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35話 仲間とは何か
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「国王様」
「そんなに急いで何の用だ」
「この国で昨日、勇者ライ・サーベルズが確認されました」
「ふむ……」
国王と呼ばれる男、ジュレラ・クザックルは黒と銀が混ざる顎髭を撫でながら、微かに顔を下げた。
ライ・サーベルズが生きていたか……。
ハーシュに話を聞く限り死んでいると思ったのだがな……。
面倒なことになったな。
ライの告発のせいで、他の勇者の評判が下げられるかもしれんな。
ジュレラは玉座から立ち上がると、報告をしに来た騎士を上から見下ろし、言葉を投げかかけた。
「ライは誰かといたのか?」
「報告では、数人の人間と共に生活しているようです」
この短い間で仲間を作ったか。
しかし、勇者の中で1番弱いとはいえ、他の冒険者に比べればマシな方だ。
雑魚の冒険者を仲間にすることぐらい余裕だろう。
だったらすることは1つしかない。
これが1番小さく済むのだからな。
「あいつが生きている限り、この国の信頼が落ちかねん。それを防ぐには1つしかない」
「それは一体……」
「あいつ達にこう報告しろ。ライ・サーベルズを見かけ次第、仲間と共に排除せよ、とな」
「は、はい……。仰せのままに」
騎士が走って出て行ったのを確認すると、ジュレラは大きく息を吐きながら玉座に座り直した。
ジュレラの中では、ライが少し大きな脅威に感じていた。
信頼が厚いこの国でも、少しのことで一気に信頼が落ちてしまう可能性がある。
そうなったら国民を自由に動かすことができない。
だから一刻も早く、ジュレラの中ではライを排除するべきだと考えていた。
まあ……、あいつ達に任せておけば心配は要らんだろう。
今まで出した任務も問題なく成し遂げてきた。
あいつ達……いや、あの殺し屋達は、私しか操ることが出来ない。
実に愉快だ。
「ククククク……ハハハハハッ!」
ジュレラは不気味な笑みを浮かべながら、声高々に笑い声を広い空間に響かせた。
俺は巻いている腕をゆっくり離した。
すると、俺の前面に感じていた温かさが少しずつ消えていった。
「抱きしめてもらうって良いことだな」
「多分シーミナは羨ましがっているぞ」
「だとしたら面白いな」
俺とグラはそんな冗談を交わしながら笑い合った。
俺たちのやりとりを見て、ジューザラス達も顔に笑みを浮かべている。
「それでだ。戦っている時にした話だが、ライには誰か守りたい相手でもいるのか?」
「……!?」
もしかして……戦っている間に本当に俺の心の中理解したのか!?
「そんな驚くな。ただただそう感じただけだ」
「あ、そういうことか……。てっきり、破壊と創造の他に心を読む力があるのかと思った」
「そんな力があったら余がライの攻撃をくらうわけないだろう」
「確かにそうだな」
「……それで話してくれる気になったか?」
「それは……」
俺はそこで口を閉じて、視線を下に落とした。
さっきよりは話して良いかもしれないと思い始めた。
だけど、結局あれは俺の問題なのだ。
あの日のことを話せば、間違いなくグラ達は手伝ってくれようとするだろう。
だが、俺はそんなにグラ達に頼っても良いのだろうか?
ここまで俺を強くしてくれた相手に対して、次は人間関係をどうにかしてくれなんて、虫がよすぎるのではないだろうか。
……やっぱり話す事はできない。
これ以上グラ達にどうにかしてもらおうなんて、そんな事――。
「なぁ……ライはさっきから何を格好つけてやがんだよ」
ジューザラスは俺とグラの間に入ってきて、俺を上から見下ろしながら話し続けた。
「ライの考えてることなんざバレバレだぜ? どうせ迷惑をかけたくないだの、頼りすぎるのは良くないとか思ってんじゃねぇのか?」
えぇ……。
やっぱり神は人の心が読めるんじゃないのか……?
「もしそう思ってんなら言ってやるよ。だから?」
「え?」
「迷惑をかけたくない? 頼りすぎるのは良くない? だから? だからなんだよ」
ジューザラスはさらに俺に詰め寄ってきた。
「今頃迷惑だとかなんだ? 俺たちを散々特訓に付き合わせておいてよ。こっちは毎回早起きで迷惑してんだよ」
「う……だ、だからこれ以上負担をかけないようにってそう思って――」
「ちげぇな。俺は散々早起きさせられて迷惑してんだ。だったらこれから1つくらい負担が増えたって、何も変わりゃしねえんだよ」
俺は一瞬ジューザラスが言っていることの意味が分からなかった。
負担が1つ増えるくらい何も変わらない?
普通は1つでも増えることを嫌がるだろ。
俺はそう思い、もしかしたら俺に気を使わせないように言っているだけかとジューザラスの顔を見た。
だが、顔を見ればジューザラスが本気で言っていることは明らかだった。
「あとなぁ、頼りすぎるのは良くなっていうのは確かに合っている。だけどよぉ、ライは自分でも問題を解決しようと努力してるだろ?
小さな問題は1人で解決できるけどなぁ、大きな問題は1人では解決出来ねぇ。
俺たちはなぁ、ただライが抱える大きな問題の解決を手伝ってるだけなんだよ。そこを勘違いすんじゃねぇ」
俺は何かを言おうとしたが、声に出すことが出来なかった。
それどころか、何を言おうとしたのか忘れてしまった。
「それになぁ……」
ジューザラスはそこで言葉を止めて、俺の首に太い腕を巻きつけてきた。
「俺達は仲間だろ? 神だろうが人間だろうがそんな事は関係なく俺達は仲間だ。仲間にはなぁ、いくらでも頼って良いんだよ」
ああ……俺は何を勘違いしていたんだろうか……。
もしかしたら、俺は自分の問題とか言って自分の弱いところを隠したかったのかもしれない。
頼ることは弱さを認めてしまうことと思っていたのか、俺は。
全く、俺はとんだ勘違い野郎だな。
あ、思い出した……。
あの時言おうとしたが声が出ずに、結局忘れてしまった言葉。
俺はさっき……こうジューザラス達に伝えたかった。
「俺の心を救ってくれて、ありがとう」
俺は今まで、仲間であるはずの者達に傷つけられてきた。
だけど今、本当の仲間はどういうものか知った。
「本当にありがとう」
俺は心の底からそう思った。
俺はそのあと、あの日の出来事を全て話した。
同じ勇者であるはずのドラウロ達に裏切られて、グラに助けてもらわなければ俺の命はなかったこと。
そんな俺を必死に守ってくれたハーシュのこと。
俺は俺の全てを話した。
「それは……酷いな……」
「ああ、全くだぜ。よほど魔獣の方がマシだ」
「人間もひどいことをするもんだねぇ」
俺の話を聞いてグラ達は怒りを露わにしていた。
仲間、というものは何か改めて実感出来た気がする。
「そんな人達は……私が……殺してあげる……」
殺すとか初めてルーレルの口から聞いた気がする。
どうやらルーレルもかなり怒っているようだ。
ジューザラスもルーレルの発言にかなり驚いている。
「気持ちはありがたいけど……それはダメだな」
「どうして……?」
「俺のために、ルーレルの手を汚させる訳にはいかないよ。それに、ドラウロとの問題は俺が片付ける」
「おいおい、さっきの俺に話聞いてたかよ? もうこれはライだけの問題じゃ――」
「だからだよ」
「はぁ? どういうことだよ」
「ドラウロの相手なんて、全く問題がないってことだ」
「キハハッ! おもしれぇこと言うな!」
どうやらジューザラスには、俺の返しが受けたらしい。
「だったら俺達は手伝うことは何もねぇな。ならとっとと帰って寝るか」
「ジューザラスは寝すぎだよー。私みたいに健康な生活を送らないと」
「昼まで寝てるヤツが健康を語んな」
「ひどーい。私だって健康に気を使って……ん? どうした?」
ヘルラレンはそこで言葉を切ると、少し下を向いて話し出した。
神界にいる神と話しているのだろうか?
ヘルラレンは、笑顔でうんうんと頷いて話していた。
のは、最初のうちだった。
途中から次第に笑顔が消えていき、最終的に真顔になりそこで会話を切り上げた。
その異常な様子に、グラ達も違和感を感じて声をかけた。
「どうした? 神界で何かあったのか?」
「いや……そんなことはないよ……。でも、神界で問題が発生した方がマシだったかもね……」
「ヘルラレン様、それは一体どういう意味なのでしょうか?」
「それは……」
シェラレイの質問にヘルラレンは一筋の汗を流して、ゆっくりと口を開いた。
「悪魔達が……人間界に侵攻を始めたそうだよ……」
俺はこの時全く理解できていなかった。
侵攻を始めている悪魔達が、どれだけ恐ろしいのかを。
グラ達がいるから大丈夫と考えていた俺が、どれだけ哀れだったかを。
「そんなに急いで何の用だ」
「この国で昨日、勇者ライ・サーベルズが確認されました」
「ふむ……」
国王と呼ばれる男、ジュレラ・クザックルは黒と銀が混ざる顎髭を撫でながら、微かに顔を下げた。
ライ・サーベルズが生きていたか……。
ハーシュに話を聞く限り死んでいると思ったのだがな……。
面倒なことになったな。
ライの告発のせいで、他の勇者の評判が下げられるかもしれんな。
ジュレラは玉座から立ち上がると、報告をしに来た騎士を上から見下ろし、言葉を投げかかけた。
「ライは誰かといたのか?」
「報告では、数人の人間と共に生活しているようです」
この短い間で仲間を作ったか。
しかし、勇者の中で1番弱いとはいえ、他の冒険者に比べればマシな方だ。
雑魚の冒険者を仲間にすることぐらい余裕だろう。
だったらすることは1つしかない。
これが1番小さく済むのだからな。
「あいつが生きている限り、この国の信頼が落ちかねん。それを防ぐには1つしかない」
「それは一体……」
「あいつ達にこう報告しろ。ライ・サーベルズを見かけ次第、仲間と共に排除せよ、とな」
「は、はい……。仰せのままに」
騎士が走って出て行ったのを確認すると、ジュレラは大きく息を吐きながら玉座に座り直した。
ジュレラの中では、ライが少し大きな脅威に感じていた。
信頼が厚いこの国でも、少しのことで一気に信頼が落ちてしまう可能性がある。
そうなったら国民を自由に動かすことができない。
だから一刻も早く、ジュレラの中ではライを排除するべきだと考えていた。
まあ……、あいつ達に任せておけば心配は要らんだろう。
今まで出した任務も問題なく成し遂げてきた。
あいつ達……いや、あの殺し屋達は、私しか操ることが出来ない。
実に愉快だ。
「ククククク……ハハハハハッ!」
ジュレラは不気味な笑みを浮かべながら、声高々に笑い声を広い空間に響かせた。
俺は巻いている腕をゆっくり離した。
すると、俺の前面に感じていた温かさが少しずつ消えていった。
「抱きしめてもらうって良いことだな」
「多分シーミナは羨ましがっているぞ」
「だとしたら面白いな」
俺とグラはそんな冗談を交わしながら笑い合った。
俺たちのやりとりを見て、ジューザラス達も顔に笑みを浮かべている。
「それでだ。戦っている時にした話だが、ライには誰か守りたい相手でもいるのか?」
「……!?」
もしかして……戦っている間に本当に俺の心の中理解したのか!?
「そんな驚くな。ただただそう感じただけだ」
「あ、そういうことか……。てっきり、破壊と創造の他に心を読む力があるのかと思った」
「そんな力があったら余がライの攻撃をくらうわけないだろう」
「確かにそうだな」
「……それで話してくれる気になったか?」
「それは……」
俺はそこで口を閉じて、視線を下に落とした。
さっきよりは話して良いかもしれないと思い始めた。
だけど、結局あれは俺の問題なのだ。
あの日のことを話せば、間違いなくグラ達は手伝ってくれようとするだろう。
だが、俺はそんなにグラ達に頼っても良いのだろうか?
ここまで俺を強くしてくれた相手に対して、次は人間関係をどうにかしてくれなんて、虫がよすぎるのではないだろうか。
……やっぱり話す事はできない。
これ以上グラ達にどうにかしてもらおうなんて、そんな事――。
「なぁ……ライはさっきから何を格好つけてやがんだよ」
ジューザラスは俺とグラの間に入ってきて、俺を上から見下ろしながら話し続けた。
「ライの考えてることなんざバレバレだぜ? どうせ迷惑をかけたくないだの、頼りすぎるのは良くないとか思ってんじゃねぇのか?」
えぇ……。
やっぱり神は人の心が読めるんじゃないのか……?
「もしそう思ってんなら言ってやるよ。だから?」
「え?」
「迷惑をかけたくない? 頼りすぎるのは良くない? だから? だからなんだよ」
ジューザラスはさらに俺に詰め寄ってきた。
「今頃迷惑だとかなんだ? 俺たちを散々特訓に付き合わせておいてよ。こっちは毎回早起きで迷惑してんだよ」
「う……だ、だからこれ以上負担をかけないようにってそう思って――」
「ちげぇな。俺は散々早起きさせられて迷惑してんだ。だったらこれから1つくらい負担が増えたって、何も変わりゃしねえんだよ」
俺は一瞬ジューザラスが言っていることの意味が分からなかった。
負担が1つ増えるくらい何も変わらない?
普通は1つでも増えることを嫌がるだろ。
俺はそう思い、もしかしたら俺に気を使わせないように言っているだけかとジューザラスの顔を見た。
だが、顔を見ればジューザラスが本気で言っていることは明らかだった。
「あとなぁ、頼りすぎるのは良くなっていうのは確かに合っている。だけどよぉ、ライは自分でも問題を解決しようと努力してるだろ?
小さな問題は1人で解決できるけどなぁ、大きな問題は1人では解決出来ねぇ。
俺たちはなぁ、ただライが抱える大きな問題の解決を手伝ってるだけなんだよ。そこを勘違いすんじゃねぇ」
俺は何かを言おうとしたが、声に出すことが出来なかった。
それどころか、何を言おうとしたのか忘れてしまった。
「それになぁ……」
ジューザラスはそこで言葉を止めて、俺の首に太い腕を巻きつけてきた。
「俺達は仲間だろ? 神だろうが人間だろうがそんな事は関係なく俺達は仲間だ。仲間にはなぁ、いくらでも頼って良いんだよ」
ああ……俺は何を勘違いしていたんだろうか……。
もしかしたら、俺は自分の問題とか言って自分の弱いところを隠したかったのかもしれない。
頼ることは弱さを認めてしまうことと思っていたのか、俺は。
全く、俺はとんだ勘違い野郎だな。
あ、思い出した……。
あの時言おうとしたが声が出ずに、結局忘れてしまった言葉。
俺はさっき……こうジューザラス達に伝えたかった。
「俺の心を救ってくれて、ありがとう」
俺は今まで、仲間であるはずの者達に傷つけられてきた。
だけど今、本当の仲間はどういうものか知った。
「本当にありがとう」
俺は心の底からそう思った。
俺はそのあと、あの日の出来事を全て話した。
同じ勇者であるはずのドラウロ達に裏切られて、グラに助けてもらわなければ俺の命はなかったこと。
そんな俺を必死に守ってくれたハーシュのこと。
俺は俺の全てを話した。
「それは……酷いな……」
「ああ、全くだぜ。よほど魔獣の方がマシだ」
「人間もひどいことをするもんだねぇ」
俺の話を聞いてグラ達は怒りを露わにしていた。
仲間、というものは何か改めて実感出来た気がする。
「そんな人達は……私が……殺してあげる……」
殺すとか初めてルーレルの口から聞いた気がする。
どうやらルーレルもかなり怒っているようだ。
ジューザラスもルーレルの発言にかなり驚いている。
「気持ちはありがたいけど……それはダメだな」
「どうして……?」
「俺のために、ルーレルの手を汚させる訳にはいかないよ。それに、ドラウロとの問題は俺が片付ける」
「おいおい、さっきの俺に話聞いてたかよ? もうこれはライだけの問題じゃ――」
「だからだよ」
「はぁ? どういうことだよ」
「ドラウロの相手なんて、全く問題がないってことだ」
「キハハッ! おもしれぇこと言うな!」
どうやらジューザラスには、俺の返しが受けたらしい。
「だったら俺達は手伝うことは何もねぇな。ならとっとと帰って寝るか」
「ジューザラスは寝すぎだよー。私みたいに健康な生活を送らないと」
「昼まで寝てるヤツが健康を語んな」
「ひどーい。私だって健康に気を使って……ん? どうした?」
ヘルラレンはそこで言葉を切ると、少し下を向いて話し出した。
神界にいる神と話しているのだろうか?
ヘルラレンは、笑顔でうんうんと頷いて話していた。
のは、最初のうちだった。
途中から次第に笑顔が消えていき、最終的に真顔になりそこで会話を切り上げた。
その異常な様子に、グラ達も違和感を感じて声をかけた。
「どうした? 神界で何かあったのか?」
「いや……そんなことはないよ……。でも、神界で問題が発生した方がマシだったかもね……」
「ヘルラレン様、それは一体どういう意味なのでしょうか?」
「それは……」
シェラレイの質問にヘルラレンは一筋の汗を流して、ゆっくりと口を開いた。
「悪魔達が……人間界に侵攻を始めたそうだよ……」
俺はこの時全く理解できていなかった。
侵攻を始めている悪魔達が、どれだけ恐ろしいのかを。
グラ達がいるから大丈夫と考えていた俺が、どれだけ哀れだったかを。
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