159 / 416
第10章 セントラル魔法学院
第159話 新人
しおりを挟む
それはフリーダムへと帰還した翌日の朝、俺達がいない間に訪問してきた者達の報告をティアとサラから受けていた時のことだった。
「ん?カンパル王国から使者が?」
「はい。どうやら、こういった内容の依頼らしく」
「……………なるほどな」
「私も見せて頂いて、これはシンヤさんの判断を仰いだ方がいいと思いましたの」
「それで正解だな。これはリースの時とは明らかにテイストが違う。即決する訳にはいかないからな……………少し考えさせてくれ」
「「はい」」
「じゃあ今日は予定通り、これから会議室にて皆に新人達を紹介しよう」
「かしこまりました」
「既に全員が揃っていることは確認済みですわ」
「よし、では向かうぞ」
――――――――――――――――――――
「おはよう。こんな朝早くから集まってもらったのは他でもない。昨日も伝えた通り、今から我がクランに入ったばかりの新人達を紹介したいと思う。しかし、入ったばかりで緊張している者もいるだろう。だから、早めに慣れてもらう意味でもこの時間での紹介にさせてもらった」
そこまで言ってから、シンヤは周りを見渡した。皆、静かにシンヤの言葉を聞いているようだが、心の中ではワクワクしているのだろう。それらが全て顔に表れていた。
「では早速、本題に入らせてもらう。まず1人目の加入者は………………リース・フォレストだ。彼女がフォレスト国の王女であるということと今回の依頼の顛末は事前に伝えた通りだ。その後、俺達と行動を共にすることを選んだ彼女はクラン"黒天の星"へと加入することとなった。一応、新人という扱いではあるが既に1ヶ月間、ここで生活をしている経歴がある。よって、リースを一組員としてではなく、従魔部隊の隊長として配属させることになった。これは彼女の熟練度と何よりも固有スキルとの親和性を考えた結果である。皆、これからよろしく頼む」
「リース・フォレストです。再び、皆さんと共に過ごせることを幸せに思います。これからもよろしくお願い致します」
「「「「「リース、よろしく!!!!!」」」」」
「次にセバスだ。彼はリースが第三王子として城に迎え入れられた頃から彼女の専属執事として、仕えてきた歴戦の猛者だ。元から戦闘力は高かったがリース同様、1ヶ月の共同生活を経て、より強さを増した。彼もまたクランへ加入し、従魔部隊の副隊長として配属することになった。これから、よろしく頼む」
「ご紹介に預かりました。セバスでございます。また皆様とご一緒させて頂けること、大変嬉しく思っております。これからもご迷惑を多々おかけすることになるかとは思いますが、どうぞよろしくお願い致します」
「「「「「セバスさん、よろしく!!!!!」」」」」
「最後はまとめての紹介となる。フォレスト国からの帰りの途中で偶然出会った者達だ。彼女達はとある小さな村出身でこの度、冒険者を志し、村を出てきたばかりだ。本当の意味での新人であり、まだ冒険者活動自体、したことがない。しかし、意気込みは大したもんだった。俺の課した試練を死に物狂いで乗り越え、今この場に立っている。争いのない平和な村でしか過ごしてこなかった彼女達にとって、それはどれほど辛いことだったのか。いずれ、彼女達は化け、頭角を現してくるだろう。皆も気を抜かないよう、励んでくれ………………ちなみにそんな期待の新人達がこちらだ。カーラ、ニナ、シスター、ルーン、ノール、モモ。以上、6名。これから、色々と教えてやってくれ」
「カーラと申します。皆様のお時間を奪ってしまう訳には参りませんので代表して、私がご挨拶させて頂きます。この度は世間知らずな私達を快く受け入れて下さり、誠にありがとうございます。そして、冒険者の活動自体が初めてなこと故、これからご迷惑をおかけすることになるのをお許し下さい。必ずや、皆様のお役に立てるよう、1日でも早く成長していきたいと思っておりますのでどうか温かい目で接して頂けると幸いでございます。とうぞ、これからよろしくお願い致します!」
「「「「「よろしくお願い致します!!!!!」」」」」
「「「「「よろしく!!!!!」」」」」
「彼女達には色々な組での研修を行ってもらい、それを通してレベルアップしてもらいたいと思っている。そして、最終的にどこに配属するかを決めるんだが、それがいつになるのかはまだ未定だ。だから、一緒になったら、色々と叩き込んでやって欲しい。もちろん、俺が指導に参加することもあるから、そのつもりでよろしく。今日は朝早くから、すまなかったな。そして、集まってくれて感謝する……………では解散」
フリーダムへと帰還した次の日からはまた新しい日々が始まる。新人も加入したことでやることは増えたができることの幅もまた広がった。大小を問わず、変化が生じることでクランメンバー達の士気にも大きな影響を与えている。これより、さらにクランの名声を守る為、慢心せず常に警戒心を持って精力的な活動をしようと各々が決意を新たに進み出したのだった。
「ん?カンパル王国から使者が?」
「はい。どうやら、こういった内容の依頼らしく」
「……………なるほどな」
「私も見せて頂いて、これはシンヤさんの判断を仰いだ方がいいと思いましたの」
「それで正解だな。これはリースの時とは明らかにテイストが違う。即決する訳にはいかないからな……………少し考えさせてくれ」
「「はい」」
「じゃあ今日は予定通り、これから会議室にて皆に新人達を紹介しよう」
「かしこまりました」
「既に全員が揃っていることは確認済みですわ」
「よし、では向かうぞ」
――――――――――――――――――――
「おはよう。こんな朝早くから集まってもらったのは他でもない。昨日も伝えた通り、今から我がクランに入ったばかりの新人達を紹介したいと思う。しかし、入ったばかりで緊張している者もいるだろう。だから、早めに慣れてもらう意味でもこの時間での紹介にさせてもらった」
そこまで言ってから、シンヤは周りを見渡した。皆、静かにシンヤの言葉を聞いているようだが、心の中ではワクワクしているのだろう。それらが全て顔に表れていた。
「では早速、本題に入らせてもらう。まず1人目の加入者は………………リース・フォレストだ。彼女がフォレスト国の王女であるということと今回の依頼の顛末は事前に伝えた通りだ。その後、俺達と行動を共にすることを選んだ彼女はクラン"黒天の星"へと加入することとなった。一応、新人という扱いではあるが既に1ヶ月間、ここで生活をしている経歴がある。よって、リースを一組員としてではなく、従魔部隊の隊長として配属させることになった。これは彼女の熟練度と何よりも固有スキルとの親和性を考えた結果である。皆、これからよろしく頼む」
「リース・フォレストです。再び、皆さんと共に過ごせることを幸せに思います。これからもよろしくお願い致します」
「「「「「リース、よろしく!!!!!」」」」」
「次にセバスだ。彼はリースが第三王子として城に迎え入れられた頃から彼女の専属執事として、仕えてきた歴戦の猛者だ。元から戦闘力は高かったがリース同様、1ヶ月の共同生活を経て、より強さを増した。彼もまたクランへ加入し、従魔部隊の副隊長として配属することになった。これから、よろしく頼む」
「ご紹介に預かりました。セバスでございます。また皆様とご一緒させて頂けること、大変嬉しく思っております。これからもご迷惑を多々おかけすることになるかとは思いますが、どうぞよろしくお願い致します」
「「「「「セバスさん、よろしく!!!!!」」」」」
「最後はまとめての紹介となる。フォレスト国からの帰りの途中で偶然出会った者達だ。彼女達はとある小さな村出身でこの度、冒険者を志し、村を出てきたばかりだ。本当の意味での新人であり、まだ冒険者活動自体、したことがない。しかし、意気込みは大したもんだった。俺の課した試練を死に物狂いで乗り越え、今この場に立っている。争いのない平和な村でしか過ごしてこなかった彼女達にとって、それはどれほど辛いことだったのか。いずれ、彼女達は化け、頭角を現してくるだろう。皆も気を抜かないよう、励んでくれ………………ちなみにそんな期待の新人達がこちらだ。カーラ、ニナ、シスター、ルーン、ノール、モモ。以上、6名。これから、色々と教えてやってくれ」
「カーラと申します。皆様のお時間を奪ってしまう訳には参りませんので代表して、私がご挨拶させて頂きます。この度は世間知らずな私達を快く受け入れて下さり、誠にありがとうございます。そして、冒険者の活動自体が初めてなこと故、これからご迷惑をおかけすることになるのをお許し下さい。必ずや、皆様のお役に立てるよう、1日でも早く成長していきたいと思っておりますのでどうか温かい目で接して頂けると幸いでございます。とうぞ、これからよろしくお願い致します!」
「「「「「よろしくお願い致します!!!!!」」」」」
「「「「「よろしく!!!!!」」」」」
「彼女達には色々な組での研修を行ってもらい、それを通してレベルアップしてもらいたいと思っている。そして、最終的にどこに配属するかを決めるんだが、それがいつになるのかはまだ未定だ。だから、一緒になったら、色々と叩き込んでやって欲しい。もちろん、俺が指導に参加することもあるから、そのつもりでよろしく。今日は朝早くから、すまなかったな。そして、集まってくれて感謝する……………では解散」
フリーダムへと帰還した次の日からはまた新しい日々が始まる。新人も加入したことでやることは増えたができることの幅もまた広がった。大小を問わず、変化が生じることでクランメンバー達の士気にも大きな影響を与えている。これより、さらにクランの名声を守る為、慢心せず常に警戒心を持って精力的な活動をしようと各々が決意を新たに進み出したのだった。
14
あなたにおすすめの小説
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。
目つきが悪いと仲間に捨てられてから、魔眼で全てを射貫くまで。
桐山じゃろ
ファンタジー
高校二年生の横伏藤太はある日突然、あまり接点のないクラスメイトと一緒に元いた世界からファンタジーな世界へ召喚された。初めのうちは同じ災難にあった者同士仲良くしていたが、横伏だけが強くならない。召喚した連中から「勇者の再来」と言われている不東に「目つきが怖い上に弱すぎる」という理由で、森で魔物にやられた後、そのまま捨てられた。……こんなところで死んでたまるか! 奮起と同時に意味不明理解不能だったスキル[魔眼]が覚醒し無双モードへ突入。その後は別の国で召喚されていた同じ学校の女の子たちに囲まれて一緒に暮らすことに。一方、捨てた連中はなんだか勝手に酷い目に遭っているようです。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを掲載しています。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~
テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。
しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。
ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。
「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」
彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ――
目が覚めると未知の洞窟にいた。
貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。
その中から現れたモノは……
「えっ? 女の子???」
これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。
インターネットで異世界無双!?
kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。
その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。
これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す
名無し
ファンタジー
パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる