俺は善人にはなれない

気衒い

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第12章 vs聖義の剣

第237話 骨折り損

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――――――――――――――――――――

リース

性別:女 種族:人族 年齢:15歳 

Lv 90

HP 6000/6000

MP 6000/6000

ATK 6000

DEF 6000

AGI 6000

INT 6000

LUK 6000

固有スキル

テイム・等価交換・限界突破・魔の境

地・守護神・叡智・サイボーグ・炎熱操

作・戦士の誓い・透過・明鏡止水

武技スキル

刀剣術 :Lv.MAX

体術  :Lv.MAX

魔法

全属性魔法

装備

山吹色のシャムシール エ・ゾモロドネガ

ル(伝説級)

称号

創造神の加護・魔物使い・逆境を跳ね除

ける者・諦めない者・傅く者・従者の心

得・恋する乙女・武神・魔神・魔物キラ

ー・盗賊キラー・元フォレスト国王女

――――――――――――――――――――

クロス(魔人状態)

性別:男 種族:人族 年齢:43歳

Lv.35

HP 5555/5555

MP 5555/5555

ATK 5555

DEF 5555

AGI 5555

INT 5555

LUK 5000

固有スキル

金剛・火事場の馬鹿力・脳筋・薬学・飛



武技スキル

大剣術 :Lv.7

体術  :Lv.5

魔法

土魔法:Lv.3

風魔法:Lv.3

無魔法:Lv.6 

装備

アダマンタイト製の大剣(級)

称号

大剣使い・慕われる者・魔人となった者

――――――――――――――――――――


「お、お主はリース王女!?い、一体何

故ここに!?」

「ひどいなぁ。シードさんが僕達に助け

を求めたんでしょ。シンヤが置いていっ

た通信の魔道具を使って………………あ

と、僕はもう王女じゃないから」

「あ……………」

「うわ、その反応はもしかしなくても忘

れてた?」

「正直、ダメ元で救援を呼んだから忘れ

ておったんじゃ。お主らはもっと多くの

者達を救う為に奔走しておる。だから、

あまり頼らず、こちらで何とかしよう

と」

「その"多くの者達"の中にあなた方が

入らないとでも?」

「っ!?」

「安心して。縄張りの人達を見捨てるよ

うなことはしないから。最優先で守る

よ」

「か、かたじけない!助かる!」

シードは立ち上がって、頭を下げた。全

身の痛みなどは気にしていられない。自

分達を守ってくれる者に対して、倒れた

まま感謝の意を表すということはできな

かったのだ。

「戦闘の最中だというのに随分と余裕だ

な?まさか、俺のことを忘れていたとで

も言うつもりか?」

「ん?……………あ」

「お前もそこの爺さんのことは言えない

じゃないか。というより、こうして武器

を交えていてのその態度はもはや称賛に

値するな」

「ありがとう。名も知らぬ大剣使いさ

ん」

「俺の名はクロス。そこにいる奴らのリ

ーダーを務めている者だ。ところでお前

は………………」

「僕はリース。そこにいるフェンリルを

含めた従魔が所属する部隊のリーダーを

務めている」

「その黒衣にクランマーク、それと従魔

部隊という言葉……………そうか、お前は

"黒天の星"のメンバーだな?だが、妙

だな。リースという名は聞いたことがな

いぞ」

「最近、入ったからね。まだ無名でも仕

方ないよ。というか、あの中で名を上げ

るのはとても難しいよ?だって偉大な先

輩方がいるし」

「その偉大な先輩方がここに来ないでお

前のような無名が代わりに来たのは何故

だ?」

「言わなくちゃ分からない?」

「……………まさかとは思うが、俺の相手

がお前1人で十分だと判断されたとで

も?」

「なんだ、分かってるじゃん」

「あまり、俺を舐めるなよ…………"|羽

振《はいしん》"!!」

「うおっと!」

突然、大きく翼を羽ばたかせたクロスは

それと同時に後ろへと下がった。その際

に突風が吹き荒れ、一瞬驚いたリースも

また後ろへと下がる。こうして両者の間

には距離ができた。だが、これだけで終

わるクロスではない。直後、高ランク冒

険者でも対応できるかどうかといった速

度で移動し、リースとの距離を詰める。

「"大空斬たいくうぎり"!!」

「っと!」

リースが紙一重で避けたことにより、ク

ロスが放った大振りの一撃は空を切っ

た。とはいってもリースにそこまでの余

裕があるかと問われれば、決してそうで

はない。部隊長を務める程の男、それも

パワーアップ直後ともなれば、そのスピ

ードと破壊力は桁違い。流石に受け止め

る訳にはいかなかった。

「分かる!分かるぞ!リースとやら、お

前は俺と切り結んだ時、悟ったのだろ

う?俺とまともに打ち合ってはダメだ

と!」

クロスは攻める手を止めずに話しかけ

る。一方のリースは話を聞き流し、ひた

すら避けることに徹する。彼女がここま

で集中して、反撃をせず避け続けるのに

は訳があった。それはある瞬間が訪れる

のを待っていたからだ。そして、その時

は突然訪れた。

「くそっ!刺さってしまった!」

なんとリースに向けて放った何度目かの

一撃が空振り、地面へと突き刺さったの

だ。その瞬間、これをチャンスと捉えた

リースはクロスへ向けて駆け出して、背

後へと回り込むと後ろから翼を全力で斬

りつけた。

「"折り羽"」

「ぐわああああっ!?」

「ふぅ………これで飛ぶことはできない

かな」

先程、クロスが後ろへと下がった時、リ

ースは感じていたのだ。あの翼はお飾り

ではないと。羽ばたき具合から見て、き

っと飛ぶこともでき、もしかしたら空中

戦を仕掛けてくるかもしれない。そうな

る前に翼の機能を停止させ、ついでに陸

上での機動力自体も削いでおけば一石二

鳥であると。そこでずっとその機会を窺

っていたのだ。

「ぐあっ、くそがあっ!」

「っ!?」

しかし、1つ誤算があった。それはクロ

スからの反撃が思いの外、すぐにきたこ

とである。追い詰められた鼠は怖い。リ

ースは完全に予測できていなかった為、

間近で尻尾の一撃を食らってしまったの

だった。

「はぁ、はぁ、はぁ……………よくも俺の

翼を」

「うっ、なんて馬鹿力なんだ。こりゃ、

何本か骨がいったね」

お互いが満身創痍。そもそも実力が拮抗

している者同士、その身にたった一撃と

はいえ攻撃を受けてしまうとこうなるの

は必然だった。だが、負ける訳にはいか

ない。両者共、背負うものがあるから

だ。

「おそらく、あと数回の斬り合いで決着

がつくだろう」

「そうだね」

「何か言い残しておくことはあるか?」

「ないよ。だって、負けないし。そっち

は?」

「俺も同じだ」

本来ならば、即倒れ込む程の激痛。とこ

ろが、彼らは常人ではない。いくつもの

死闘を乗り越えてきた歴戦の猛者だ。だ

から、この状態はただただ意地で立って

いるだけに過ぎなかった。

「では仕切り直していくぞ!」

「あっ、ちょっと待って……………"|天

使の蘇生《エクストラ・リバース》"」

「は?」

「よしっ!じゃあ、やろう!」

「ち、ちょっ、ちょっと待っ」

この日、1人の魔人が間抜け面を晒した

まま、世界から消え去った。
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