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第38話 何か一つでも
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朝食を終えてレイヴァン様に部屋へ連れ戻された。本日は見送りと出迎えは禁止とのことだ。今日一日、部屋から出るなとは言わないが、出る時は必ず誰か側につけるようにと言われた。
となると、マノンさんに負担をさらにかけることになるのは間違いないから、私は行動を控えるだろう。もしかしたらレイヴァン様はその私の思惑を見越してのことかもしれない。
「見送りの挨拶はここで受ける、とのことです」
そう言われて私は椅子から立ち上がって礼を取ろうとしたけれど、彼に肩を押さえ込まれる。
「立っているくらいでは痛みは響きません、と伝えていただけますか」
マノンさんはレイヴァン様に伝えてくれたものの、彼は目をすがめて首を振り手振りをつけて何かを言った。
「とにかく大人しくしていろ、だそうです」
「旦那様、XX」
側に控えるモーリスさんが苦笑して何かを言った。旦那様、お時間が押しておりますよ、とのことだそうだ。これ以上レイヴァン様のお時間を使わせるわけにはいかなかったので、分かりましたと私のほうが折れることにした。
「では、行ってくる」
「シー。アむーるレイヴァン。トるヴェすとマイヤー」
私は椅子に座ったままでお見送りの言葉を伝えると、レイヴァン様はようやくひそめていた眉を下げて笑みをこぼした。
「ああ」
最後になるべく早く帰ると言葉を残すと、踵を返して部屋から出て行った。
「レイヴァン様、お優しいですね」
「ええ。怪我人ですから気遣ってくださっているのでしょう」
「――ええ。それでは私は午前中の仕事がございますので、クリスタル様はレイヴァン様のお言いつけ通り、ごゆっくりされますように」
マノンさんはそう笑って退室した。
「失礼いたします」
お昼になって、カートを押したミレイさんとルディーさんが部屋に入って来た。レイヴァン様のご指示なのだろう。本日のお昼は部屋に用意された。
「エふぁリスとライあー」
準備が終わった彼女らが退室しようとした時にお礼を述べつつミレイさんを止める。
「あミューミレイ」
昨日の騒動で、ミレイさんに湯浴み時のお湯の温度のことをお願いすることを忘れていた。昨日は入らなかったけれど、今日は腫れや痛みがないなら入ってもいいと言われたので、夜は湯浴みしたいと思う。
そう思って彼女に声をかけた。
「はい」
いつも一言だけ淡々と答えるミレイさんは、私に分かりやすいようにとの配慮なのか、それともどうせ言葉を理解できないだろうからとの考えからなのか。
私は心の中で少し自嘲しながら彼女に夜の湯浴みの時、お湯の温度を上げてほしい旨を単語の羅列で伝える。すると彼女は片眉をぴくりと上げた。もちろん横にいるルディーさんの反応はなおいっそう大きく、不可解そうに唇を少し開けて眉をひそめた。
やはりそれだけ水を沸騰させなければならず、手間がかかるのでご迷惑だろうか。
「あ――」
「かしこまりました」
ルディーさんが何か言おうとしたけれど、それを遮るようにミレイさんは了承してくれた。
「……スきゅーズモあ」
申し訳ない気持ちになってミレイさんに謝罪を伝えると、彼女は私の顔を真っすぐ見つめながら、いいえと答えた。
不快には思わないけれど彼女は独特な雰囲気がある。静かなのに内に秘める熱さ、とでも言うのだろうか、それを感じる。
「では失礼いたします」
彼女らはもう一度礼を取って部屋を出て行った。それと入れ替わるようにマノンさんが入って来る。
「お昼のご用意ができたようですね。どうぞ召し上がってくださいませ」
「エふぁリスとライあー。マナジョーず」
ありがとうございます、頂きますと告げてから食事を始める。故郷ではもっと長い祈りを神に捧げてからだった。サンティルノではこの言葉にすべてのものへの感謝が含まれているらしい。
「お味はいかがですか?」
「美味しいです。あ、アンサーベら」
ついグランテーレ語で答えてしまい、私は慌てて訂正した。
「そうですか。お食事量も増えましたね」
「ええ。わたくし、少しは胸が豊かになりましたか」
「……恐れ入りますが、その回答は控えさせていただきます」
先ほどまで笑顔でこちらを見ながらお茶の準備をしてくれていたマノンさんは、そっと視線を外して手元のポットを見つめた。
どうやら胸は寂しいままのようだ。――そういえば、胸が寂しい騒動以降、なぜかまた初めの頃のように味が濃くなった。料理長のヘルムートさんに胸に良い食材をご相談したからだろうか。料理長としての尊厳を傷つけた私の失礼な要求を許してくださったのかもしれない。あれから胸のためのお料理をいろいろ考えていただいているようだ。
困ったような、戸惑っているような、何とも言えない表情で了承してくださったヘルムートさんを思い出す。
「午後からはまた刺繍をなさいますか」
「あ、ええ。そういたします」
最近、マノンさんからは刺繍も習っている。サンティルノ国では男性が遠征に出る場合、無事を祈って母親や妻、恋人が刺繍したハンカチを贈る風習があるらしい。先の大戦では、彼女らにより刺繍されたハンカチは数知れなかっただろうと思われる。
レイヴァン様も誰かからハンカチを贈られて、戦いに身を投じられたのだろうか。そこで傷を負われたこともあったのだろうか。戦場を知らぬ私は、そして元敵国の人間としてはやるせない気持ちになる。
「刺繍のほうは徐々にうまくなってきましたね」
私は刺繍をしたことがなかったので、手は刺さった針で傷だらけになっている。けれど成果はその分だけ出ているようだ。
そういえばあの時、普段、感情の揺れが少ないミレイさんが珍しく厳しい目で私の手を見ていた。きっとこんなこともできないのかと思われたのだろう。
レイヴァン様は公爵家で本来なら戦いに直接身を置く必要のない地位にあるのに、ご本人が望んでこの国に身を捧げているらしい。それは王家の血を引く人間であるがゆえに王位継承者として担ぎ出そうする勢力を牽制し、現国王、および殿下に忠実な臣下であるという立場を示すためのものだそうだ。だからレイヴァン様はこれまで様々な遠征にも買って出ていると言われている。
レイヴァン様は私のことを自分の妻だと言ってくれた。そんな彼に私はハンカチ一枚お渡しできないお飾りの妻にはなりたくない。だからせめて何か一つでも成し遂げたい。そう思った。
となると、マノンさんに負担をさらにかけることになるのは間違いないから、私は行動を控えるだろう。もしかしたらレイヴァン様はその私の思惑を見越してのことかもしれない。
「見送りの挨拶はここで受ける、とのことです」
そう言われて私は椅子から立ち上がって礼を取ろうとしたけれど、彼に肩を押さえ込まれる。
「立っているくらいでは痛みは響きません、と伝えていただけますか」
マノンさんはレイヴァン様に伝えてくれたものの、彼は目をすがめて首を振り手振りをつけて何かを言った。
「とにかく大人しくしていろ、だそうです」
「旦那様、XX」
側に控えるモーリスさんが苦笑して何かを言った。旦那様、お時間が押しておりますよ、とのことだそうだ。これ以上レイヴァン様のお時間を使わせるわけにはいかなかったので、分かりましたと私のほうが折れることにした。
「では、行ってくる」
「シー。アむーるレイヴァン。トるヴェすとマイヤー」
私は椅子に座ったままでお見送りの言葉を伝えると、レイヴァン様はようやくひそめていた眉を下げて笑みをこぼした。
「ああ」
最後になるべく早く帰ると言葉を残すと、踵を返して部屋から出て行った。
「レイヴァン様、お優しいですね」
「ええ。怪我人ですから気遣ってくださっているのでしょう」
「――ええ。それでは私は午前中の仕事がございますので、クリスタル様はレイヴァン様のお言いつけ通り、ごゆっくりされますように」
マノンさんはそう笑って退室した。
「失礼いたします」
お昼になって、カートを押したミレイさんとルディーさんが部屋に入って来た。レイヴァン様のご指示なのだろう。本日のお昼は部屋に用意された。
「エふぁリスとライあー」
準備が終わった彼女らが退室しようとした時にお礼を述べつつミレイさんを止める。
「あミューミレイ」
昨日の騒動で、ミレイさんに湯浴み時のお湯の温度のことをお願いすることを忘れていた。昨日は入らなかったけれど、今日は腫れや痛みがないなら入ってもいいと言われたので、夜は湯浴みしたいと思う。
そう思って彼女に声をかけた。
「はい」
いつも一言だけ淡々と答えるミレイさんは、私に分かりやすいようにとの配慮なのか、それともどうせ言葉を理解できないだろうからとの考えからなのか。
私は心の中で少し自嘲しながら彼女に夜の湯浴みの時、お湯の温度を上げてほしい旨を単語の羅列で伝える。すると彼女は片眉をぴくりと上げた。もちろん横にいるルディーさんの反応はなおいっそう大きく、不可解そうに唇を少し開けて眉をひそめた。
やはりそれだけ水を沸騰させなければならず、手間がかかるのでご迷惑だろうか。
「あ――」
「かしこまりました」
ルディーさんが何か言おうとしたけれど、それを遮るようにミレイさんは了承してくれた。
「……スきゅーズモあ」
申し訳ない気持ちになってミレイさんに謝罪を伝えると、彼女は私の顔を真っすぐ見つめながら、いいえと答えた。
不快には思わないけれど彼女は独特な雰囲気がある。静かなのに内に秘める熱さ、とでも言うのだろうか、それを感じる。
「では失礼いたします」
彼女らはもう一度礼を取って部屋を出て行った。それと入れ替わるようにマノンさんが入って来る。
「お昼のご用意ができたようですね。どうぞ召し上がってくださいませ」
「エふぁリスとライあー。マナジョーず」
ありがとうございます、頂きますと告げてから食事を始める。故郷ではもっと長い祈りを神に捧げてからだった。サンティルノではこの言葉にすべてのものへの感謝が含まれているらしい。
「お味はいかがですか?」
「美味しいです。あ、アンサーベら」
ついグランテーレ語で答えてしまい、私は慌てて訂正した。
「そうですか。お食事量も増えましたね」
「ええ。わたくし、少しは胸が豊かになりましたか」
「……恐れ入りますが、その回答は控えさせていただきます」
先ほどまで笑顔でこちらを見ながらお茶の準備をしてくれていたマノンさんは、そっと視線を外して手元のポットを見つめた。
どうやら胸は寂しいままのようだ。――そういえば、胸が寂しい騒動以降、なぜかまた初めの頃のように味が濃くなった。料理長のヘルムートさんに胸に良い食材をご相談したからだろうか。料理長としての尊厳を傷つけた私の失礼な要求を許してくださったのかもしれない。あれから胸のためのお料理をいろいろ考えていただいているようだ。
困ったような、戸惑っているような、何とも言えない表情で了承してくださったヘルムートさんを思い出す。
「午後からはまた刺繍をなさいますか」
「あ、ええ。そういたします」
最近、マノンさんからは刺繍も習っている。サンティルノ国では男性が遠征に出る場合、無事を祈って母親や妻、恋人が刺繍したハンカチを贈る風習があるらしい。先の大戦では、彼女らにより刺繍されたハンカチは数知れなかっただろうと思われる。
レイヴァン様も誰かからハンカチを贈られて、戦いに身を投じられたのだろうか。そこで傷を負われたこともあったのだろうか。戦場を知らぬ私は、そして元敵国の人間としてはやるせない気持ちになる。
「刺繍のほうは徐々にうまくなってきましたね」
私は刺繍をしたことがなかったので、手は刺さった針で傷だらけになっている。けれど成果はその分だけ出ているようだ。
そういえばあの時、普段、感情の揺れが少ないミレイさんが珍しく厳しい目で私の手を見ていた。きっとこんなこともできないのかと思われたのだろう。
レイヴァン様は公爵家で本来なら戦いに直接身を置く必要のない地位にあるのに、ご本人が望んでこの国に身を捧げているらしい。それは王家の血を引く人間であるがゆえに王位継承者として担ぎ出そうする勢力を牽制し、現国王、および殿下に忠実な臣下であるという立場を示すためのものだそうだ。だからレイヴァン様はこれまで様々な遠征にも買って出ていると言われている。
レイヴァン様は私のことを自分の妻だと言ってくれた。そんな彼に私はハンカチ一枚お渡しできないお飾りの妻にはなりたくない。だからせめて何か一つでも成し遂げたい。そう思った。
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