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初デートをしてみたら
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「ペアリングって…やつ?どんなときでも、しずくとずっと繋がってるって感じたいから」
りっくんは照れくさそうに頬をかく。
すると、首元にキラリと輝くチェーンが見えた。
そこには、わたしが渡されたペアリングと同じデザインのシルバーのリングがつけられていた。
「指にはめたらすぐに見つかって、学校にはつけて行けないし。でも、チェーンを通してネックレスにしたら、襟で隠れて見えないだろ?」
だから、ずっと身につけていられる。
そう思いながら、りっくんはこのペアリングを選んでくれたんだそう。
りっくんに、後ろの髪をかき上げるように言われる。
その通りにすると、わたしの首元にペアリングを通したチェーンをつけてくれた。
りっくんとはヒミツのお付き合い。
でも、わたしたちはちゃんとこのペアリングで繋がっている。
普段は隠れて見えないけど、ふとしたときにチラリと見えるネックレスのペアリングもまた、わたしたちらしいと思ったのだ。
その日の夕方。
りっくんが、わたしを家まで送ってくれた。
「りっくん!わざわざしずくを送ってくれて、ありがとうね~!」
「いえ」
お母さんが玄関でりっくんを出迎える。
りっくんとの楽しいデートは、あっという間だった。
本当はもっといっしょにいたかった。
でも、お母さんが心配するといけないからとりっくんが言ってくれて、こうして帰ってきた。
そのかわり、少しでも長くいっしょにいたいから、家まで送ると。
だけど、そのわたしの家にも着いてしまった。
ここで、バイバイしなければいけない…。
「それじゃあ、俺はこれで」
「うんっ。今日はありがとう、りっくん」
わたしは、名残惜しそうに手を振る。
今さっきデートから帰ってきたばかりだというのに、次はいつデートできるかな…なんてことを考えてしまうのだった。
小学生のときのように、りっくんと家が近ければ、こんなに寂しい思いをすることもないのかな。
と思っていた……そのとき。
「そうだ、りっくん!よかったら、ウチで晩ごはん食べていかないっ?」
なんと、お母さんから突然の提案。
突拍子もないその発言に、あのりっくんがキョトンした顔を見せる。
りっくんともう少しいっしょにいれるのはうれしいけど、さすがにいきなり晩ごはんに誘うのは…。
「…ちょっとお母さん、急すぎるよ…!」
「…あ、やっぱり?そうよね~。りっくんだって、お家でごはんが用意されてるもんね」
そうだよ。
りっくんのお母さんだって、きっと今頃晩ごはんの支度をしているに違いない。
そう思っていたら――。
「いえ。今日は、父さんも母さんも仕事で帰りが遅くて、夕飯は適当に出前を取るように言われているんです」
……えっ…?
ということは…?
「迷惑じゃなければ、お言葉に甘えちゃってもいいですか?」
「もちろんっ!!だって、りっくんなら大歓迎だから♪」
りっくんに手料理を振る舞えるとなって、大喜びするお母さん。
まさか、りっくんがウチで晩ごはんを食べて帰ることになるとは思わなかった。
驚いたけど、りっくんといっしょに食事ができるなんて…!
りっくんともう少しだけいっしょにいれることになって、わたしの心臓はまたドキドキしていた。
「簡単なものでごめんね~」
と言って、お母さんが運んできたのは、ミートソースのスパゲッティとタマネギの冷製スープ。
それを見て、頬が緩むりっくん。
「しずくのお母さんのミートスパ、すっげぇ久しぶりに食べるからうれしいです」
小学生のときは、りっくんがわたしの家に遊びにきたときは、いっしょにご飯を食べることもあった。
その中でも、りっくんがお母さんの手料理で好きだったのがミートソースのスパゲッティ。
毎回、口の周りを真っ赤に染めながら頬張っていた。
「うれし~!りっくん、覚えててくれてたんだ!」
「もちろんですっ。俺の大好物ですから」
お母さんにそのことを伝えると、りっくんはクルクルとフォークでパスタを巻くと、口へと運んだ。
「うん、うまいっ」
クールなりっくんが、まるで子どもみたいに頬張っている。
その幸せそうなりっくんの表情を見て、わたしとお母さんは顔を見合わせて微笑んだ。
「ごちそうさまでした」
「こんなものでよければ、また遊びにきてねっ」
「はい。ありがとうございます」
晩ごはんを終え、帰る支度をするりっくん。
楽しげな食事もあっという間に終わってしまった。
今度こそ、本当にりっくんは帰ってしまう。
寂しいけど…。
月曜日になったらまた学校で会える。
それに、もうすぐ夏休みだから、予定が合えばいっしょに遊ぶこともできる。
寂しいのはしょうがないけど、今だけだよね。
わたしがわがまま言ったら、きっとりっくんだって困るだろうし。
…だから、我慢我慢!
そう自分に言い聞かせる。
…とは言っても、やっぱりりっくんと離れるのは寂しいのが本音。
しかし、そんなわたしに神様が味方してくれたのだろうか――。
まさかのりっくんが帰る直前で、突然の大雨。
しかもどうやら、朝方まで止まないらしい。
「りっくん、すごい雨だけど…大丈夫?」
「…まぁ、傘を貸してもらえたら」
とりっくんは言うけど、外は横殴りの激しい雨。
おそらく、傘を差しても意味がなさそうなレベル。
「車があれば、家まで送れたんだけど…」
そう呟くお母さん。
だけど車は、お父さんがゴルフの泊まりで乗って行ってしまい、明日にならないと帰ってこない。
突然の雨で、家に帰るのは難しい。
それに、今日はりっくんのお父さんもお母さんも仕事で遅く、家に帰ってもだれもいない。
明日、りっくんは午後から撮影の予定が入っているらしいけど、それまでに帰ればいいということで――。
「今日1日、お世話になります」
なんと、りっくんがわたしの家にお泊まりすることになった!
『それなら、今度りっくんもウチに遊びにきてよ!まだ、家の中には入ったことはなかったでしょ?』
『そうだな。前に、玄関でちょこっと話して帰ったくらいだし』
『お母さんも喜ぶと思うからさっ』
『おう』
映画を見終わったあと、そんな話をしていたけど…。
こんな早くに現実になるとは思わなかった。
「りっくんの家には、電話で事情を説明しておくからっ」
お母さんもりっくんがお泊まりすることがうれしいのか、ノリノリでりっくんのお風呂上がりに着替えも用意している。
しかも、わたしの部屋には、わたしのベッドの隣に…1組の布団が。
「お母さん、なにこれ…⁉︎」
慌てて、キッチンで食事の片付けをしていたお母さんのもとへ。
「なにって、なにが?」
「わたしの部屋にっ…布団が!」
「そんなに驚くこと?りっくんの分よ」
「…それはわかってるよ!」
わたしが聞きたいのは、どうしてりっくんの布団がわたしの部屋にあるかということだ。
「だって、他に部屋は空いてないし…。お客様をリビングで寝かすわけにはいかないでしょ?」
「それは、そうだけど…」
「小さいときはいっしょの布団で寝てた仲なんだから、今さら恥ずかしがることもないでしょ!」
お母さんは楽観的にそう言うと、洗い物を済ませて、お風呂に入りに行ってしまった。
「…ごめん、りっくん。他に部屋が空いてないみたいで…」
わたしの部屋の前で待っていてくれていたりっくんにそう告げる。
「そっか。それなら仕方ないな」
「だったら、わたしがリビングで寝るよ!」
「なに言ってるんだよ。それなら、俺がリビングに行くよ。そもそもお邪魔させてもらってるのは俺のほうなんだし」
「でも…りっくんをそんなところで寝かせられないよ」
「俺だって、同じ気持ちだよ」
わたしとりっくんの意見は同じ。
「それじゃあ…。べつになにもしないからさ。しずくの部屋で…寝かせてもらってもいい?」
「そ…それは、もちろん!りっくんが構わないのなら…」
当然、りっくんがなにかしてくるなんて思っていない。
ただ、好きな人が隣で寝てるかと思ったら、わたしのほうが眠れるかが不安ということくらい。
「じゃあ、電気消すね」
「ああ。おやすみ、しずく」
「おやすみ」
明かりを消すと、一瞬にして部屋の中は真っ暗に。
いつもなら、月明かりがカーテン越しにぼんやり見えたりもするけれど、今日は分厚い雨雲に覆われて、本当に真っ暗闇だ。
暗いのがこわい。
そんな子どもみたいなことは言わないけど…。
りっくんは照れくさそうに頬をかく。
すると、首元にキラリと輝くチェーンが見えた。
そこには、わたしが渡されたペアリングと同じデザインのシルバーのリングがつけられていた。
「指にはめたらすぐに見つかって、学校にはつけて行けないし。でも、チェーンを通してネックレスにしたら、襟で隠れて見えないだろ?」
だから、ずっと身につけていられる。
そう思いながら、りっくんはこのペアリングを選んでくれたんだそう。
りっくんに、後ろの髪をかき上げるように言われる。
その通りにすると、わたしの首元にペアリングを通したチェーンをつけてくれた。
りっくんとはヒミツのお付き合い。
でも、わたしたちはちゃんとこのペアリングで繋がっている。
普段は隠れて見えないけど、ふとしたときにチラリと見えるネックレスのペアリングもまた、わたしたちらしいと思ったのだ。
その日の夕方。
りっくんが、わたしを家まで送ってくれた。
「りっくん!わざわざしずくを送ってくれて、ありがとうね~!」
「いえ」
お母さんが玄関でりっくんを出迎える。
りっくんとの楽しいデートは、あっという間だった。
本当はもっといっしょにいたかった。
でも、お母さんが心配するといけないからとりっくんが言ってくれて、こうして帰ってきた。
そのかわり、少しでも長くいっしょにいたいから、家まで送ると。
だけど、そのわたしの家にも着いてしまった。
ここで、バイバイしなければいけない…。
「それじゃあ、俺はこれで」
「うんっ。今日はありがとう、りっくん」
わたしは、名残惜しそうに手を振る。
今さっきデートから帰ってきたばかりだというのに、次はいつデートできるかな…なんてことを考えてしまうのだった。
小学生のときのように、りっくんと家が近ければ、こんなに寂しい思いをすることもないのかな。
と思っていた……そのとき。
「そうだ、りっくん!よかったら、ウチで晩ごはん食べていかないっ?」
なんと、お母さんから突然の提案。
突拍子もないその発言に、あのりっくんがキョトンした顔を見せる。
りっくんともう少しいっしょにいれるのはうれしいけど、さすがにいきなり晩ごはんに誘うのは…。
「…ちょっとお母さん、急すぎるよ…!」
「…あ、やっぱり?そうよね~。りっくんだって、お家でごはんが用意されてるもんね」
そうだよ。
りっくんのお母さんだって、きっと今頃晩ごはんの支度をしているに違いない。
そう思っていたら――。
「いえ。今日は、父さんも母さんも仕事で帰りが遅くて、夕飯は適当に出前を取るように言われているんです」
……えっ…?
ということは…?
「迷惑じゃなければ、お言葉に甘えちゃってもいいですか?」
「もちろんっ!!だって、りっくんなら大歓迎だから♪」
りっくんに手料理を振る舞えるとなって、大喜びするお母さん。
まさか、りっくんがウチで晩ごはんを食べて帰ることになるとは思わなかった。
驚いたけど、りっくんといっしょに食事ができるなんて…!
りっくんともう少しだけいっしょにいれることになって、わたしの心臓はまたドキドキしていた。
「簡単なものでごめんね~」
と言って、お母さんが運んできたのは、ミートソースのスパゲッティとタマネギの冷製スープ。
それを見て、頬が緩むりっくん。
「しずくのお母さんのミートスパ、すっげぇ久しぶりに食べるからうれしいです」
小学生のときは、りっくんがわたしの家に遊びにきたときは、いっしょにご飯を食べることもあった。
その中でも、りっくんがお母さんの手料理で好きだったのがミートソースのスパゲッティ。
毎回、口の周りを真っ赤に染めながら頬張っていた。
「うれし~!りっくん、覚えててくれてたんだ!」
「もちろんですっ。俺の大好物ですから」
お母さんにそのことを伝えると、りっくんはクルクルとフォークでパスタを巻くと、口へと運んだ。
「うん、うまいっ」
クールなりっくんが、まるで子どもみたいに頬張っている。
その幸せそうなりっくんの表情を見て、わたしとお母さんは顔を見合わせて微笑んだ。
「ごちそうさまでした」
「こんなものでよければ、また遊びにきてねっ」
「はい。ありがとうございます」
晩ごはんを終え、帰る支度をするりっくん。
楽しげな食事もあっという間に終わってしまった。
今度こそ、本当にりっくんは帰ってしまう。
寂しいけど…。
月曜日になったらまた学校で会える。
それに、もうすぐ夏休みだから、予定が合えばいっしょに遊ぶこともできる。
寂しいのはしょうがないけど、今だけだよね。
わたしがわがまま言ったら、きっとりっくんだって困るだろうし。
…だから、我慢我慢!
そう自分に言い聞かせる。
…とは言っても、やっぱりりっくんと離れるのは寂しいのが本音。
しかし、そんなわたしに神様が味方してくれたのだろうか――。
まさかのりっくんが帰る直前で、突然の大雨。
しかもどうやら、朝方まで止まないらしい。
「りっくん、すごい雨だけど…大丈夫?」
「…まぁ、傘を貸してもらえたら」
とりっくんは言うけど、外は横殴りの激しい雨。
おそらく、傘を差しても意味がなさそうなレベル。
「車があれば、家まで送れたんだけど…」
そう呟くお母さん。
だけど車は、お父さんがゴルフの泊まりで乗って行ってしまい、明日にならないと帰ってこない。
突然の雨で、家に帰るのは難しい。
それに、今日はりっくんのお父さんもお母さんも仕事で遅く、家に帰ってもだれもいない。
明日、りっくんは午後から撮影の予定が入っているらしいけど、それまでに帰ればいいということで――。
「今日1日、お世話になります」
なんと、りっくんがわたしの家にお泊まりすることになった!
『それなら、今度りっくんもウチに遊びにきてよ!まだ、家の中には入ったことはなかったでしょ?』
『そうだな。前に、玄関でちょこっと話して帰ったくらいだし』
『お母さんも喜ぶと思うからさっ』
『おう』
映画を見終わったあと、そんな話をしていたけど…。
こんな早くに現実になるとは思わなかった。
「りっくんの家には、電話で事情を説明しておくからっ」
お母さんもりっくんがお泊まりすることがうれしいのか、ノリノリでりっくんのお風呂上がりに着替えも用意している。
しかも、わたしの部屋には、わたしのベッドの隣に…1組の布団が。
「お母さん、なにこれ…⁉︎」
慌てて、キッチンで食事の片付けをしていたお母さんのもとへ。
「なにって、なにが?」
「わたしの部屋にっ…布団が!」
「そんなに驚くこと?りっくんの分よ」
「…それはわかってるよ!」
わたしが聞きたいのは、どうしてりっくんの布団がわたしの部屋にあるかということだ。
「だって、他に部屋は空いてないし…。お客様をリビングで寝かすわけにはいかないでしょ?」
「それは、そうだけど…」
「小さいときはいっしょの布団で寝てた仲なんだから、今さら恥ずかしがることもないでしょ!」
お母さんは楽観的にそう言うと、洗い物を済ませて、お風呂に入りに行ってしまった。
「…ごめん、りっくん。他に部屋が空いてないみたいで…」
わたしの部屋の前で待っていてくれていたりっくんにそう告げる。
「そっか。それなら仕方ないな」
「だったら、わたしがリビングで寝るよ!」
「なに言ってるんだよ。それなら、俺がリビングに行くよ。そもそもお邪魔させてもらってるのは俺のほうなんだし」
「でも…りっくんをそんなところで寝かせられないよ」
「俺だって、同じ気持ちだよ」
わたしとりっくんの意見は同じ。
「それじゃあ…。べつになにもしないからさ。しずくの部屋で…寝かせてもらってもいい?」
「そ…それは、もちろん!りっくんが構わないのなら…」
当然、りっくんがなにかしてくるなんて思っていない。
ただ、好きな人が隣で寝てるかと思ったら、わたしのほうが眠れるかが不安ということくらい。
「じゃあ、電気消すね」
「ああ。おやすみ、しずく」
「おやすみ」
明かりを消すと、一瞬にして部屋の中は真っ暗に。
いつもなら、月明かりがカーテン越しにぼんやり見えたりもするけれど、今日は分厚い雨雲に覆われて、本当に真っ暗闇だ。
暗いのがこわい。
そんな子どもみたいなことは言わないけど…。
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