。
「カップケーキ食べる!」
「ダーメ、先に雑炊食べてから」
「はーい」
僕たちはダイニングへ向かった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
「はーー美味しかったーー!」
アカリちゃんの食欲は凄まじかった。
作り過ぎたかなって思った雑炊をペロリと平らげたうえ、4個作ったカップケーキも3個ペロリと平らげた。
満足そうにホットミルクを飲むアカリちゃんの様子に、発情期は完全に終わったようで安心する。
「ヒロ」
「ん?」
「ありがとね」
「沢山食べてくれて作った甲斐があったよ」
「そーじゃなくて、ベッドでのこと」
僕はホットミルクを吹き出した。
アカリちゃんが取り出したティッシュを何枚か僕に渡し、何枚かでテーブルを拭いた。
気管に入って涙目になっている僕の隣にアカリちゃんは移動して座り、僕の背中をさすりシャツの袖で僕の目元を拭いてくれた。
「ボク、嬉しかったよ。すごく辛かったから、ヒロに触ってもらえてすごく幸せだった」
僕に寄りかかり肩に頭をコツンと当てた。
ドキドキしたけど、アカリちゃんからはあの時した甘い香りはしなかった。
「ボクは…ね……ヒロが好きだよ……ヒロは……ボクの……運命の番だ…って思ってる。だから……」
僕の手を取り握りながら話していたアカリちゃんは、言い終わる前にまたスヤスヤと眠りについた。
その寝顔を眺めながら考える。
アカリちゃんへの気持ちにちゃんと向き合わないと。
僕を「好き」と真っ直ぐに伝えてくれるアカリちゃんに、僕も誠実でありたい。
もっと自分に自信を持ちたい。
って…。
そして僕は考える。
どうしよう……。
僕は………。
二階のアカリちゃんの部屋まで担いでいけるかな…?
結局、アカリちゃんを担げたのは隣のリビングルームまでだった。
ソファーに寝かせてタオルケットを掛けてたら寝ぼけたアカリちゃんに膝枕を強請られた。
そのまま、僕の太ももは枕になった。
百合ちゃんが帰ってきた時には、痺れすぎて脚の感覚がなくなっていた。
ゆ、百合ちゃん。
ツンツンしないで……(泣)
__________________
次回は0時更新予定です。
35
あなたにおすすめの小説
うそつきΩのとりかえ話譚
沖弉 えぬ
BL
療養を終えた王子が都に帰還するのに合わせて開催される「番候補戦」。王子は国の将来を担うのに相応しいアルファであり番といえば当然オメガであるが、貧乏一家の財政難を救うべく、18歳のトキはアルファでありながらオメガのフリをして王子の「番候補戦」に参加する事を決める。一方王子にはとある秘密があって……。雪の積もった日に出会った紅梅色の髪の青年と都で再会を果たしたトキは、彼の助けもあってオメガたちによる候補戦に身を投じる。
舞台は和風×中華風の国セイシンで織りなす、同い年の青年たちによる旅と恋の話です。
君の恋人
risashy
BL
朝賀千尋(あさか ちひろ)は一番の親友である茅野怜(かやの れい)に片思いをしていた。
伝えるつもりもなかった気持ちを思い余って告げてしまった朝賀。
もう終わりだ、友達でさえいられない、と思っていたのに、茅野は「付き合おう」と答えてくれて——。
不器用な二人がすれ違いながら心を通わせていくお話。
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
大好きな婚約者を僕から自由にしてあげようと思った
こたま
BL
オメガの岡山智晴(ちはる)には婚約者がいる。祖父が友人同士であるアルファの香川大輝(だいき)だ。格好良くて優しい大輝には祖父同士が勝手に決めた相手より、自らで選んだ人と幸せになって欲しい。自分との婚約から解放して自由にしてあげようと思ったのだが…。ハッピーエンドオメガバースBLです。
あなたのいちばんすきなひと
名衛 澄
BL
亜食有誠(あじきゆうせい)は幼なじみの与木実晴(よぎみはる)に好意を寄せている。
ある日、有誠が冗談のつもりで実晴に付き合おうかと提案したところ、まさかのOKをもらってしまった。
有誠が混乱している間にお付き合いが始まってしまうが、実晴の態度はいつもと変わらない。
俺のことを好きでもないくせに、なぜ付き合う気になったんだ。
実晴の考えていることがわからず、不安に苛まれる有誠。
そんなとき、実晴の元カノから実晴との復縁に協力してほしいと相談を受ける。
また友人に、幼なじみに戻ったとしても、実晴のとなりにいたい。
自分の気持ちを隠して実晴との"恋人ごっこ"の関係を続ける有誠は――
隠れ執着攻め×不器用一生懸命受けの、学園青春ストーリー。
幼馴染は僕を選ばない。
佳乃
BL
ずっと続くと思っていた〈腐れ縁〉は〈腐った縁〉だった。
僕は好きだったのに、ずっと一緒にいられると思っていたのに。
僕がいた場所は僕じゃ無い誰かの場所となり、繋がっていると思っていた縁は腐り果てて切れてしまった。
好きだった。
好きだった。
好きだった。
離れることで断ち切った縁。
気付いた時に断ち切られていた縁。
辛いのは、苦しいのは彼なのか、僕なのか…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる