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花人の謎
【閑話休題】不幸ヤンキー、”狼”が越してくる。《前編②》
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ほとんどメインが掃除であったようだったが、日が暮れかける前には引っ越し準備が終わったようである。あとは麗永が荷物を幸の家まで搬送すれば任務は完了だ。引っ越しの手続きは恐らく躑躅にさせるのではないかと心配になったが、きちんと説教という名の麗永様のお導きにより幸と一緒だったら行くという条件の下で行かせるようである。
現在、哉太と撫子は煙草休憩をしている。しかしなぜか心も連れて行かれてしまったのだ。不思議に思ったが、煙草を吸って歯磨きをした後に心と話すという名目のもとで哉太は麗永から許可を貰った。…まぁ撫子は失礼にもほどがあるほどかなり笑っていたのだが。
「えっ、僕と撫子さんと場磁石君の関係ですか?」
「いや、どういう関係性なのかな~って思っている、というか…」
「…それはちょっと前に教えたような気がしますがね~?」
そんな中で一休憩をするということなので幸は大学の学部は違うが同級生であった麗永から話を聞き出そうと試みたのだ。案の定、麗永は澄ました顔をしているのだが…幸には理解が出来ずにいる。
「あのことは覚えています。でも2人はなんであんな人…って言ったら失礼だけど、哉太さんと付き合っているんですか?」
「あ~、まぁ腐れ縁ですかね…。非論理的ですけれど…」
―――プシュッ!
缶コーヒーのプルタブを開くものの、幸の言動には気にはなったようだ。だから幸は話していく。
「俺だって初めは哉太さんの態度や性格が気に喰わなくてムカついたし、別れようともしたし…」
目を伏せて話す幸ではあるものの、そんな彼に麗永は笑い掛けてこのような問い掛けをしたのだ。
「でも、今は恋仲ですよね。…君はああいう横暴で人間嫌いで、変態で。文才しか取り柄の無い人間を。人間性が壊滅的な人間を…場磁石君を選んだ」
―それは、なぜでしょうか?
逆に質問返しを食らってしまう幸に、麗永は少し困ったような笑みを浮かばせてから謝罪をしようとした。しかし幸が何かを考えている様子だったので待つ。そんな彼に幸は思い出すように語るのだ。
「初めはムカついたけど…なんか、寂しそうだったから、かな」
その言葉に麗永は興味ありげな表情を見せた。そんな彼に幸は言葉を続ける。
「…ってなに言っているだろ、俺は…。でも、哉太さんと離れたり喧嘩したりすると、心が苦しくなるんです。…なんですかね。哉太さんって」
また疑問に感じてしまう幸に麗永は彼を少し見てはにかんだ。どういう意味なのかが分からないでいる幸に、今度は彼が哉太のことに対して持論を述べるのだ。
「…そうですね。まぁ、彼なりに見定めているんでしょうね」
「見定めている?」
「えぇ。自分のことを本当に見てくれている人を探しているんですよ。裏切らず、他人面をしない、自分の外の、期待されている仮面を外してくれる人を見つけていきたいんでしょうね」
「仮面…ですか?」
「えぇ。自分の本来の姿を見せても揺るがない人をですよ」
その言葉に引っ掛かりを見せた幸に、麗永は缶コーヒーを飲んでから微笑んだ。まるでどこかの異国の王子のような微笑みに幸は不覚にも見惚れてしまう。そんな彼に麗永は言葉を付け足すのだ。
「あなたにも分かりますよ。…場磁石君よりも精神的に大人ですからね」
そして再び缶コーヒーを一口飲んでから深い溜息と共に呟いた。
「…やはりコーヒーは挽き立ての方が美味しいですね。まぁ良いでしょう」
そう言ってコーヒーを飲み干したのであった。
現在、哉太と撫子は煙草休憩をしている。しかしなぜか心も連れて行かれてしまったのだ。不思議に思ったが、煙草を吸って歯磨きをした後に心と話すという名目のもとで哉太は麗永から許可を貰った。…まぁ撫子は失礼にもほどがあるほどかなり笑っていたのだが。
「えっ、僕と撫子さんと場磁石君の関係ですか?」
「いや、どういう関係性なのかな~って思っている、というか…」
「…それはちょっと前に教えたような気がしますがね~?」
そんな中で一休憩をするということなので幸は大学の学部は違うが同級生であった麗永から話を聞き出そうと試みたのだ。案の定、麗永は澄ました顔をしているのだが…幸には理解が出来ずにいる。
「あのことは覚えています。でも2人はなんであんな人…って言ったら失礼だけど、哉太さんと付き合っているんですか?」
「あ~、まぁ腐れ縁ですかね…。非論理的ですけれど…」
―――プシュッ!
缶コーヒーのプルタブを開くものの、幸の言動には気にはなったようだ。だから幸は話していく。
「俺だって初めは哉太さんの態度や性格が気に喰わなくてムカついたし、別れようともしたし…」
目を伏せて話す幸ではあるものの、そんな彼に麗永は笑い掛けてこのような問い掛けをしたのだ。
「でも、今は恋仲ですよね。…君はああいう横暴で人間嫌いで、変態で。文才しか取り柄の無い人間を。人間性が壊滅的な人間を…場磁石君を選んだ」
―それは、なぜでしょうか?
逆に質問返しを食らってしまう幸に、麗永は少し困ったような笑みを浮かばせてから謝罪をしようとした。しかし幸が何かを考えている様子だったので待つ。そんな彼に幸は思い出すように語るのだ。
「初めはムカついたけど…なんか、寂しそうだったから、かな」
その言葉に麗永は興味ありげな表情を見せた。そんな彼に幸は言葉を続ける。
「…ってなに言っているだろ、俺は…。でも、哉太さんと離れたり喧嘩したりすると、心が苦しくなるんです。…なんですかね。哉太さんって」
また疑問に感じてしまう幸に麗永は彼を少し見てはにかんだ。どういう意味なのかが分からないでいる幸に、今度は彼が哉太のことに対して持論を述べるのだ。
「…そうですね。まぁ、彼なりに見定めているんでしょうね」
「見定めている?」
「えぇ。自分のことを本当に見てくれている人を探しているんですよ。裏切らず、他人面をしない、自分の外の、期待されている仮面を外してくれる人を見つけていきたいんでしょうね」
「仮面…ですか?」
「えぇ。自分の本来の姿を見せても揺るがない人をですよ」
その言葉に引っ掛かりを見せた幸に、麗永は缶コーヒーを飲んでから微笑んだ。まるでどこかの異国の王子のような微笑みに幸は不覚にも見惚れてしまう。そんな彼に麗永は言葉を付け足すのだ。
「あなたにも分かりますよ。…場磁石君よりも精神的に大人ですからね」
そして再び缶コーヒーを一口飲んでから深い溜息と共に呟いた。
「…やはりコーヒーは挽き立ての方が美味しいですね。まぁ良いでしょう」
そう言ってコーヒーを飲み干したのであった。
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