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花人の謎
【閑話休題】不幸ヤンキー、”狼”が越してくる。《序章》
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―それは、幸にとっては偶然か必然か。それとも青天の霹靂なのか。…もしくは、2人が織りなしてきた”運命”という名の以心伝心か。…しかしそんなことなどどうでも良い。今の幸はどっちでも良かった。
「え~…、わたくしは花ちゃん、いえ…彼岸花 幸君の家に嫁ぎに行こうと思います!」
夕飯時の食事が終えた頃。幸が食器を洗いに行こうと立ち上がって聞かされた彼の言葉に、唖然としてしまった。そんな彼に哉太は笑って笑みを浮かべては視線を運ぶのだ。
「…良いよね、花ちゃん?」
「……はい?」
「また、哉太君の変な言動が…」
その場にいた少女、心は軽く息を吐いて笑みを見せる哉太を見上げていた。
―今日は幸のバイトが休みだったので、夕飯を彼の家で食していたのは…売れっ子かつベストセラー作家かつ、本来は場磁石家という”狼”の中では名門中の銘家で育った人間、場磁石 哉太、26歳。そんな彼に告げられた”嫁宣言”に幸は衝撃のあまり呆然として立ち尽くす。しかしそのような様子に関わらず、哉太はそれぞれの反応を見せる彼らへ雄弁に語るのだ。
「やっぱりさ~、本来からこうするべきだったんだよ。な~んで早く気付かなかったんだろう? 別に俺、花ちゃんに世話になっているわけだし、こころも花ちゃんの家に居るからほとんど俺の家にも行かなかったわけだしさ~。そんじゃあ、嫁いだ方が早いかと思ってね~」
その発想に心はさらに息を吐き、もう少し考えるべきではないかと小学生なりに諭そうとした。しかし満足げな表情を見せる哉太へ驚愕しすぎていて微動だにしていない幸も動き出すのだ。
「哉太君、それって飛躍しすぎて―」
「……ちょっと待った!!!」
あまりにも突然すぎる超展開に幸も聞き流すことは出来ないでおり、哉太の持論と心の問い掛けを遮った。すると彼はふて腐れた表情を見せて幸に顔を向けた。サングラスを外している赤い瞳はとても美しく見惚れてしまいそうだが…今はぐっと堪えて言い放つのだ。
「その前に、日本は今は男同士で結婚は出来ないし、哉太さんの家は名門の家なんだからもっと慎重に考えないといけないし…、それに…」
「おお~、花ちゃんが日本では同性同士で結婚することが出来ないのを知っているとはね~。お兄さんは感心のあまり涙が出ちゃうよ~…」
「だから、それに、だ!」
「まぁ置いてといて…。んで、それに?」
首を傾げる哉太に幸は食事を終えた心に視線を向けたかと思えば、呑気にしている”狼”へはっきりと言い切った。
「嫁ぐ前に引っ越しが先だろ!」
言い切ったような表情を見せる幸に哉太は唖然としていた。だが今度は幸の手を強く握って太陽のような笑みを見せるのだ。しかしその姿と言動を見ている心はさらに長い息を吐きたくなってしまう。
…なんだこのバカップルは。
しかしそのバカップル片方は嬉々として話していく。
「そうだよね~! お兄さん、うっかりしてたよ~」
「そりゃあそうだろ。でも日取りを決めておかないと―」
そして座り込もうとする幸へ哉太はさらに手を握り、提示をするのである。
「…じゃあ引っ越しの手続きしとくからさ~。1週間後に花ちゃんもこころも手伝いに来てね~! 俺のマンションに」
明らかに速すぎる手続きに幸は驚くが心は哉太の心情や考えが見え透いていて分かっている。
…哉太君、もともとそうする気で言ったんだね。…なんで私、こういう人に”狼争い”で負けちゃったのかな…?
内心で皮肉を述べている心と、引っ越しの手続きが分かっていない幸は驚いているので哉太へ問い掛けるが、彼は言葉巧みに操り幸を信じ込ませようとした。
「えっ、そんな急に出来るのか?」
「出来るに決まっているよ~。だって、たとえ悪いけれど夜逃げもあるぐらいじゃん? そういう人達が続出しないように国が引っ越し業者と連携しているわけだ」
「…そうなのか?」
「こころも知っているよね~?」
…こころ、前に欲しがっていたサロン御用達のヘアオイル買ってあげるから一緒に説得して?
「心も知っているのか?」
1人の嘘の思いと1人の無知な青年と問いかけを天秤に掛けて心は迷う節をする。だが哉太は自分が居る前から幸の家によく通っていたことも聞いたことがあったので、別れるリスクは低いなとは考えた。
―この少女、本当に小学生なのだろうか?
…便乗してあげるから、あとで幸君にそういうのは無いって言ってね?
…こころは優しいね~。怒られなかったら伝えるから!
「…なんだそりゃ」
「えっ、じゃあ嘘?」
「ううん、こっちの話。まぁニュースでもそういう話題が出ていた気がするよ。幸君もちゃんとニュース見なきゃダメだよ?」
「あ…はい、ごめんなさい…」
謝罪をしつつも幸が納得するように頷けば、哉太はほんの一瞬だけにやりと笑った。そんなしたたかな哉太へ心は哉太がなんなく使用している”テレパシー”にて、彼に向けて助言をする。
…幸君は本当に鈍いしズレているし疎いから、ちゃんとニュースでそういうのが無かったことを伝えてよ?
幸の将来を心配をする心に、哉太は心に向けて含んだように笑ってはテレパシーで送るのだ。
…こういう花ちゃんが可愛いから、このままでもいいかも?
「…あっそ」
「えっ、どうしたんだよ心?」
「ううん~、なんでもない~」
…バカップルめ。
―これにて、哉太の引っ越し計画が実行される瞬間であった。
「え~…、わたくしは花ちゃん、いえ…彼岸花 幸君の家に嫁ぎに行こうと思います!」
夕飯時の食事が終えた頃。幸が食器を洗いに行こうと立ち上がって聞かされた彼の言葉に、唖然としてしまった。そんな彼に哉太は笑って笑みを浮かべては視線を運ぶのだ。
「…良いよね、花ちゃん?」
「……はい?」
「また、哉太君の変な言動が…」
その場にいた少女、心は軽く息を吐いて笑みを見せる哉太を見上げていた。
―今日は幸のバイトが休みだったので、夕飯を彼の家で食していたのは…売れっ子かつベストセラー作家かつ、本来は場磁石家という”狼”の中では名門中の銘家で育った人間、場磁石 哉太、26歳。そんな彼に告げられた”嫁宣言”に幸は衝撃のあまり呆然として立ち尽くす。しかしそのような様子に関わらず、哉太はそれぞれの反応を見せる彼らへ雄弁に語るのだ。
「やっぱりさ~、本来からこうするべきだったんだよ。な~んで早く気付かなかったんだろう? 別に俺、花ちゃんに世話になっているわけだし、こころも花ちゃんの家に居るからほとんど俺の家にも行かなかったわけだしさ~。そんじゃあ、嫁いだ方が早いかと思ってね~」
その発想に心はさらに息を吐き、もう少し考えるべきではないかと小学生なりに諭そうとした。しかし満足げな表情を見せる哉太へ驚愕しすぎていて微動だにしていない幸も動き出すのだ。
「哉太君、それって飛躍しすぎて―」
「……ちょっと待った!!!」
あまりにも突然すぎる超展開に幸も聞き流すことは出来ないでおり、哉太の持論と心の問い掛けを遮った。すると彼はふて腐れた表情を見せて幸に顔を向けた。サングラスを外している赤い瞳はとても美しく見惚れてしまいそうだが…今はぐっと堪えて言い放つのだ。
「その前に、日本は今は男同士で結婚は出来ないし、哉太さんの家は名門の家なんだからもっと慎重に考えないといけないし…、それに…」
「おお~、花ちゃんが日本では同性同士で結婚することが出来ないのを知っているとはね~。お兄さんは感心のあまり涙が出ちゃうよ~…」
「だから、それに、だ!」
「まぁ置いてといて…。んで、それに?」
首を傾げる哉太に幸は食事を終えた心に視線を向けたかと思えば、呑気にしている”狼”へはっきりと言い切った。
「嫁ぐ前に引っ越しが先だろ!」
言い切ったような表情を見せる幸に哉太は唖然としていた。だが今度は幸の手を強く握って太陽のような笑みを見せるのだ。しかしその姿と言動を見ている心はさらに長い息を吐きたくなってしまう。
…なんだこのバカップルは。
しかしそのバカップル片方は嬉々として話していく。
「そうだよね~! お兄さん、うっかりしてたよ~」
「そりゃあそうだろ。でも日取りを決めておかないと―」
そして座り込もうとする幸へ哉太はさらに手を握り、提示をするのである。
「…じゃあ引っ越しの手続きしとくからさ~。1週間後に花ちゃんもこころも手伝いに来てね~! 俺のマンションに」
明らかに速すぎる手続きに幸は驚くが心は哉太の心情や考えが見え透いていて分かっている。
…哉太君、もともとそうする気で言ったんだね。…なんで私、こういう人に”狼争い”で負けちゃったのかな…?
内心で皮肉を述べている心と、引っ越しの手続きが分かっていない幸は驚いているので哉太へ問い掛けるが、彼は言葉巧みに操り幸を信じ込ませようとした。
「えっ、そんな急に出来るのか?」
「出来るに決まっているよ~。だって、たとえ悪いけれど夜逃げもあるぐらいじゃん? そういう人達が続出しないように国が引っ越し業者と連携しているわけだ」
「…そうなのか?」
「こころも知っているよね~?」
…こころ、前に欲しがっていたサロン御用達のヘアオイル買ってあげるから一緒に説得して?
「心も知っているのか?」
1人の嘘の思いと1人の無知な青年と問いかけを天秤に掛けて心は迷う節をする。だが哉太は自分が居る前から幸の家によく通っていたことも聞いたことがあったので、別れるリスクは低いなとは考えた。
―この少女、本当に小学生なのだろうか?
…便乗してあげるから、あとで幸君にそういうのは無いって言ってね?
…こころは優しいね~。怒られなかったら伝えるから!
「…なんだそりゃ」
「えっ、じゃあ嘘?」
「ううん、こっちの話。まぁニュースでもそういう話題が出ていた気がするよ。幸君もちゃんとニュース見なきゃダメだよ?」
「あ…はい、ごめんなさい…」
謝罪をしつつも幸が納得するように頷けば、哉太はほんの一瞬だけにやりと笑った。そんなしたたかな哉太へ心は哉太がなんなく使用している”テレパシー”にて、彼に向けて助言をする。
…幸君は本当に鈍いしズレているし疎いから、ちゃんとニュースでそういうのが無かったことを伝えてよ?
幸の将来を心配をする心に、哉太は心に向けて含んだように笑ってはテレパシーで送るのだ。
…こういう花ちゃんが可愛いから、このままでもいいかも?
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