スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜

東雲ハヤブサ

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29話 破壊と創造の神との再戦

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 「余とライが戦うことをお前が認めるとはな。一体どんな心境の変化があったんだ?」
 「はぁ? 戦わせるのを許可するのに心境の変化もクソもねぇだろ。ただライがマシになったから戦わせるだけだ」
 
 皆が寝静まり外も黒に包まれている時に、グラティオラスとジューザラスは机を挟み向き合って座っていった。
 
 「それにしても話というのはなんだ」
 
 グラティオラスは顔に笑みを浮かべたまま、ジューザラスに話をするように唆した。
 
 グラティオラスは皆が部屋に戻った後、自分も戻ろうと椅子を立ち上がったところを引き止められたのだ。

 「話っていうのはライのことだ」
 「ほう。ライのことか」
 「ああ……あいつと戦って分かったことがあるんだけどよ……」

 ジューザラスは真剣な表情で言葉を並べていき、そしてグラティオラスを目を合わせた。

 「ライが強くなってんだよ」
 「……は?」
 
 強くなってたって……何を当たり前のことを言ってるんだ?
 逆にこれだけやっておいて弱くなる奴がいるわけが無いだろう。
 
 「なんだてめぇその反応は。あいつが強くなってたんだぞ!」

 これは駄目だ。
 ジューザラスの話に付き合っていたらキリがない。
 もう戻ろう。

 グラティオラスは椅子から立ち上がると、机に置いてあった菓子を手に取って部屋を出ようとした。
 
 「どこ行くんだよ」 
 「もう余は寝る」
 「まだ話は終わってねぇぞ」
 「揉めてる最中みたいな感じで言うな。それに……」

 手に持っていた菓子を口の中に放り込むと、ジューザラスの方を向きニッと口角を上げた。

 「強い相手と戦うなら準備が必要だからな」

 


 

 俺は毎度お馴染みの緑が広がる草原に来ていた。
 しかし今日はいつもと少しだけ違う。
 何が違うかと言えば、いつもは俺と誰かという組み合わせに対し、今この場には全員がいることだ。
  
 グラティオラスは俺が起きた時には準備をしていたが、ヘルラレンとルーレルはまだ寝ていたため叩き起こされていた。

 「ああ……眠い……」
 「テメェは本当に俺と同じで神か? こっちの世界に来てからだらけすぎだろ」
 「いいんだよ。だらけれる時はだらけても」
 「毎日だらけてるやつが何を言ってんだ!」

 ジューザラスとヘルラレンの言い合いを聞きながら、俺は頭の中で少しでも勝てる可能性のある戦い方を考えていた。
 俺はグラに勝てる事なんて無いに等しい。
 だけど、少しでも勝てる可能性があるのだとしたら――。

 「あいつらは放って置いて早く始めるぞ。今回は余を楽しませてくれるんだよな?」
 「楽しめさせれるかどうか分からないが、今の俺の全力で挑むつもりだ」
 
 俺とグラは他の3人から距離を取り、お互い少しだけ離れて向き合った。
  
 グラは笑顔を浮かべているが、それでも目・は真剣そのものだ。
 
 「ジューザラスはお前が強くなったと言っていた」
 「それは嬉しいな」
 「ジューザラスが誰かを褒めるなど、数百年に一度だ。ライはそんなやつに褒められた。余は期待しているぞ」
 「期待に応えれるようにしないとな」

 もう何の音も俺の耳には入ってこない。
 しかし、今は普段以上に感じることが出来る。
 無に等しい俺の勝利を少しでも上げるために、俺は俺の全力を出し尽くす。

 「始めるか。余とライの特訓殺し合いを」
 
 
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